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第440話

@→英語会話 週末に近づくにつれて、どんどん口数も少なくなり落ち込む波瑠を励ましたりしてた俺も段々と声を掛けられず、そぉっとしておく事にした。 こればっかりは、どうにもならないと結論付けた。 そんな日々が過ぎ、土曜の朝にアンディから電話が入った。 またもや迎えに来れないのか?嫌な予感しかしない。 @「ああ、アンディか?」 @「イオリ、すみませんでした。やっと仕事が終わったので、ハルをこれから迎えに行きます。ハルに電話しても出てくれない、ハルの様子はどうですか?」 @「まあな。アンディを待ってるのは確かだ。少し拗ねているとは思うが、早く迎えに来てくれ」 @「OK。直ぐに向かいます。色々、ありがとうイオリ」 @「そんな事は良い。波瑠は俺にとっても可愛い奴だからな。気にするな」 @「ありがとイオリ」 電話を切って ‘はあ~’ と息を吐いた。 やっと安堵した。 これで波瑠も不安な気持ちから解放されるだろうと、閉じ篭っている客間にドア越しに声を掛けた。 「波瑠、アンディが今から迎えに来るから用意しておけ」 「やだ~、出て行かない! もうここに居る!」 「何、バカな事言ってるんだ!」 「アンディなんか知らない。もう別れる! 日本に帰って来て伊織と一緒に居るからいい!」 アンディがなかなか迎えに来なかった事と連絡が無かった事で、意固地になってしまった様だ。 「波瑠! アンディは仕事だったんだから仕方無いだろうが、途中トラブルもあったようだし、迎えに来たくっても来れなかったんだ」 「そうかも知れないけど……。もういい。伊織には関係無いでしょ! 放っといてよ!」 この後に及んで ‘関係無い.放っとけ’ だと! 散々、面倒みさせて迷惑掛けておいて、それは無いだろうと流石にカチンッときた。 「いい加減にしろ! そんな態度ならアンディとの事関係無く、ここには置いておけない! アンディが来るまで良く考えろ!」 ドンッとドアを叩き、俺は書斎室に篭った。 あのくらいキツく言ってれば、考えて解るだろう。 ここに来て少し甘やかせたからな、あの位は言わないとな。 さて、アンディが来るまで仕事するか?いやミキと久し振りにどこか出掛けても良いか?と、パソコンの画面を開いた。 アンディが来たのは2時程経ってからだった。 チャイムが鳴りアンディを招き入れ、久し振りの再会とここに来てからの波瑠の様子と今の現状を伝えた。 @「イオリ、すみませんでした。状況は解りました。何とかハルに解って貰う様に話すつもりです」 @「宜しく頼む。波瑠はあの部屋に閉じ篭って出て来ない。初めは意固地になってるだろうが、ずっとアンディの事待ってたのが解る。良く話し合ってくれ。俺はあの部屋に居るから終わったら呼んでくれ。呉々も波瑠を頼む」 @「OK。ハルの事は任せて下さい。イオリ、ありがとう」 波瑠の部屋の前からドア越しに話し掛け始めたアンディ。 後は2人の問題だと俺は書斎にまた篭った。 どの位時間が経ったのか? 少しウトウトしてた所に、コンコンとノックされた。 話し合いは終わったか?上手く波瑠を宥められたか? 書斎から出て、リビングに3人顔を突き合わせた。 ダイニングテ-ブルに俺の前で2人横に並んでる。 そこにはしっかりと手を繋いで居たのが見えた。 やれやれ、どうにか上手くいったみたいだな。 @「で、話し合いはどうなった?」 @「イオリにご迷惑をお掛けしましたが、ハルを連れて帰ります」 @「ごめんね。アンディったら俺を放っといたんじゃ無く、早く仕事を終わらせて、俺の為に久し振りの日本を2人で満喫しようと頑張ってたんだって、でも初めの方は日本のスタッフとコミニュケ-ションが取れなかったりで大変だったみたい。それで、後もう少しでって所でトラブルが起きて、その対処するのでまた迎えに来るのが延びたって、アンディが何回も俺に謝ってきた」 @「本当に申し訳無かった。今回は仕事で来たのだが少しでも早く終わらせて、なかなか帰国出来ないハルとゆっくり過ごそうと思ったのがいけなかったのかも知れない。自分では一生懸命してたつもりでも、何処かで焦っていたのかも。ハルにも返って寂しい想いをさせた」 @「アンディ…僕こそ自分の事しか考え無かった。アンディは仕事で来てるのに……ごめん。アンディの気持ちも知らずに我儘言ったり機嫌悪くしたり…態度悪かった…ごめん」 @「ハルの我儘の所も可愛いんだから、それに自分が悪いと解った時に、素直に謝る所も可愛い」 @「アンディ」 俺を放って2人見つめ合い、何だか2人の世界に入ってる。 ゴホンッ! 俺も居るぞって咳払いで示した。 ハッとした顔で俺を見てる2人に呆れるが、波瑠の幸せそうな.嬉しそうな顔を見て良かった。 @「イオリ、すみません。ついハルが可愛いかったんで」 @「アンディ! 」 またイチャイチャ始めた。 @「はあ~、それで?荷造りは済んだのか?」 @「さっき、やった~」 @「解った。もう2人っきりになりたいんだろ?俺の事は気にせず、連れて帰ってくれ」 @「すみません。ハル行こうか?」 @「うん♪」 ニコニコと笑顔で見つめ合う。 席を立ち波瑠の荷物を持ち玄関まで送る。 @「いつ経つんだ?」 @「本来なら、明日には経たなければなら無かったんですが、トラブルなどあったので少しだけ日本にハルと過ごそうと休みを捥ぎ取りました。水曜日にアメリカに経ちます。1泊ぐらいハルと折角日本に来たので、温泉にでも行こうかと思ってます。あっ、そうだ。イオリ、良ければ明日の昼にランチしませんか?お礼とお詫びの印に」 @「そうしようよ。またいつ会えるか解んないし、アンディも伊織とゆっくり話したいと思うから。ね、いいでしょう?」 アンディと波瑠からの申し出に少し考えたが、波瑠も落ち着いたし良い機会だと思った。 @「解った。ランチ楽しみにしてる。後で場所を連絡してくれ。それと、もう1人紹介したい人が居るから4人で良いか?」 @「OK.OK」 @「伊織が紹介なんて……もしかして恋人?」 @「まあな。取り敢えず、当日紹介する」 @「oh~、それは楽しみです」 @「僕の目は厳しいからね。でも初めて伊織がきちんと紹介してくれるから、どんな人か楽しみ♪」 @「それは明日な。じゃあ気を付けてな」 @「イオリ、ありがとう」 @「またね~」 波瑠の荷物を持つアンディと手を繋いで玄関から出て行った。 はあ~やっとだな。 リビングのソファ-にドサッと座り、ここ3週間ばかり波瑠に振り回され、疲れが一気に出た気がした。 「あ~、疲れた~。これでミキともゆっくり過ごせる。ミキに連絡するかなぁ?」 スマホを取るが、少し考えてテ-ブルに戻した。 「ミキと会いたいが、今日は止めておくか?何だか疲れた。後で連絡しよう」 そのままソファ-に横になり目を閉じた。 これで平穏な生活に戻ると心で安堵していた。

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