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第352話

「えっと、昨日作ってたら製作意欲でちゃって……良かったら、これ」 もう1つの袋から2つの紐皮ブレスレッドを出してきた 「俺にか?」 「はい。ブレスレッドですから会社では無理だと思いますけど、プライベートで付けてくれたら嬉しいです」 先程のブレスレッドとは、また違ったカジュアルな感じだった。 色んなカラ-の革紐を何本も纏めてボリュームを出し、中央部分に丸いガラス玉チャ-ムがポイントのブレスレッドだった。 これも色違いで、ペアになっていた。 たぶん俺には薄茶.白.濃茶.青の革紐を何重にも重ねてガラス玉のチャ-ムは青。 同じように薄茶.白.ピンク.赤、それにガラス玉は赤の方はミキのだろう。 「上手く出来てる。買って来たと言われても解らない程だ。本当に初めて作ったのか?」 「はい。前からちょっと皮製品興味あったんですけど、専用の道具が無いと難しいかなって思ってたんです。革紐なら身近な物で作れる事が解って、優希さん達にプレゼントするのに挑戦してみたんです。上手く出来なかったら止めようと思って、内緒で作ってました」 「何も内緒で作らなくっても…俺ぐらいには言ってくれても」 だから、今週のミキの様子がおかしかったのか、定時に帰っても遅かったりウキウキしたりと理由が解って納得した。 「ん、でも、作ってみるって言って出来なかったら恥ずかしいかなって。上手く出来たら1番に見て貰おうと思ってたんです」 頭をぽんぽんし 「そうか。龍臣達のも高級感あって良いし、俺達のもカジュアルな感じで良く出来てる。4つも作るの大変だっただろう?」 「ううん、全然。初めは優希さん達のだけのつもりだったんですけど、製作意欲増して自分達のも欲しくなって…凄く楽しかったですけど……お陰で今日寝坊しました。ごめんなさい」 悄(しょ)げるミキを見て慰める。 「寝坊の事は気にするな、こうやって来てくれてるしな。それに理由も解ったし。龍臣達の為にありがとうな。それに俺にもプレゼントしてくれて。これでミキとのペアは何個めだ?キ-ホルダ-.ちゃら玉.ネックレス.そしてブレスレッドと4つもある。これからどんどん増えていくのも嬉しいな」 「安い物と手作りの物だけですね」 「いや、俺にはどんな高級な物よりミキのくれた物や手作りの物が1番良い。ミキらしさが溢れてる」 「喜んでくれて嬉しいです。腕を出して下さい」 右手を出すと腕に革紐ブレスレッドを嵌めてくれた、俺もブレスレッドを取りミキの右腕に嵌め腕を並べて 「良いな。さり気なく色違いのペアなのがまた良い。ありがとう。すっげぇ~嬉しい」 「喜んでくれて嬉しいです。明日、優希さん達も喜んでくれると良いけど…でも俺の気持ちなんで」 「バカだな~。喜ぶに決まってる。これで要らないって言ったら俺が怒る。ま、それは無いな」 「明日、皆んなで会うの楽しみですね」 「6人で会うのも初めてか。俺と祐一.龍臣と会うか俺達と真琴君と祐一の4人で会うかだったからな。俺達がそれぞれ恋人を連れて会うのも何だか変な感じだ」 「俺、伊織さんが紹介しても恥ずかしくないように頑張ります」 「ミキはそのままで充分だ。俺の自慢の恋人だ。これ以上魅力的にならないで欲しいくらいだ」 「ありがとございます。お世辞でも嬉しいです」 照れて頬を染めてる姿が可愛い。 本当に俺には勿体ないくらい出来た恋人だ、自慢したいのは山々だが、他の奴には見せたくないのも本音だ俺だけのミキ。 頭をぽんぽんし 「明日は楽しもう。滅多にない機会だからな」 「はい。優希さんに伊織さんの高校生の時の話し聞くのも楽しみです」 あちゃ~、それもあったか。 明日は上手く先生に言っておくか。 「そんな大した事無いぞ。普通の高校生だ。龍臣の話しの方が面白いぞ」 「龍臣さんと優希さんの話しも聞きた~い」 女子高生か? 先生と真琴君とミキの恋話してる姿が目に浮かぶ。 「そうか.そうか。明日より今を楽しもう。俺はミキと2人っきりの方が断然楽しいし嬉しい」 「俺もです」 抱き着くミキをギュっと抱きしめ、そのままソファに押し倒す。 「良いか?」 目を見詰め話すと、何っと言わなくとも解ったようだ 頬を染め「うん」と返事をし、俺の唇にチュッとキスをくれる。 夕飯まで、まだ時間がある。 ゆっくりとミキが蕩ける位気持ち良くしてやろう。 俺から濃厚なキスを仕掛け、これからの2人の時間を楽しむ事にした。

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