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第346話

フリ-マ-ケットが開催されていたイベント広場を見て回り、代々木公園を出て原宿の方まで足を伸ばし店を見て歩く。 「少し、本屋さんに寄って良いですか?」 「いいぞ」 大型書店に立ち寄る事にした。 ミキはアクセサリ-雑誌やファッション雑誌の方に行き、雑誌を手に取り見ていた。 俺は書店の中をフラフラ見て回り、好きな作家の本を手に取りパラパラとめくって見ていた。 数分後に「これだけ買ってきますね」と言い残し、2冊手に持ち会計しに行った。 その後直ぐに、女子高生の2人組が俺の背後を通り過ぎる時に内緒話をする様に小声で話始めた。 「さっき雑誌の所に居た人見た~?」 「見た.見た~。すっごく綺麗な人だったよねぇ~。芸能人かなぁ~」 「あんな顔に生まれたかった~」 「言えてる~」 会話が聞こえミキの事だと直ぐに解った。 その綺麗な人は、俺の恋人だと自慢したい位に恋人の事を褒められるのが嬉しかった。 その女子高生2人組は、会計をしてるミキには気付かずに店を出て行った。 あの女子高生もそうだが、ミキをチラチラ見てる人はたくさんいる。 芸能人かモデルかと声を掛けられずに、遠くから見てるだけだから俺は放っておいた。 これで難波でもシヨウものなら俺は黙っていないがと考えていた所に、会計をし雑誌片手にミキが戻って来た。 「お待たせしました」 「出るか?」 書店を出て通りを歩き 「夕飯食べて帰るか?」 「はい」 良さそうな所を探し歩き「ロ-ストビ-フ丼食べたい」と言うミキのリクエストに応えて、スマホで検索し1番近くの店に入って食べる事にした。 ずっと食べてみたかったと話すミキは目の前のロ-ストビ-フ丼を写メして「夢に見たロ-ストビ-フ丼!嬉しい~」「ん~、美味しい~」蕩けそうな顔で食べていた。 「何だ、そんなに食べたかったら言えば、いつでも連れて行くのに。ん、旨い」 「いつも機会があったら食べようと思ってたんですけど、1人じゃあ……。伊織さんとって思ってたけど、いつも忘れちゃって~」 「そうか、念願のロ-ストビ-フ丼だ。良く味わえ」 食事を終え代々木公園に逆戻り、車に荷物を乗せマンションに帰る事にした。 ミキの弁当も食べられたし、良い散歩日和で色々見れて楽しかった。 部屋に入り、ミキは空のタッパ-を洗い俺は風呂を沸かし暫しの休憩だ。 「お天気も良かったし、たくさん歩きましたね 「そうだな。結構人も居たが見所もあったな」 「今日はフリ-マ-ケットやってましたけど、あそこで色々イベントしてるみたいですよ。イベントしてる時はもっと凄い人みたいだから、今日は少ない方だったかも」 「そうか、ラッキーだったな。人混みは疲れる」 「そう言うと思いました」 風呂が沸いた音楽が流れた。 「風呂入って、疲れを取るか」 何も言わさず、ミキの腕を取り浴室に向かう。

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