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第292話

♪♪♪♪〜 「誰だ?」 朝からの電話で起こされた。 スマホを手に取り画面を確認するとミキだった。 「ミキ?」 何かあったのか?遅れるとかか?何だか嫌な予感がすると思いながら電話に出る。 「おはよ。どうした?遅れるのか?」 「おはようございます。その……伊織さんの所に出掛ける用意していたら……えっと…絵美ちゃんから電話あって、どうしても相談に乗ってほしい事があるからって……」 「……それで」 「今日、出掛けるからって話したんですけど、先輩にしか相談出来無いって泣いて話すから……すみませんちょっと行ってきます」 「……そうか。で、その後は、俺の所に来るんだろうな?」 「もちろんです。なるべく、早く終わらせて行きます」 「……解った」 「すみません」 「……こっちに来たら、話は聞かせて貰うからな」 「はい。すみません」 「ミキが悪いんじゃないから、謝るな。早めに来いよ」 「はい。じゃあ、後で」 「解った。待ってる」 電話を切り、時間を確認すると9時だった。 今から会うんじゃ、昼は過ぎるかも知れないな。 ミキが悪いんじゃないと自分に言い聞かせ、何とか感情は抑えたつもりだ。 頭をガシガシ掻き「あ~、イライラする」 気分転換にシャワ-を浴びに行く事にした。 シャワ-を浴び、ソファで横になり天井を見上げて考え事をしていた。 絵美ちゃんってどう言う子なんだ?ミキからの話では悪い子じゃないが回りの空気を読めないって言ってたが、ミキは基本的に人の悪口は言わないからなぁ~。 確かに、空気は読めないようだ。 恋人がいるのにも関わらず長電話、それに休日には恋人と過ごす事ぐらい解るだろうに誘う。 空気読めないってレベルじゃないな、自分勝手な我儘だ。 それに、ミキの優しさに漬け込む図々しさもあるな。 見た事も無いが、俺の分析した絵美ちゃんは最悪な女だ、真琴君が合わないのも解る。 ミキが来たら話しを聞いてみて、それから対処するか 話の内容次第では、ミキが絵美ちゃんを切れないなら俺がどんな手を使っても断ち切ってやる。 そんな女に、ミキが心を動かされるとは思って居ないがシツコイようなら、既に、俺達の休日に入り込んで来ているし……。 早く帰って来い、ミキ。 そんな俺の気持ちは届かず、ミキが俺の部屋に来たのは夕方近くになる事は、その時の俺は思わなかった。 その間、俺はイライラ.悶々と過ごしていくことになる事も。

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