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第382話

俺のマンションを出てファミレスで夕飯を食べ、ミキの部屋行く前に近くのス-パ-で’朝食用のパンを買いたい’と言うので寄って行く事にした。 「直ぐに戻って来ますから、待ってて下さい」 一緒に行こうとしたが駐車場で待てと言われ、朝食用の買物だけだしと考え、時間も掛ら無いだろうと車の中で待つ事にした。 直ぐに戻るかと思ったが、20分程で荷物をぶら下げ車に向かってくる姿が見えた。 「お待たせしました」 「レジ混んでたのか?」 7時過ぎだレジが混んでてもおかしくない時間帯だ。 「ん、まあまあ混んでたかな?」 「ふ~ん。ま、車走らせるぞ」 「は~い」 ミキの部屋に向かう。 近くのコインパーキングに車を置き、荷物と買物袋を手に持ちミキの部屋に入る。 「お疲れ様です。どうぞ」 「お邪魔します」 「やだなぁ~。他人行儀で。リラックスして下さいね」 「ああ」 リビングのソファで寛ぐ。 「伊織さんの荷物貸して下さい。ス-ツは掛けて置きますね。後の荷物は、俺のクロ-ゼットの衣装ケースを1個空けて入れて置きます」 「悪いな」 俺の荷物を持ち寝室のクロ-ゼットに仕舞いに行った、暫くすると戻って来て今度はキッチンに行きゴソゴソし始めた ちょこまか.ちょこまかと良く動くなぁ~、早く側に来てくれねぇ~かなぁ~。 「伊織さん、少し飲みませんか?」 「酒なんてあるのか?」 「俺用に何本か缶酎ハイはあるんですけど…。さっきス-パ-でワインとおつまみ買ってきました。伊織さんの所で寝過ぎて……。お風呂も入って来たし、何にもする事無いから、後は寝るだけでしょ?少しだけ」 「そうだな。少し飲むと寝れるだろうからな」 「飲もう.飲もう。今、持って行きますね」 ワイングラスとワイン、チ-ズ.サラミ.チョコをソファの前のテ-ブルに乗せた。 「安いワインですけど」 トクトクトク…… グラスに注ぎ手に取り「「乾杯」」カチンッとグラスを合わせた。 ゴクッゴク。 「口当たりが良いな」 「白だから?」 「甘くって軽い感じだな。ミキ好みか?」 「そうかも」 そんなたわいも無い話しからBBQでの話しをしながら飲み進んだ。 ワインも殆ど無くなり少し飲み過ぎたか?とほろ酔い加減になってると、俺の肩にコテっと頭を乗せ甘えモ-ドのミキに顔がだらし無くなるのと同時に‘ヤバイな’と頭の片隅で警報がなる。 酔うと甘えモ-ドになり、強烈に可愛くなるミキに理性が保つか心配だ。 ミキの部屋では、シナイと俺は自分でル-ルを作っているからだ。 「ん、どうした?少し酔ったか?」 「ん~、伊織さんと居る時は、酔っても大丈夫でしょ?」 肩から顔を上げ甘えた潤んだ目で俺を見上げる。 ヤバイ、その目は……ヤバイッ。 「まあな。酔うのは俺の前だけにしろよ」 他の奴らには、この可愛い~ミキの姿を見せたく無い。 「は~い。伊織さん、だぁ~い好き♪」 やはり酔ってる、可愛過ぎだ~。 「酔ってるな。もう寝るか?」 時計を見ると10時近かった。 「ん~、これだけ飲んだら~」 「解った.解った。それ飲んだら寝ような。後、少し食べろ。ほら」 サラミを手に取りミキの口元に持っていくとパクッと口にし、ワインを一口飲む。 「美味しい~♪」 次にチ-ズを手に取り、またも口元に持っていくとパクッと口にし、また一口ワインを飲む。 「ん~♪♪」 俺もチ-ズを食べ、ワインをグビッと口にした。 餌付けしてる様で面白いなぁ~、まるで人懐っこい子猫に餌付けしてるみたいだ。 次はチョコか? 「ほら、ワインも残り少ないぞ。最後にチョコ食べるか?」 チョコを手に取り口元に持っていくとやはパクッと口にし、残り少ないワインを飲み干した。 「ん~、甘くって美味しい~♪♪ワインも無くなっちゃった~。伊織さん、さっきからチ-ズとサラミしか食べて無いけど?」 「いや、俺は甘いのは……」 「ワインと合うから…食べてみて」 今度はミキがチョコを手に取り、てっきり俺の口元に持ってくるのか?と思って身構えてると、自分の口に放り込んだ。 何だ~、食べたかったのかぁ~と考えると、俺の頬に手を当てミキの方に向けさせ唇を合わせ、俺の咥内に溶けたチョコを放り込む。 甘い…。 チョコも甘いがこの雰囲気が甘い……。 「ね?美味しいでしょ?」 「……良く解んねぇ~な。もう一度」 ミキの後頭部に手を当て唇を合わせ咥内に舌を入れ、甘いミキの舌を絡めて甘い唾液を啜る。 クチュクチュ…ジュルジュル… 一通り堪能し唇を離す。 「やはり甘いな」 俺の胸に顔を埋め 「……伊織さんの…鼓動が聞こえ…る」 そりゃそうだろう、この雰囲気だ。 鼓動も早くなる筈だ。 どうする?スルか?いやミキの部屋だ…どうする?葛藤する心。 そんな俺の事などお構い無しに、ス-ス-…寝息が聞こえた。 お~い、寝てんのかよぉ~。 顔を覗き込むと幸せそうな顔で寝てた。 「………生殺し。この天然小悪魔が」 可愛い寝顔に悪態をつきつつ笑みになる。 「このままだと……ベットに連れて行くか」 ミキをお姫様抱きで寝室に運び、そのまま狭いベットで胸に抱いて眠ろうとした。 「……寝れねぇ。…あの甘い雰囲気で寝るか?普通。……ミキだしな、天然だし、小悪魔だし……」 少し恨み節を言い、それでも愛しいミキの頭のてっぺんに唇を落とし「おやすみ…小悪魔ちゃん」今度こそ、ミキの寝息を子守唄に目を閉じた。

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