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第385話
「あ~、いい風呂だった」
風呂から上がりリビングに行くと、ソファでミキは雑誌を読んで待っていた。
「冷たいお茶用意しておきました」
「ありがとう、流石ミキだな」
ゴクッゴクッ……
温まった体に程よいお茶が喉を潤す、ミキの隣に座り
「さっき話そうと思った事なんだが、勝手に決めて悪いが、明日1泊で鬼怒川に旅行するからな」
「えっ⁉︎」
「本来ならもっと遠くで長い日程で旅行したかったがそれこそ海外でも良かったんだが、今年はあいにくの飛び石休みだ、近場で悪いな」
ううん.ううんと顔を横に振り、俺に勢いよく抱き着くミキを受け止めた。
「伊織さん! 凄~く嬉しい♪ 旅行なんて無理だと思ってたから。2人でゆっくりしてても良いと思ってたけど……。やっぱり伊織さんと旅行に行けるの嬉しい♪」
1泊の旅行でこんなに喜んでくれる、やはり計画して良かった、嬉しそうな笑顔を見れるだけでこっちまで嬉しくなる。
「そんなに喜んでくれると、内緒で計画した甲斐がある」
「え~、いつから計画したんですか?全然そんな素振り見せないから解らなかった~」
「ん、今年はGWどこかに行こうか考えて、カレンダー見たら飛び石なのに気が付いてな。1ヶ月前にフッと思い経って、もう無理かと思ったがパソコンで色々検索したら良さそうな所が、丁度空きが1室だけあったから直ぐに予約した」
「うわぁ~、そんな前から。俺なんて皆んなとBBQだけで頭いっぱいだったのに~。ありがとう、伊織さん。本当に嬉しい♪」
また、ギュッギュッと抱き着いてくるのが可愛い~。
「ちょっとしたサプライズだったが、予想以上に喜んでくれて俺も嬉しい。1泊だが楽しもうな」
また、頭をポンポンしてやる。
「はい♪」
それから2人でスマホを使って、鬼怒川の周辺を検索してあ~でも無いこう~でも無いと、小さな機械を覗見込み1泊旅行に花を咲かせた。
「どうして、鬼怒川なんですか?」
行成り開かれたが、別に意味など無かったから答えようが無かった。
「いや、鬼怒川に決めてた訳じゃ無いが、何となく近場の温泉地でゆっくりと思って、他も検索してたまたま1室空いてたのが鬼怒川だっただけだ。どこか行きたい所あったか?」
「特には…伊織さんと一緒ならどこでも」
「そうか。いや、熱海や箱根も検索したがダメだった今度、そっち方面に行こうな。草津も良いなぁ~」
「はい。伊織さんと一緒に旅行に行けるならどこでも……。嬉しいから」
照れて話すミキが本当に可愛い。
「ん、約束な」
顎を持ち軽く唇を合わせるだけのキスをした。
チュッ。
頬を染め照れてる。
厭らしい濃厚なキスよりこっちの方が恥ずかしいらしい、可愛い奴だ。
「よし、明日に備えて寝るか?」
「あ、はい」
2人で手を繋ぎ寝室に向かった。
ベットでミキの背中から包み込むように抱きしめ「おやすみ」後頭部にキスをした。
「あ、はい。おやすみなさい」
おやすみの挨拶を聞いて寝ようと思うとミキがゴソゴソする。
「ん、寝れ無いのか?」
「えっと……シナイの?」
あ~あ、いつも2人で寝ると必ずと言って良い位には、セックスをしてるからな。
「ミキがシタイなら、俺は大歓迎だが。明日の為に今日は鋭気を養おうかと思ってな。大人しく明日の為に寝るつもりだったが」
「別に俺は……今日は、おやすみなさい」
くっくっくっ……
「今日は…ね?解った。明日は今日の分頑張るから、体力温存しておけよ。おやすみ」
くっくっくっくっ……
「……程々で」
「ミキ次第だな」
「……本当に寝ます。おやすみなさい」
「おやすみ」
ミキのふわふわの髪に顔を近づけ抱きしめ、こうして明日の為に清い一夜を過ごした。
あ~、旅行が楽しみだ~。
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