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第451話
「香坂!」
他の課の手前、呼ばれたら立ち止まると、腕を取られ会議室に連れて行かれた。
「そこに座れ」
「……はい」
「まず、これはどう言う事だ?今の仕事に不満か?どこに異動したいって言うんだ?もし、プライベ-トの事と関係あるんだったら、受理はしない!」
「……仕事は遣り甲斐が有りますし……自分的には勉強にもなるし楽しいです」
「だったら、やはりプライベ-トの事でか?そんなに俺と一緒に居たく無いのか?別れたいのか?」
「………辛いんです」
「ここじゃあ、込み入った話しが出来ない。俺の所で話すぞ。今日は逃がさない! 解らない事ばかりで、ミキに聞きたい事が山程ある。このままじゃあダメなのはミキも解るだろう?きちんと納得するまで話し合おうその上で、別れるか別れないか決める!」
別れるつもりは更々無いが、こうでも言わないとミキが動かないと思った。
「……解りました。すみません。課長の部屋じゃなく私の所でも良いですか?」
伊織さんの部屋に行くのは、何となく気が引けた。
「ああ、どっちでも良い。ミキは昨日.一昨日とどこに泊まったんだ?部屋には居なかったが……悪いが、終電まで帰って来るか?と部屋に居たんだ。まさか…その相手の所か?」
不安に思っていた事を聞きたく無いが、肝心な事だと返事を聞くのが怖かったが聞いた。
ドクドク……ドクドク…心臓の音が聞こえるようだ。
「そんな事…無いです。安いビジネスホテルに泊まってました」
返事を聞いてホッとした。
「そうか。取り敢えず、今日も車で来てるから一緒に帰るぞ。話しはミキの部屋でする。帰る準備して来るから待ってろ!」
立ち上がり会議室を出て、自席に戻り帰る準備をし会議室に向かった。
どうか逃げずに居てくれと、会議室を開けると観念したのか?待っていた事に安堵した。
やっと話しが出来る。
「帰るぞ」
「……はい」
エレ-べ-タ-で降り駐車場に行き、車に乗り込む。
助手席のドナルド&デイジ-を膝に置き、頭を愛おしそうに撫でていた。
「ミキ、出すぞ」
「あっ…すみません。駅に行ってくれませんか?」
「車で帰るって、言ったはずだが?」
「違います。駅のコインロッカ-に、荷物を取りに行って来ます」
「解った。必ず戻って来いよ」
「はい」
車で駅に行き、ミキを一旦降ろし車中で待っていた。
戻って来るよな?と、ここまで来ても不安で堪らなかった。
暫くすると、ボストンバッグを1つ手にし戻って来るミキの姿が見えた。
これで本当に話し合えると、車に乗り込んだのを確認して、ミキのマンションに走らせた。
車中では、お互い無言で重い雰囲気のままマンション近くに着いた。
いつものコインパ-キングに車を駐車し、ミキのマンションに歩いて行く。
初めに、何て切り出そう?
ミキが話し易い様にするんだ。
何を聞いても怒りは抑えるんだ。
最後まで黙って聞くんだ。
俺の後ろをトボトボ歩いて着いて来るミキを確認しながら、自分に言い聞かせたていた。
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