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第437話

毎日、生きてる心地がしない日々が続いた。 月曜日はどうにか直行直帰でなんとかなったけど、毎日そんな訳にはいかない。 会社で会う伊織さんを見る度、火.水.木曜日と日を追うごとに、自分がシタ事で苦しくなっていく。 毎日、夜におやすみラインをくれる何にも知らない伊織さんのラインを見て、涙が出てきたり申し訳無さ過ぎて、ラインの返事も短くなってしまう。 毎日、どうしょう.どうしよう…と、その事ばかり考え食欲もまた無くなった。 伊織さんにはバレて無いから、このまま何も無い振りで……と、狡い考えが浮かんでは消え、罪の重さに負けて別れを覚悟で正直に告白するか?と何度も悩む。 拓海君とは、あれから水曜日に電話があった。 「会社に遅れなかった?」「体、大丈夫だった?」「次、いつ会えるか?」「会いたい」 俺を心配する話しやあの日の事を濁す事を言われ「ちょっと仕事が立て込んで」と、会う事を拒んだ。 拓海君に俺達セックスしたの?どうなの?直接聞くのが怖くって聞けなかった。 確認したい気持ちとあれだけの証拠があるのに聞いても無駄と言うのもあるけど、拓海君の口から「俺達セックスしました」と、はっきり聞いたら最後と思う気持ちがまだ残っていた。 拓海君も俺の事を考えてくれて、無理強いはしてこなかったから、その場はどうにか断って電話を切った。 拓海君の優しさに俺は甘えていたんだ。 伊織さんの事だけじゃなく、拓海君の事も考え無いと……。 解決策が見つからず毎日を悶々と過ごしていた。 先週末、アンディから連絡あって以来、食事の時に俺が呼ぶと出て来るが、それ以外は部屋に閉じ籠りがちの波瑠に俺も目が離せず、今週も残業無しで殆ど毎日帰宅していた。 俺が買って来ないと食事をしない波瑠を心配し、成る可く話し掛けたりさり気無く励ましたりしてるが波瑠の反応は暗いし、ネガティブな発言に俺も困っていた。 そんな波瑠を見てられず、早くアンディ連絡くれよと願ってしまう。 こんな落ち込む波瑠を見るくらいなら我儘を言っても良いから、元気な波瑠の方が良い。 唯一、会社でミキの姿を見れるのが、俺の癒しになっている。 おやすみラインだけじゃ無く、ゆっくりと2人で過ごしたい。 ……ミキに触れたい。 俺は波瑠の面倒をみる事で、ミキの方がそんな事になってるとは思いもしなかった。 ミキの事を想う余り、波瑠の存在を言わなかった事を後で後悔した。 ミキが傷ついても早く話すべきだった。

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