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第337話
「少し休め。今、スポーツドリンク持ってくる。待ってろ」
ソファにそぉっとミキを下ろしキッチンに向かう。
冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出し、その足で浴室に行き洗面台からドライヤ-を持ちミキの元に戻った
「ほら、髪乾かしてる間に飲んでおけ」
キャップを外し渡す。
余程、喉が渇いていたのかゴクゴクゴク…と半分程飲んでいた。
ゴォ-ゴォ-ゴォ-……
「大丈夫か?」
「はい。ちょっと、喉渇いてただけですから」
「そうか、気分悪かったりしたら言えよ。優しく抱いたつもりだったが……挿れた途端に我を忘れた。辛く無いか?」
俺に言われ恥ずかしくなったらしく、背後から耳の辺りが赤くなっていたのが解った。
ほんと、可愛い奴。
「……優しく抱いて貰いましたから、大丈夫です」
「乾いたぞ」
ふわふわの髪に唇を落とし、背後に陣取りミキを抱きしめた。
「お腹空いてません?」
「いや、まだ大丈夫だ。良いから少し休め」
「じゃあ、少しだけ」
俺に体を預け寛ぐ。
「あっ。そう言えば、何故?お風呂場にロ-ション有ったんですか?前は有りませんでしたよね?」
疑ってはいないようだが、一応弁明しておいた方がいいだろうな。
「浮気はして無いぞ。今までは寝室のサイドボ-ドだけに置いといたが、浴室もスル機会が多いからな。いつもボディ-ソ-プを代わりに使ってたが、やはりロ-ションの方が良いかと置いといたが、こんなに直ぐに役に立つとはな」
寝室のサイドボ-ドには、普通のロ-ションと媚薬入りロ-ションの2種類置いてあるのは秘密だ。
「浮気は疑ってませんけど……用意周到ですね」
「ここにもあるぞ。ほら」
ソファの隙間に隠して置いたロ-ションを見せて戻しておく。
「ええ~、ここにもですか?」
「ああ、寝室.ソファ.風呂場とヤル頻度が高いからな。それも全てミキを傷つけ無い為だ」
「はあ~、有難いやら有り難く無いやら複雑ですけど……そんなにロ-ション有るんですか?」
「まあな。前にネットで大量に買ったからな。それでも無くなるから、定期的にネットで買ってる。誤解するなよ?体が目的じゃないからな。俺はミキとは精神面も強く繋がっていると思ってるし、俺の癒しだ。体は愛情表現の1つだからな」
散々色んな所にロ-ション置いといて言えた台詞では無いが、誤解されたら敵わん。
「解ってますよ。体だけなら、俺なんか直ぐに飽きられてますよ」
クスクスクス……
自分を知らないって恐ろしい。
「馬鹿だな~。俺がミキの体に飽きる訳が無い。いつでもどこでもシタイ。ずっと繋がっていても良い。俺はミキの体にも内面にも虜だ」
「ふふふ……嘘でも嬉しいです。俺も伊織さんの虜です」
「ミキ」
強く背後から抱きしめた。
ロ-ションをキッチンに置いとくのは、やり過ぎかと止めたがやはり置いておこうと決めた。
それからイチャイチャし、俺の腹が鳴った所でミキが夕飯を作り始めた。
「あ~、食った.食った。やはりミキの手料理が1番旨い」
「もう、大袈裟ですよ。今日は手抜きでカレイの煮付けとサラダだけしか作りませんでした。伊織さんの作ってくれたおでんがあって助かりました」
「もう少し食べれないのか?まだ、食欲出ないか?」
おでんの大根とカレイの煮付けだけ食べたミキの体調が気になる。
「今日は、もう充分です」
「まあ、無理して食べてもだが。ま、いい。片付けは俺がやるからソファでテレビでも見てろ」
有り難い事にフライパンやボ-ル等の大きな物は片付けてあったから、俺のする事は食器洗浄機に入れるだけで楽だ。
「出来た奥さんだな」
温かいミルクとコ-ヒ-を入れ、ソファで待ってるミキの元に持っていく。
「ほい、ホットミルクだ」
両手で受け取りフ-.フ-してる姿が何とも可愛い。
「ん…美味しい~。甘~い」
「少し蜂蜜入れた。飲み易いだろ?」
「はい…どうしようハマっちゃうかも」
「いつでも作ってやる。今週は俺の部屋にずっといるんだからな」
「はい。お世話になります」
「お世話されろ。俺は病気じゃ無くってもずっと居て欲しいがな。ま、いい。明日は車出すから会社行く前に、ミキの部屋に寄るから」
「お願いします。部屋着で来ちゃったから」
「早いが明日もあるし、これ飲んだら寝るぞ。体力を少しでも回復しないとな」
「はい」
少し元気になったミキの笑い顔を見て、俺も笑みが漏れる。
今日から暫くミキを抱きしめて寝られる。
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