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第285話
仕事帰りの金曜日の夜に、マコと待ち合わせしていた
「マコ、待った?」
「今、来た所だから大丈夫だよ」
「んじゃ、行こっか~」
絵美ちゃんと待ち合わせの場所に、マコと一緒に電車で向かった。
電車の中で、マコが言い出す。
「絵美ちゃん、変わってた?」
「そうだね。やっぱり女の子は変わるね。大人になって綺麗になってたよ」
「ふ~ん」
マコの何か含んだ相槌に、怪訝に思って話す。
「マコ、絵美ちゃんも学生の時とは違って、社会人になってるんだから、成長してると思うよ」
「そうだと良いけど……。ミキは、甘いからなぁ~。人間の本質って、そんな変わるもんじゃ無いと思うけどね」
「マコ! 絵美ちゃんの前で、余り態度悪くしないでね。久し振りなんだから、楽しくね」
「解ったけど……あっち次第」
「マコ!」
「そもそも、何で飲む事になったわけ?会った時に、懐かしい~って言って終われば良い話じゃ無いの?」
「偶然に会って、懐かしい~って言って、今度飲みに行こうって誘われて、じゃあ、マコも誘うねって……あの時、咄嗟の事で。それに彼氏が居たみたいで、呼ばれて絵美ちゃんも急いでいたから、電話番号聞かれて交換しただけで、余り話が出来無かったからだと思う俺も社交辞令だと思ってたから、まさか忘れた頃に電話掛かってくると思わなかった。」
「ミキは、お人好しで断れ無いんだから~。でも、1回飲みに行けば、もういいんでしょう?」
「うん。マコ、付き合ってくれて、ありがとう」
「解ってるよ。成宮さんの手前、2人っきりで飲みに行くのは、嫌だったんでしょ?」
「うん。ご飯なら、まだ良いけど……飲むのは……伊織さんも嫌な気持ちするかな?って」
「ミキらしい~。じゃあ、ミキの為に我慢しますよ」
「うん、楽しく飲んで終わりにしよう」
「はい、はい」
「マコ、返事は1回」
「は~い」
クスクスクス……
キャハハハ……
笑いながらも、マコの適当な返事に不安になる。
大丈夫かなぁ~。
大学の時から、反りが合わない2人。
何でかなぁ~。
マコは、思った事は隠さずにはっきり言っちゃうからなぁ~、それに対抗する絵美ちゃんも凄いけど……。
大学の時にマコから聞いた話しは、俺もそんな光景見たりマコ以外の人からも聞いたりしてたけど、別に俺に何かしてきたわけじゃ無いし、逆に先輩.先輩って懐く絵美ちゃんは、可愛い後輩なんだけどなぁ~。
それをマコに話すと「それも計算なんだよ。ミキは甘いし鈍感なんだからぁ~」って言われるし。
マコを誘ったのは失敗だったかな?かと言って、マコ以外一緒に行ってくれる人居ないし……。
どうか無事に終わりますようにと心で拝んでいた。
心配と不安の中、絵美ちゃんが待ってるだろう場所に向かった。
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