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第375話
「ん、んん」
目が覚め右腕の重みで、ミキが居るのが解った。
あ~、そうか。
龍臣の車で送って貰って、部屋に着いてそのまま2人共バタンキュ-でベットに横になったんだ、あのまま寝たんだな。
見れば服も、そのまま着たままだった。
「部屋に着いて、一気に疲れが出たんだった」
少し酔いもあったしな。
隣のミキはまだスヤスヤと、腕枕で寝ている。
明日と明後日は、仕事か~。
今日はゆっくり過ごす予定だし、もう少し寝るか?と目を閉じた。
「さん…伊織さん」
肩を揺り動かされ目が覚めた。
「ふぁ~、おはよ。ミキ」
「おはようございます。もう、起きませんか?昨日、帰ってあのまま寝ちゃったから、シャワーも浴びたいし。もう、お昼近くになりますよ。お腹空きません?」
「ん、そうだな。シャワー浴びて飯にするか?」
「じゃあ、伊織さんが浴びてる間に、昼食の用意しておきますね」
「頼む」
体を起こすと、あったこっち悲鳴をあげていた。
「いたっ、痛たた」
「伊織さん?大丈夫?筋肉痛?」
「かもな」
「幾らトレ-ニングしてるからって、張り切り過ぎですよぉ。普段とは違う筋肉使ったんですね。後で、マッサ-ジしますから。シャワーじゃなく、ゆっくりお風呂入って下さい。先に、ご飯にしましょう。その間に、お風呂沸かして置きます。ご飯用意出来たら呼びますよ」
ミキはスタスタと歩いて寝室を出て行った。
俺はまたベットに逆戻りだ。
何で、ミキは平気なんだ?若いからか?龍臣も今頃悲鳴あげてるだろうな。
ざま-みろだ。
くっくっくっくっ……
暫くすると
「出来ましたよ。起きれます?」
「ん、大丈夫だ。今、行く」
ダイニングテーブルには、野菜たっぷりラ-麺が湯気を立てていた。
「おっ、旨そう」
「ごめんなさい。昨日、寝ちゃったから、ご飯炊くの忘れちゃって。BBQで食べ過ぎたから、お昼は軽くラ-麺で良いですか?」
「上出来だ。俺も食べ過ぎたし」
ラ-麺と恐縮してるミキだが、野菜がたっぷり乗せてある所がミキらしい。
食べ始めると野菜の甘みが出て旨かった。
「旨い.旨い。また、作ってくれ」
「良かったぁ~。これなら、いつでも言ってくれれば直ぐに作れますよ」
ミキも食べ始め、俺も箸を進めながらミキに聞いた。
「ミキは、筋肉痛大丈夫なのか?」
「ん~、少し痛いかも?でも、殆ど気にならない程度です」
「はあ~、俺も歳かな?ミキと同じくアスレチックしてるのに筋肉痛なんて」
クスクスクス……
「伊織さん、だってスピードが全然違うし、俺と優希さんは結構ゆっくり行きました。それに伊織さん達、俺達の1.5倍いや2倍近くアスレチックしてるんですよ。そりゃ筋肉痛にもなりますよ」
「?」
俺が何で2倍?と不思議に思ってるのが、顔に出てたらしい。
クスクスクス……
「気が付いて無いんですか?一旦ゴ-ルして俺達の所に戻って来て、また一緒に行ったでしょ?」
「あ~、そう言う事か~。忘れてた」
この筋肉痛の原因に納得し、老いじゃない事にホッとした。
「そうか、筋肉痛が出るって事は、俺もまだまだ若いな」
「伊織さんは若いですよ。スタミナは人一倍ありますから」
ミキの何気ない一言にニヤニヤし
「俺のスタミナは、夜に限定されてるがな。まあ、1番知ってるミキが言うなら、俺のスタミナは無限だな」
くっくっくっ……
「伊織さんのエッチ!」
思い当たる節があり、頬を染めラ-麺を頬張る。
全く、いつまでも初々しく可愛い奴だ。
そんな中、お風呂が沸いた合図が聞こえた。
「よし、食べたし風呂に入るかな」
「ゆっくり入って来て下さい。俺、ここ片付けて置きます」
何だ、一緒に入らないのか?とがっかりしたが、ミキが俺にゆっくり風呂に浸からせる為の配慮だと解っていた。
「んじゃあ、頼む」
俺は残念に思いながらも、ミキの気遣いを感じ、寝室から部屋着と下着を持って浴室に向かった。
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