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第349話
ゆつたりと過ごした午後に、龍臣に連絡する事にした
ソファでミキを膝枕し、頭を撫でてスマホを片手に電話を掛けた。
♪♪♪♪…♪♪♪♪…
「もしもし…」
やっと出たが、機嫌が悪いのか?
「龍臣か?俺だ、伊織」
「珍しいな。また、彼氏が具合でも悪くしたか?」
くっくっくっくっ……
嫌味か揶揄われてるのか解らんが、機嫌は悪く無かったらしい。
「あの時は、ありがとうな。先生のお陰で風邪も治ったし元気にしてる」
「ふ~ん。良かったな」
「それで時間が経ったが、ミキがお礼をしたいから食事でもって言うだが、先生の都合聞いてくれないか?ついでにお前にも会いたいらしいから、2人の都合の良い日程教えてくれ。場所はおやじの店にしようと思ってる」
「俺はついでかよ。ま、いいや。ちょっと待ってろ」
どうやら自宅にいたらしい。
「ミキ。運良く自宅に居たようだ。優希さんに聞いてるようだ」
「そうですか?早く決まりそうですね」
「もしもし?」
「あっ、悪い。で、どうだった?」
「お礼なんて良いと言ってるけどな。優希も会いたいらしい。来週の日曜でどうだ?」
「ちょっと待ってろ」
今度は俺の方が龍臣を待たせ、ミキに予定を聞く。
「ミキ、来週の日曜で良いか?」
「はい、俺は大丈夫です。日曜なら祐さんもお店休みだし、祐さんとマコも呼びませんか?マコも祐さんの高校生の時の話し聞きたいと思うから。俺からマコに言ってみます」
「そっちはミキに任せる。じゃあ、来週の日曜で話しを進めるぞ」
「はい、お願いします」
これで話が早く進むと龍臣との電話に話掛ける。
「龍臣、こっちは大丈夫だ。まだ、はっきりして無いが祐一達にも声掛けるらしい。そういう事で、じゃあ来週の日曜 6時に、おやじの店で」
「ああ、解った」
「龍臣は無理する事無ぇ~からな。忙しいんだろ?優希さんだけ来てくれれば、それでも良い」
「何だ?俺に会わせたくないのか?俺も1度会って見たかったから必ず行く。それよりさっきから、優希の事.優希さんって気持ち悪いな」
「ミキの看病来てくれた時に先生って呼んだら、もう先生じゃないから呼ぶなって言われて、優希さんと呼ぶ事になったんだ」
「そうか。確かに先生じゃないからな。慣れるまで何だかこそばゆい感じだな」
「俺もだ。もしかして祐一達も呼ぶかも知れないが、良いだろ?」
「構わない。楽しくなりそうだな」
「そうだな。じゃあ、来週の日曜な。何か変更あったら連絡くれ」
「解った」
龍臣との電話を切りスマホを置く。
「ミキ。じゃあ来週の日曜 6時に、おやじの店に決まった」
「はい。早く決まって良かったです。マコに連絡して良いですか?今日なら、祐さんも居ると思うし」
「いいぞ。俺はおやじの店に連絡しておく」
俺の膝から起き上がり真琴君に連絡するようだ、その間に俺はおやじに連絡を入れる事にした。
おやじの店は余り広くない、日にちと時間.人数を言っておいた方が、おやじも良いだろうと店に連絡すると快く受けてくれた。
事情を説明し、お礼の為の食事会でミキが金を出すと聞かないと話し、おおよその掛かる金額を聞き「おやじ、ミキには1万だけ受け取ってくれ。後の2万は俺がこっそり払う。出すって言っても受取らないからな、そういう所強情なんだよなぁ。内緒で、3万で頼むな」
ミキが真琴君と話してる間に、こっそり小さい声で話す。
「解った。そんなに掛からないかも知れんが一応飲み食いして1人-5千円って事で」
「ん、宜しく頼む」
俺がおやじとの電話を終わらせると、ミキも真琴君との電話を程なくして終わらせた。
「真琴君達はどうだった?おやじの方はOKが出たぞ。破格の1万で良いってさ」
「え~。安過ぎます。6人で1万なら1人-1500円位じゃないですか。俺は1人-3000~5000円で考えてたんですよ。それは安過ぎですから大将に俺から言います」
そうか。余り安くっても変に思うか?
「解った。おやじには2万で頼む事にしよう、それで良いな?で、真琴君達は来るんだな」
6人って言ってたから来るって事だろうな。
「はい。マコに話したら、マコも優希さんが祐さんの担任の先生って聞いて、祐さんの高校生の頃の話し聞きたいって会う気満々です。祐さんも日曜なら大丈夫って」
祐一来るって事は、自分が居ない所で何話されるか心配なんだろうな。
祐一も人の事を言えないからな。
先生に口止めか釘を刺しておこうって、俺と同じ考えなんだろうな。
アイツの場合は上手く隠すからな。
真琴君が先生に根掘り葉掘り聞いて、アイツの話題で終わってくれれば御の字だ。
「そうか。俺達3人が、それぞれ恋人同伴で会うのも何だか小っ恥ずかしい感じだな。こんな日が来るとはな不思議な感覚だ」
「そうですか?俺は凄く嬉しいです。人の絆って言うか繋がりって言うか、伊織さんの恋人じゃなきゃ会えない人達ですから。楽しくなりそうですね」
本当に俺の知り合いに会えるのが嬉しいって笑う。
そうだな、俺も祐一の恋人として真琴君と会うより、ミキの親友として会いたかったしな。
ミキの親友の真琴君に、ミキに相応しい恋人と認めて欲しかったからな。
ミキもそんな気持ちがあるのかも知れない。
「そうだな、こんな機会も早々無いかも知れないしな。おやじも嬉しそうだったし、賑やかにやるか?」
「うん。俺も楽しみです」
こうやって俺達6人が初めて会う事が決まった。
そしてこの事が切っ掛けで、沙織達も含めて長い付き合いになっていく事になった。
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