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第383話
ピピピ……ピピ…
「ん…」
携帯のアラームで目が覚めた。
「おはようございます。起きました?」
寝室のドアから顔だけ出して話す。
「ん…おはよ。ミキ、起きてたのか?」
「はい。20分位前に、伊織さんも起きて下さい。朝食出来てますから」
「ああ…解った。今、行く」
ベットから出で良い匂いのするテ-ブルに座り、軽めの朝食を2人で食べた。
「今日、仕事か~。休みの後は、怠いな」
「そう言いながら、仕事はバリバリするんですから~。仕事の時の伊織さん、カッコいいです」
「ミキに言われたら、頑張るふしか無いな」
クスクス……
「俺に言われなくっても、頑張る癖に~」
「ま、仕事だからな」
如何にも平然と話すが内心では、旨い朝食と煽てられて朝から良い気分だ、これだけで今日の仕事も頑張れる。
「そろそろ支度して、行きましょう」
「ん、そうだな」
洗面台には俺とミキの歯ブラシが2本カップにあり、俺が泊まりに来ない時も置いてある事に喜びで笑みが自然と出た。
朝から幸せな気分でミキと2人部屋を出て、車を停めてるパーキングまで歩いた。
「おはよう」
「「「おはようございます」」」
「上野さん、おはよございます。今年は飛び石連休で何だか休んだ気がしませんね」
「おはようございます。そうですね。でも、子供も部活とか友達と遊びに行ったりで、家族旅行何て出来ませんよ。まあ、ゆっくり家でゴロゴロします」
「たまには、ゆっくりして過ごすのも必要ですからね」
上野さんに声を掛け自席に着いた。
さて、仕事モ-ドに切り替えるか。
ミキがカッコいいと言った、仕事モ-ドに。
「朝礼するぞ」
「「「はい」」」
「今日、外出する者は?」
「内勤します」
「私もです」
「私も内勤します」
「全員、内勤か。GWで休みの業者もあるだろうが、この3日間のフォローと明後日からの3日間のフォローをしておく様に。何も無ければ、以上だ」
「「「はい」」」
皆んなの返事を確認して自席に戻り、俺もアメリカ支社へのフォローと京都工場に連絡を入れる為に受話器を持った。
皆んなそれぞれ受話器を片手にメモを取っていたり、パソコンを見ながらも応対している部下を見て頼もしいと感じた。
もう、赴任して来て1年か。
赴任当初より、皆んな仕事に対する意欲が出てきた。
当初は自分の仕事をこなす事に精一杯という感じだったが、籠バッグのプロジェクトが大きな自信になったようだ。
特に、佐藤が今回のプロジェクトでは大いに成長した
ミキは元々のセンスも有り素直な性格で何でも吸収していく黙ってても成長していくだろうが、もっと高みを目指し成長させてやりたい。
田口も課のリ-ダ-として後輩の指導.自分の意見をはっきり言い、ある程度任せられる俺の右腕になりつつある。
そんな部下達を見ていて、大事に育てていこうと様々思った。
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