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第417話
待ち合わせの時間より少し早く着いた。
周りをキョロキョロ見てると「美樹さん!」と、手を振ってる拓海君を見つけ小走りに駆け寄った。
「ごめん。待たせた?」
「いや、俺も5分位前に来た所だし、大体まだ約束の時間前だから、謝らない!」
何だかお兄さんみたいに言われ、照れてしまう。
「昼飯、食べた?」
直ぐにご飯の事を聞かれ、よっぽど俺が食べて無い印象なんだなぁ~と反省するけど……心配してくれる拓海君にどう言おうか困ってると。
「食べて無いんだ。因みに朝は?」
「……プリン……食べた」
「それ、食べて無いのと一緒! やっぱり昼前に待ち合わせすれば良かったかな?ま、良いや。軽い物なら食べられる?」
昨日見た事と伊織さんから連絡無い事で、また食欲が失せていたけど……拓海君の心配顔を見て断れ無くなった。
「うん。少しなら」
「じゃあ、サンドウィッチかパンケ-キならどっち?」
「パンケ-キ♪」
パンケ-キと言われ即答した。
「はははは……女子みたい」
「男でも好きな物は、好きなの!」
「じゃあ、パンケ-キ食べに行こう」
「うん♪」
爽やかで明るい拓海君に心も軽くなっていく。
ちょっと強引で、でも相手の子を想いやる気持ちもあるし良く気が付いてマメで、顔も爽やかなイケメンなら本当に女の子にモテるんだろうなと思った。
待ち合わせに早く着いて待っていた俺は、直ぐに美樹さんを見つけた。
やはりどこに居ても、一際綺麗で目立つ。
俺が手を振ってここに居ると意思表示すると、小走りで来る姿も愛らしい。
「ごめん、待たせた?」なんて言って、まるでデ-トみたいだと思った。
今日の出で立ちは、仕事帰りとは全然違うプライベート用なのか?良く似合ってる。
薄いピンクのシャツに白の長Tと黒のスキニ-パンツを合わせてる。
華やかな顔にピンクのシャツが良く似合って可愛い。
どこにでもある様な格好だが、この人が着ると華やかになりモデルさんみたいだ。
そんな事を思っていた。
出会いが出会いだけに気になり、昼飯を食べたか聞いたら返事は無かったが、案の定食べて無い様だ。
そんなんだから放っとけ無いんだよなぁ。
軽いものと考え、サンドウィッチとパンケ-キしか頭に浮かばず聞いてみると即答で「パンケ-キ♪」と嬉しそうに笑う顔にドキッとした。
黙ってると綺麗だが、笑うと途端に可愛い~。
余りに可愛い過ぎて笑いが漏れた。
本当に男にしておくのが勿体無い。
……でも、男でも……何だか気になるんだよなぁ。
店の中は女の子ばっかりのパンケ-キ屋に向かう事になった。
店に入ると、甘い匂いと女の子ばっかりで男2人だと妙に居た堪れないが、美樹さんは平気みたいだ。
メニューを見て散々迷った挙句、結局、店推しのパンケーキとコ-ヒ-を頼んで、俺はコ-ヒ-だけにした。
店員に運ばれて来たパンケ-キは、苺がふんだに使いこれでもかって位乗ってる生クリームのパンケーキを目の前に、目がキラキラと輝いて見てるのが女子っぽい
苺をフォークで刺し口に運び「うわぁ~、甘酸っぱくて美味しい~」と笑みを漏らす。
可愛いなぁ~と思って見ていたが、周りから見たら男同士で…と思われるかと思って店内を見ると、チラホラとカップルで来ている。
この人の今日の格好と仕草で、貧乳の女の子と思われるかも知れないな、顔も綺麗で中性的なんだよなぁ、知らない人が見たら男か女か解らないだろう。
周りでは、カップルと思われて居ると確信を持つと、何だか気が楽になって女子ばっかの店も気にならなくなった。
「このパンケーキね。スフレになってるから、すっごくフワフワで美味しい~」
パンケーキを一口食べ、頬に手を当て美味しさをアピールする。
どう見ても女の子の仕草じゃねぇ~か。
そこら辺の女の子より、めちゃくちゃ可愛い~。
それに美味そうに食べるなぁ~と、ジッと食べる姿を見てると何を誤解したのか?
「食べる?」
フォークで苺とスフレパンケーキを一口大に切り乗せ俺の口元に差し出された。
思わずパクッと口に入れた。
「本当だ~。美樹さんが言う様にフワフワだ。苺も甘いし」
「でしょ.でしょ?もっと食べる?」
「いや、俺は食べて来たから腹一杯だし、美樹さん食べて」
「良いの?全部食べちゃうよ?」
「どうぞ.どうぞ」
また1口と口に入れ「う~ん、美味しい~」とニコニコ笑顔を見せる。
その姿をコ-ヒ-を飲みながら見てドキドキしていた。
さっきのアレ何だ?普通、男がやるか?さり気無く出され思わず普通に口に入れたが、周りから見たらバカップルにしか見えないだろうな。
この人一々やる事が可愛い~んだよなぁ。
嬉しそうに口元にパンケーキを食べ、笑顔になってる美樹さんを見てここに来て良かったぁ~と思った。
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