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第459話
「久し振りだな。この体勢でいるのも」
「…………」
「疲れたか?」
「…………」
何も答えないミキ、まだ気にしてるのか?それとも照れてるのか?
このままでは埒が開かないと聞く事にした。
「どうした?まだ気にしてるのか?」
「……伊織さんこそ……」
何を言われてるのか解らなかった。
俺が何を気にしてるって言うんだ?
「俺が?」
「……はい……だって……前の伊織さんなら……あのまま…お風呂で1回はシテるのに……やはり他の人と間違えを犯した俺とは……ごめんなさい」
華奢な肩を震わせ涙声になってる。
泣いてるんだろうと背後から気配で解った。
また誤解させたと自分に腹が立った。
「ミキ、悪い。そんなつもりは無かった。俺は全然気にして無いって言ったら嘘になるが、最後までシテ無いって事には安堵してるし、相互オナニ-だと思ってるそれと風呂じゃなくゆっくりベットでシタかっただけだ。俺も正直我慢してる。じゃなきゃ、こんなになる訳無いだろう」
ミキの腰に俺の怒張を擦り付け主張した。
「あっ……ごめんなさい。俺、てっきり……」
「てっきり何だ?」
「……その…あの…やっぱり俺とはできないと思ったのかと……浮気紛いみたいな事した俺とは…」
ミキの頭を軽く叩き
「ミキ、いい加減に自分を責めるな! 正直に言うとミキを信じていただけに、聞かされた時はショックが大きかった。だが、それ以上にミキに別れると言われた方が何倍も辛かった。今後もミキの前には俺以上に良い男が現れるかも知れない。もしかして、ミキの気持ちも俺から離れていくかも知れないが、俺は必ずミキを取り戻す。誤解して欲しく無いが、1度や2度の浮気よりその先の人生をミキと一緒に過ごしていく方が大切だと思ってる」
「……伊織さん」
「ま、できれば浮気はしないで欲しいがな。口では色々話すが、やはりショックがでかい。今回は俺も悪い。だから、もう自分を責めるな! 」
「すみません」
「もう、謝るな! それに俺と間違えたんだろ?何回も俺の名を呼んでたって言ってたぞ。酔った上での不可抗力だが、今後は、俺以外の奴とは2人っきりで飲むのは禁止な!」
「……はい、肝に命じます。でも、これで最後にするから改めて謝らせて。本当にごめんなさい」
「解った.解った。もし俺の願いを叶えてくれるなら、来週は週末まで俺の部屋で過ごしてくれ。この3週間分ミキに飢えていたんだ、その分補充させてくれ。一緒に居たいんだ!」
「…はい。そんな事で良ければ」
「よっし~。体も温まったし出るか?」
「はい」
風呂場を出て脱衣所で体を拭き下着を履こうとするミキに
「どうせ直ぐ脱ぐんだ。タオルで充分だ」
顔を赤らめて素直に腰にタオルを巻く。
俺もタオルを巻きドライヤ-を手にする。
「えっ、ドライヤ-掛けるんですか?」
「待ち切れないか?ミキの髪を乾かすのも俺の楽しみだからな。久し振りでゆっくりしたい所だが、俺も待ち切れないから、今日は手早くする」
くっくっくっ……
「……お願いします」
ゴォ-ゴォ-……ゴォ-…
暫くすると、ふわふわの髪になり手触りも良くなってきた。
頭のてっぺんにキスし
「終わったぞ」
「ありがとうございます」
いつもの流れで、ぎこちなかった雰囲気も和やかになってきた。
「さて、お姫様。ベットに行きますか?」
ミキの体を横抱きにすると、急な事で慌てるミキが可愛い。
「い、伊織さん!」
「ほら、暴れると落ちるぞ。服だけ持ってくれ。じゃあ、行きますか?俺のお姫様」
「……はい」
2人分の服を持ち、俺の首に手を回ししがみつく。
ああ、ミキ.ミキ…俺のミキ…やっとこの手で抱ける。
今日は嫌ってほど優しく抱いてやる!
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