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第370話
遊具の下の道を辿り、どうしても通れない所は遊具を使い登ったり降りたりして来た道を戻っていた。
「俺達、早いペ-スでゴ-ルしたんだな」
「お前の所為だろうが」
呑気に話す龍臣に悪態をついて、そろそろ誰かに会ってもいい頃だと思っていた。
暫くすると真琴君と祐一の姿を発見した。
下の道から声を掛ける。
「お~い、祐一。ミキ達は?」
「おう。俺達が先に来たからな、知らねぇ~。後ろにいるんじゃねぇ?」
「そうか。解った」
「なあ、ゴ-ルまで後どのくらいある?」
「もう少しだ。そうだなぁ、後1/3って所か」
「ふ~ん、マコもう少しだ。頑張れ」
「うん。あっ、成宮さんって今からミキの所に行くんですか?」
「ああ」
「そうですか。ミキにも‘頑張れ’って。ミキの事宜しくお願いしますね」
自分の事より、ミキの心配をする真琴君。
「おい、マコ。人の心配より自分の事心配しろっ。ほら、後ろ見て話すな、ちゃんと前見ろって、危ないから」
「は~い、じゃあ、成宮さん龍臣さん、行きますね」
祐一に注意されても嬉しそうだ。
「真琴君も気を付けてな」
「気を付けろよ」
「はい」
「じゃあな。後でな」
歩き出した真琴君の後を着いて行く祐一。
「「おう」」
俺達もミキ達を探しに歩き出した。
祐一達から離れて少し経つと、沙織達の姿を見つけた
「お~い、沙織。ミキ達は?」
俺達に近づくと嫌味を言われた。
「あら、大切な彼氏を置き去りにして行った伊織と龍臣さんじゃないの?」
「沙織さん!」
矢島君が沙織を窘めるが、どこ吹く風とばかりに素知らぬ顔で話す。
「良いのよ、大ちゃん。全くガキなんだから。ヨシ君達より先に出発したから、後ろにいると思うわ。今頃置き去りにされた2人で慰め合って、手に手を取ってアスレチックしてるんじゃないの?」
「沙織さん!」
「や、良いんだ。今、俺と龍臣は反省してる所だ」
龍臣にもはっきり嫌味を言う沙織に面食らった顔をして龍臣は何も言えず、うん.うんとうなづいてた。
「じゃあ、早く行きなさいよ」
そんな嫌味を言う割には、ミキ達の事が心配なんだろう、早く行けと急かす。
「解った、じゃあな。気を付けろよ。沙織も若く無いんだからな」
俺も最後に嫌味を返す。
「何ですってぇ~。ガキの伊織に言われたく無いわ」
「ほら、沙織さん。先に行って下さい」
「だってぇ~、伊織のバカが~」
「成宮さんも冗談で言ったんです。沙織さんはいつまでも若く綺麗ですよ」
「んもう、大ちゃんったら」
矢島君の言葉に嬉しそうに歩き出した。
「じゃあ、行きます。後で」
矢島君が挨拶し、沙織の後を着いて行く。
年上の沙織を煽てて上手く操ってる矢島くんは、なかなかやると思った。
「へえ~、あの坊主、結構やり手だな」
龍臣もそう思ったらしい。
「若いがしっかりしてる。あの沙織と付き合う位だからな。根性も座ってる」
「だな」
はははは……歩きながら話す。
半分近く戻ると、やっと愛しい相手の姿を発見した。
思わず道を駆け出した。
「ミキ!」
俺の姿を見て、手を振って蔓延の笑顔を見せる。
「あっ、伊織さ~ん」
「手を離すな! 危ないから」
不安定な縄編み(ネット)に、中腰の姿勢で手を振っているミキにハラハラする。
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