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第297話
ミキを送って部屋に戻り、真琴君に電話しようとスマホを手に取りフイに思いついた。
「今日は日曜日か、あいつ居るな」
面倒な事になってもと思い、真琴君の携帯じゃなく、あいつの携帯に掛ける事にした。
♪♪♪♪~
「何だ?珍しいな」
「悪い。取り込み中じゃなかったか?」
「はあ?……ああ、これからだ」
フッ…くっくっくっ…
「そうか、後でゆっくりヤってくれ」
くっくっくっくっ……
「あ~、そう言えば、マコがミキと伊織と4人で旅行に行きたいって言ってたぞ」
その話か、すっかり忘れてたが、今は後回しだ。
「ミキも、そんな事言ってたが、その話は、また今度な。真琴君居るか?居るなら代わってくれ」
「マコに用って事は、ミキ絡みか?」
「まあな。喧嘩とかじゃないから安心しろ」
「そうか、なら安心だ。ちょっと、待ってろ」
マコ~っと呼ぶ声が微かに聞こえた。
「伊織からだ、ミキの事らしい」と言って、真琴君に代わった。
「成宮さん?ミキに何かあったんですか?」
「ミキ自体には、何も無いが」
俺は真琴君に3人で会って飲んだ後からの美絵ちゃんの事を話た。
平日の長電話.今日のミキから聞いた話と相談と言いながらデ-ト擬きの事。
「ふ~ん。まだ、そんな事してるんだ。大学の時と全然変わって無いね」
「それで、ミキに聞いても悪くは言わない。天真爛漫だとか人懐っこいとか、悪く言っても空気読めない位だな。それで真琴君に絵美ちゃんって、本当の所どんな子か知りたい」
「大学の時の事しか知らないけど…」
「それで良い。それと、ミキとはどうだったかも」
「絵美ちゃんは僕達が3年の時に1年で、サ-クルの飲み会の時に誰か連れて来て、その時に、たぶんミキの事を知ったんだと思います。もしかしたら、ミキは綺麗で有名だったから知ってて来たのかも知れないけど。それからミキに先輩.先輩といつの間にか?懐いて来て、ミキも懐く絵美ちゃんの事は、可愛い後輩って感じで接してました」
ほぼミキの話と合う。
「それで?」
「ただ、あの子は男絡みの噂で、女の子の評判が良く無かったから、女友達は大学には居なかったんです。小さくって人懐っこくって可愛い感じだから、男の人には人気がまあまあ有るから色んな人に誘われてデ-トしたりして、いつも見ると男の人が違ってました。彼女居ても、平気で懐いてベタベタするし、それでトラブルになっても、今回みたいに自分からは誘って無いとか、そんなつもり無いとか思わせ振りな事する癖にそういう風に言い訳するんですよ。だから、どんどん女の子に嫌われてたんです。女の子に相手にされないから、男の人を優先にすると言う悪循環ですね。でも本人は余り気にして無いって感じですね」
「ミキは、空気読めないとか言ってたが」
「空気読めないんじゃ無く自分勝手で、絵美は知らないとか言ってるけど、全部計算だと思いますよ」
「ミキにも?」
「大学の時は、ミキを見て、いつもうっとり見惚れてたし、それを可愛い後輩ってポジションで、いつも相談乗ってほしいとか言ってましたよ。この間の飲み会の時も、ミキの事うっとり見てたし」
「それで、ミキは?」
「………ミキには……当時、付き合ってる人いたから……本当に、可愛い後輩って感じで接してました。ミキも絵美ちゃんの噂は聞こえてたし実際に目で見た事もあるし。1度、絵美ちゃんから付き合ってほしいって言われた事あったけど、今回みたいに、ちゃんと付き合ってる人がいる事や可愛い後輩としか思って無いって断ってました。気不味くなるのが嫌だなって、ミキは気にしてたけど、次の日には、違う男の人と腕組んで歩いてましたからね。ミキもその方が気が楽だし絵美ちゃんも本気じゃなかったんだよって言って笑ってました。それからも、絵美ちゃんは相変わらず先輩.先輩って言って来てましたね。神経が図太いんですよね」
「そうか。それからもミキが卒業するまで、そんな感じ?」
「僕から見ると、絵美ちゃんはミキの事を隙あらばって狙ってたと思う、可愛い後輩の振りして。ミキに相手にされないから、次々と男の人変えてたんじゃ無いかな?でも、僕達が3年の後半からは、就活とかサ-クルとかで忙しくなると、段々と疎遠になったけど」
「ありがとう。なんとなく絵美ちゃんって子の事が解ったよ。ミキの優しさに漬け込んでるような気がしてたから、確かめたかった」
「絵美ちゃんって、天真爛漫の振りして図々しい所があるから、ミキの事よろしくお願いします」
「解ってる。ミキも疲れてるし、俺もミキとの時間を邪魔するようなら考えがある。任せてくれ。じゃあ、長くなった。祐一と仲良くな」
「はい。じゃあ、よろしくお願いします」
「おやすみ」
真琴君との電話を切った。
少し、真琴君が言ってた大学の時に付き合ってた人がいるって事は気になったが、俺も学生時代は本気じゃ無かったが付き合ってた奴は何人かいた。
昔の事だと思うが、チラッと頭の中で付き合って間もない時に、レストランで会った綺麗な女性が頭に過ぎった。
確か昔関係があったとは聞いていた、あの人の事か?
今更だ、もう関係無い。
俺と出会う前の事は仕方無いと、気持ちを切り替える事にした。
それより真琴君の話で、絵美ちゃんの事が解りこれからの事を考える方が大事だ。
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