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第363話

それから30分程でお開きとなり、一応、テ-ブルの上を片付け皿やコップをカウンターに置き、おやじに挨拶する。 「おやじ、今日はありがとうな。また今度、来るから」 「大将、凄~く美味しかったです。また、皆んなで来ます」 俺達が挨拶すると祐一達.龍臣達と順番に挨拶し、龍臣に関しては「お前は、本当になかなか来ない。今度は優希さんとまた一緒に来い」と叱られていた。 皆んなに挨拶され、おやじも嬉しそうだった。 店の外に出て 「どうする?送るか?車、来るが」 「いや、俺達はタクシーで帰るから大丈夫だ」 「俺達も伊織と一緒に乗ってくから気にするな。また、俺の店にも飲みに来いよ」 俺達が話してると近くで、ミキ達も仲良く話てた。 すっかり仲良くなったな。 「優希も楽しそうだったし、美樹君や真琴君と仲良くなれて嬉しそうだ。ありがとうな」 「また、集まろうぜ」 「そうだな。3人で飲むのも良いが、恋人連れて飲むのも楽しかったしな」 龍臣が呼んだ黒塗りの高級車が目の前に止まった。 「んじゃ、またな。おい優希、帰るぞ」 ミキ達と名残推しそうに挨拶し、龍臣と一緒に帰って行った。 俺達4人は通りまで出て、タクシーを捕まえ家路に帰る事にした。 先に降りた俺とミキは祐一達に挨拶してマンションに入った。 部屋に入ってリビングのソファーに座り、ミキも疲れたのか横に座ると、直ぐに俺の肩に頭を乗っけてきた まだ、甘えモ-ドは抜けて無いらしい。 頭をぽんぽんしてやる。 「伊織さ~ん。凄~く楽しかったですぅ」 「良かったな。俺も楽しかった。初めてだな、祐一と龍臣と俺が恋人連れて飲むのも。何だか不思議だな?ミキと真琴君が親友で、その真琴君が祐一の恋人で、龍臣の恋人が高校の時の先生なんだからな。不思議な縁だよな」 「本当だね~。優希さんって、雰囲気優しい感じなのに芯があるって言うか、やはり元先生だけあって言う事が説得力があるし、お茶目な所があって可愛い人ですよね」 「そうだな。見かけより、はっきり物事話すからな。何より、龍臣の相手してるんだから、しっかりもするさ。何たって龍臣は横暴だし強引だからな」 「龍臣さんって、一見怖そうだけど笑うと子供みたいで、印象変わりますよね~」 「そのギャップにやられるんだよ。たが、あいつは見かけ通りだからな。まさかミキ、龍臣の事気に入ったのか?」 「気に入るも何も伊織さんの友達でしょ?伊織さんの大切な人は、俺に摂っても大切な人達ですよ」 「そうか、ありがとう。俺も同じだ。ミキの大切な人は、俺にも大切な人だ」 嬉しかったのか、ふわりと笑顔になる。 「そう言えば、俺、伊織さんの事、動物で例えるとライオンだと思ってたけど、今日、龍臣さん見て、龍臣さんがライオンで伊織さんはトラ.祐さんは黒豹って話してたんですよ」 俺達がミキ達を花に例えていた時に、同じ様な事してたんだな。 「ライオンじゃなくっても良いが、何だか格下になった気分だ」 やはりトラよりライオンの方が強そうだ、百獣の王って言う位だからな。 そう思って話すと 「そうですか~。俺はトラの模様が格好良い~し、外見もトラの方が好きですよ。カッコ良さの中に、猫みたいな可愛いさもあるから」 何だか龍臣より俺がカッコいいって言われてる気がした。 本当に、ミキは俺を上機嫌にさせるのが上手い。 「ミキ、今日はこんな時間だ。泊まっていくだろう?」 「そのつもりです。だから、明日の会社の鞄とかも持って来てますよ」 「良かった~。帰るって言っても帰すつもりは更々ないが。……ミキ、1回だけ……ダメか?」 明日も仕事だし、今日はもう遅い時間だ。 今日、祐一達と語った事で、どうしてもミキが欲しかった。 「……俺も伊織さんが欲しいから」 許可を貰って嬉しくなりミキを抱きしめた。 「ここでか?それとも風呂場?」 「ん~、もう遅いからお風呂で……お願いします」 まだまだこれからが、俺達の時間だ。

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