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第365話

GW前に、新色籠バックのアメリカ出荷.国内向けの商品の受け渡しと忙しい日々を送っていた。 「じゃあ、宜しく頼む」 アメリカ支社との連絡が済み、これで一応GW前の出荷は完了した。 国内の方にも、工場から直に出荷先に納品されるように事を運びリストを嶋田課長に渡した。 国内の方でも売れると見込んで活気づいていた。 「嶋田課長、出荷先リストです。間違えが無いか確認お願いします」 出荷先リストを黙って確認し 「間違えは無いようだ。済まないね、今回は何から何までお願いして。お陰で、得意先の根回しや宣伝に力を入れられた」 「いいえ.いいえ。お互い様ですから、それにこちらも利益がありましたから」 「本当に、成宮課長は商売上手だ、いや交渉上手か?」 「それ程でもありませんよ。工場の方には、国内の在庫も生産もお願いしましたから。では」 「ありがとう。工場長にも私からお礼がてら電話を入れる。今後の事も話して置かないと」 「お願いします。では、失礼します」 これで国内の方の面倒事は、一応終わった。 後は、嶋田課長が工場長の長話に付き合わされる事になるが……くっくっくっくっ… さてと、課に戻り仕事するかっ。 風呂も入りパソコンの画面を見ていると電話が鳴った ♪♪♪♪~♪♪♪♪~ 「もしもし、どうした?今日は沙織達と飯だったんじゃないか?」 「はい。今、大将の所です」 「そうか。で、どうした?」 「その……沙織さん達が、GWにBQ(バ-べキュ-]しようって」 「はあ?何で、沙織達としなきゃ何ねぇ~んだ?断れ.断れ」 俺の断れの声を聞いた沙織が電話に代わった。 「いいじゃないの、1日位。皆んなでワイワイとBQしましょうよ」 「だ.か.ら。何で、お前達としなきゃ何ねぇ~んだよ。俺はミキと2人で過ごしたいんだっつ-の」 「いつでも2人で過ごせるでしょ?今回は、私達と伊織達.マコちゃん達.優希さん達の4組でBQするから、決定だから」 勝手に言いたい事言ってミキに代わった。 「すみません。富士急の話しで盛り上がって、じゃあ今度は、優希さん達とも一緒に、どこか行こうって話で……流れでBQって事に…」 話の途中でまた誰かに電話を取られたらしい。 「もしもし成宮?解るか?」 俺の事を成宮と呼び捨てにする身近な人物は、今の所1人しか心当たりが無い。 「はい、解りますよ。先生いや優希さんでしょ?一緒だったんですか?良く龍臣が許しましたね」 「一緒ですよ~。龍は、美樹君と一緒なら飲みに行っても許してくれる~。本当~、美樹君は可愛いね~」 大分、飲んでるようだな。 「ミキが可愛いのは、俺が一番良く知ってますから」 「はい.はい。でね、BQの件凄~く楽しみにしてるんだから、断るのは無しね。もし断ったら…」 最後の方は声を潜めて話すのに、嫌な予感がする。 「もし断ったら…何ですか?」 「断ったら、高校の時のあんな事やこんな事、美樹君に話しちゃおうかな~」 脅迫か脅しか?ともかくマズイと焦り 「解りました、行きます。その代わり、今後はそう言う脅しは止めて下さいね。それが条件です」 今後も脅されたら堪らないと条件付きにした。 「解った.解った。楽しみだなぁ~BQ。じゃあ、美樹君に代わるな」 「もしもし大丈夫ですか?伊織さんは行きたくないんじゃ無いですか?」 脅されたとも言えず 「いや、行きたくない訳じゃ無いが…ミキと2人で過ごしたかっただけだが…1日位、皆んなでワイワイ過ごすのも良いかと思い直した」 「本当ですか~。また皆んなで楽しく過ごすのも嬉しいです。ありがとうございます」 「帰りは?」 「優希さんのお迎えの車で、マコと一緒に送って貰いますから」 「そうか。程々にな」 「はい。じゃあ、おやすみなさい」 「ん、おやすみ」 電話を切り、おやすみって言う事は、今日はもうLINEも電話も無いって事か。 少し寂しく感じたが、ミキがおやじの店で楽しく過ごしてると思い邪魔はするのは、気が引けた。 それにしても龍臣達にお礼と言って会って以来、優希さんとすっかり仲良くなったな。 LINE交換もして、たまに遣り取りしてるのは知ってたが、今日、沙織にも紹介したいと言って集まったらしいが、沙織とも意気投合したようだな。 2人でミキの可愛さを話してる内に意気投合したのが目に見えてる。 沙織と優希さんが手を組まれたら、太刀打ち出来ない 困ったもんだ。 本当に人の目を惹きつけ、ミキを知っていく内にどんどん引き込まれ虜にされる。 ミキの周りに人が集まってくるのも仕方ないが、俺だけのミキでいて欲しいとも思うのは、俺の勝手な想いだ。 カレンダーを見て、今年のGWの日にちを見て 「飛び休で中2日は仕事か。前半はゆっくり過ごして沙織達のBQにも付き合うか、後半は近場に2人だけで1泊位、出掛けるとするか」 そうと決まれば書斎に行きパソコンを立ち上げ、どこに旅行行くか良い所を検索する事にした。

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