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第357話

テ-ブルには、人数分のグラスと先付けと割り箸が用意されていた。 「伊織。取り敢えずビ-ルで良いか?」 「ああ、頼む」 「じゃあ、取りに来い」 「俺、行きます」 ミキが席を立ち、おやじの居るカウンターに行きビ-ル瓶を取りに行き、大皿に乗せた煮物.サラダ.唐揚げを何度か行き来し並べた。 「ヨシ君ありがとう。伊織、先にそれで飲んでくれ。また、少しずつだが出すから」 「悪いな。頼む」 グラスに注ぎ、俺が挨拶の口火を切る。 「今日は集まってくれて、ありがとう。ミキが優希さんにお礼をしたいって言うから、こう言う会を開いた改めて、優希さん、その節はありがとう、助かりました。今日はミキの奢りだから気にしないで飲んで食べてくれ。じゃあ、ミキから1言」 「今日は集まってくれて、ありがとうございます。大袈裟ですけど俺の気持ちなんで。優希さん、ありがとうございました」 「気にしなくって良かったのに。でも、成宮に頼られたのも嬉しかったし、こうやって成宮や桐生の恋人達に会えたから元担任としては、嬉しい限り」 俺と祐一は少し照れた。 「じゃあ、久し振りの再会と優希さんへのお礼を兼ねて、乾杯」 「「「「「乾杯」」」」」 皆んなビ-ルに口をつけグビグビ…飲む。 「ねぇ、成宮さん。何でミキが熱出した時に、僕を呼ばなかったの?僕、直ぐに駆けつけたのに~」 真琴君は少し拗ねた様に話す。 全く、真琴君はミキの事になると……仕方無いか?今までは1番頼られて守って来たんだからな。 「そう思ったんだけど、平日だったから真琴君も仕事あると思って。休ませるわけには行かないし」 「じゃあ、昼間に暇な俺でも良かったんじゃね~」 祐一がニタニタしながら話す。 こいつ解ってて話してんだから性格悪い。 「祐一は夕方から仕事だろ?昼は寝てんだろうが。それに昔から知ってると言っても、万が一って事があるからな」 「ヤキモチ焼きが~」 俺を揶揄う祐一に乗って龍臣も 「俺でも良かったんだぞ。俺は時間に融通が利く」 こいつも解っててニタニタ笑って話す顔が憎たらしい 「「お前が1番危ないだよ!」」 俺と祐一が声を揃えて言った。 ミキと真琴君はそれを見てクスクスクス……といつもの光景だと笑う。 そこにカウンターから、おやじが「わしでも良かったんだぞ」と声が掛かる。 「……おやじ。一応、おやじも男だ」 おやじもか?っと呆れた口振りで話すと、皆んな大受けで大笑いした。 こうやって宴会の始まりは、和やかに始まった。

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