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第305話

「「「女装! デ-ト」」」 またまた、声が揃う俺達3人。 沙織は、にっこり微笑み 「クリスマスの時、ヨシ君に女装して楽しかたったしマコちゃんもしてみたいなぁ~って。ヨシ君は綺麗だしマコちゃんは小さいし可愛くなるんじゃないかしら。楽しみ~」 「沙織さん、女装しなくってもデ-ト出来ますよ~」 何とか女装を回避したいミキは説得していた。 「デ-トは出来るけど、イチャイチャ出来無いじゃない?折角のトリプルデ-トなんだから、周り気にしないでイチャイチャしたくない?ヨシ君、クリスマスの時そう言ったでしょ?」 「確かに周り気にしないで……良かったです」 逆に、説得されていた。 ミキの助け船を出そうと、口を開き掛けフッと頭に過ぎった事があったから止めた。 考え様によれば、一石二鳥かもしれない。 沙織は女装してトリプルデ-ト。 俺はこのトリプルデ-トで祐一達との旅行が無くなるしミキの女装姿も見れて気にせずイチャイチャ出来る。 祐一は前に真琴君にも女装させてみたいと冗談半分だが言っていたし、たぶん見たいんだろう、あの祐一がこんな機会逃す筈が無い。 良く考えれば、俺には良い事尽くめかも知れないと、沙織の説得を止めミキの説得に乗り出した。 何とか沙織を説得しているミキに神妙な面持ちで話す 「ミキ。悪いな、こんな事になって。ミキは嫌なのは解る。俺が沙織に何でも聞くと言った俺が悪いんだ。まさか、沙織がそんな事考えてるとは知らなかったが……」 「伊織さんの所為ではありません。元々は、俺がはっきり絵美ちゃんに言わなかったのが原因なんですから」 「沙織、ミキも女装は嫌がってるし、どうにかならないか?」 たぶん、沙織は俺の意図する事が解って乗ってくる。 困った顔をわざとして話す沙織。 「ん~、困ったわ。ヨシ君とマコちゃんの女装するの楽しみにしてるし。伊織は周り気にしないでイチャイチャしたく無い?」 キタな。 やはり小さい頃からの付き合いだ、沙織も俺の意図が解ったな。 「俺は普段もミキと居られれば、それだけで良いが……。やはり、どこかに出掛けてイチャイチャは出来無いから、クリスマスの時は周りを気にせず凄く楽しかったが、ミキが嫌がる事はさせたく無い。ミキ、沙織の事は気にするな」 如何にもミキを思ってる風に話すと 「伊織さん……。俺……さっき沙織さんに、俺が出来る事はしますって言ったのに、恥ずかしいからって、すみません。沙織のお陰で、どうにかなったのに……俺が女装してトリプルデ-トする事で沙織さんが喜んでくれるなら……やります」 俺と沙織は目が合い‘ヤッタ‘とアイコンタクトをした、それを見ていた矢嶋君がやれやれと呆れていたのは、俯いて話してたミキには解らなかっただろう。 ミキの了承得ると、話しをどんどん進める沙織に圧倒される。 「それじゃ、伊織はマコちゃんとマコちゃんの彼氏を説得して連絡してね。必ずするのよ。それでOKなら、来週の日曜日に8時に私の家でお着替えよ。あ~、楽しみ~。伊織はどんな感じが良い?」 「そうだな~。ミキなら何でも合うと思うが…… 清楚なお嬢様系も良いし小悪魔系も可愛いなぁ~」 「伊織、良い趣味してる。清楚に恥ずかしがる感じも良いし小悪魔的に可愛くお願いされるのも良いわね~。どっちにしようかしら。あっ、マコちゃんは可愛い元気な女の子風が似合うわね~。あ~、妄想が膨らむ~」 「沙織さん、程々にお願いします。程々で」 程々を強調して話してみるけど……。 「解ってるわよ~。腕に縒りを掛けて頑張るからね~」って、有頂天になって全然解って無い沙織さんにがっかりして、集中攻撃を避ける為にも何とかマコを説得しようと心に決めた。 「そろそろ沙織さん、帰りましょう」 浮ついてる沙織さんに矢嶋さんが声を掛けて、やっとお開きになった。 帰り際にもう1度お礼を言って、沙織さん達と分かれ伊織さんのマンションに向かった。 伊織さんとゆっくり過ごす予定が……疲れた1日になった。

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