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第395話
俺の頭を抱えて荒い息遣いの中「も…だめ」弱音を吐かれた。
「疲れたか?立て続けにシタからな。俺も少し休憩だ」
「………休憩?」
ミキの心臓の音が疲れた体に心地良く聞こえる。
「ああ、少し休んだら露天風呂行こう」
「あっ…露天風呂…ね」
「何だと思った?」
珍しく俺が見上げる体勢でニヤニヤと笑いながら聞くと、バツが悪そうに目を合わせない。
「……何でも…無い」
俺の頭を撫で「撫で.撫で♪可愛い~♪」話を晒すが、撫でられる気持ち良さにそのままにしておいた。
「伊織さん、いつまでもこうして居たい。ずっと…側に居て」
急にどうした?不安そうな声で話すミキに不思議に思った。
これまでも「離さない。ずっと側に居る」と口癖の様に話していた、今更どうした?
「当たり前だ。ずっと俺は言ってきた。‘もう離さない’と…どうした?信じられないのか?」
ううんと頭を横に振り
「信じられないとかそうじゃ無くって…すっごく幸せで…ちょっと怖くなった…」
「怖がる事なんて何も無い。ミキは黙って俺に愛されてろ。それが俺の幸せだ」
ギュッと頭を抱え
「はい。俺も愛してます」
俺の言葉に安心したのかギュッ.ギュッと離さないと抱きしめられる。
あ~、幸せだと思うと同時に、ミキが不安にならない様にする為にどうすれば良いか考えていた。
心の底では不安を解消する術は解っていたが……俺の我儘も含まれ、まだ時期早々と言い出せない。
もう少し先の事だな。
今はしっかり言葉と態度でミキの不安を解消してやる事しか出来ない、その為の努力は惜しまないと決意を固めた。
「ん…眠くなった?」
俺が思いに耽って静かになったのを勘違いしている。
「いや、露天風呂に入りに行くか?」
「はい」
起き上がり「ほら、連れてってやるから首に掴まれ」
「1人で歩いて行けますよぉ」
「いや、疲れさせた俺の責任だ。ほら早く」
「じゃあ」
腕を首に回しギュッとしがみ付き横抱きで露天風呂に向かった。
露天風呂に浸かりながら真夜中の空に光る星を眺めていた。
あんな話しをした後で片時も離したく無かった俺は広い露天風呂の中で、ミキの背後から抱きしめて空を見上げていた。
「綺麗ですね?」
「そうだな。だが俺がこの世で1番綺麗だと思ったのはミキだ。1番始めに会った時の衝撃は、一生忘れられない。本当に人間なのか?人形かと思う程美しかった」
「やだなぁ~。大袈裟~です」
「いや、大袈裟じゃ無い。一目見た時に恋に落ちた。初めてだった。アメリカに帰国しなきゃ行けなかったから、日本に戻るまで祐一に見張らせ逐一報告させてた」
「初めて聞きました。祐さんとそんな事してたなんて」
「祐一も俺が恋をするなんて信じられなかったんだと思う。実際、自分でも信じられなかったが、どうしても何が何でもミキを手に入れたかった。祐一もアメリカに帰ったら忘れるだろうと考えてたかも知らんが、離れてれば離れた分忘れられなくなった。尚更、欲しいと強く思う様になっていった」
今まで話した事が無かった当時の祐一との経緯や想いを口にし、少しスト-カ-気味か?とミキが引くかとドキドキした。
腰に回した俺の腕に手を重ね優しく摩り
「嬉しいです。伊織さんがそこまで俺の事想ってくれたなんて。伊織さんの努力がなきゃ、今こうして居なかったかも…俺は諦めるタイプなんで…」
手を強く握り
「言ったろ?俺は強運の持ち主なんだって。それに運は、必ず自分で引き寄せる」
クスクスクス……
「自信家?」
可愛い笑い声と白い頸.細い肩。
耳元で囁く「まぁな。あっちも自信がある。ミキが大きい.大きいって連呼してくれるからな」
「や、耳元で変な事言わないでぇ~……確かに大きいです」
「ふうん。認めるんだ。デカくなってからだけじゃ無いぞ。平常時もデカイ。ほら」
ミキの手を俺の平常時のだら~とぶら下がったモノに触らせる。
「解りました、解りました。もう、良いでしょう?」
手を離そうとする手を上から押さえ、ミキの手を重ね一緒に軽く扱く。
「何が解ったんだ?平常時もデカイって事か?言葉にしてくれないとな」
「や…耳元で話さないでって。そうです、平常時も大きいです。これで良いですか?」
卑猥な言葉を言わせ様とする俺に呆れて仕方無く話す
もっと卑猥な事を言わせたくなった。
そう思うと軽くミキの手を重ね扱いていた俺のモノが少しずつ変化し始めた。
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