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第463話
「…んん…」
まだ覚醒していない頭で、体に密着する温もりで目を開けた。
「…ミキ?そうか昨日……」
昨日の怒涛の1日が思い起こされた。
「朝一で、ミキの寝顔が見れるなんて幸せだ。今日は良い事がありそうだ」
寝る時には俺に背を向けていた体勢が、朝には俺に抱き着き俺の胸に顔をくっつけ、腕の中でスヤスヤと眠っている。
「可愛い~奴」
暫く眺めていたが「何時だ?」気になり時計を見るとまだ5時前だった。
何だか、すげぇ~良く寝た気がする。
ミキが隣に居たから、熟睡出来たのかも知れないな。
時計を見た時に俺が動いた事で、ミキも身動ぎし
「ん…も…朝?」
「まだ、6時前だ。もう少し寝てろ」
「……ん」
体をより密着し、胸に顔を擦り付け抱き着く。
その仕草がまた可愛らしく、だらし無い顔になるのは仕方ない。
ミキには絶対に見せられないな。
ニマニマとミキの寝顔を堪能してると、悪戯心が沸き起こるが、こんなに幸せそうに寝ている邪魔は出来ない。
この2日間の週末は、部屋から出さないで独占しようと決め、何をして過ごすか?可愛いミキの寝顔を見て思案する。
色々考えニヤ~と、他の奴が見たら凄え~厭らしい顔をしていたと自分でも自覚はある。
よし、飴とムチ作戦でいくか?
あ~起きたら楽しみが待ってると思うと寝つけなくなりそうだが、今はミキが側で寝ている幸せを堪能しようとまた目を閉じた。
「ふぁ~…ん~」
くっくっくっ…
「起きたか?」
「あっ伊織さん、おはようございます。もう起きてたんですか?」
「少し前にな。お陰で可愛い寝顔と可愛い欠伸を見られた。すっげぇ~可愛いかったぞ」
「止めて下さいよ。恥ずかしいです。そんな事より今何時ですか?」
「ああ、もう直ぐ10時になる」
「ええ~もうそんな時間?寝過ぎた~」
「休みだ、良いだろう」
「まあ…そうですけど。お腹空きません?」
「確かにな」
「遅くなっちゃったけど、直ぐに朝食作りますね」
「ああ、頼む。その前に ‘おはよのキス’ は?」
唇を突き出すと、チュッチュと2回可愛いキスをくれた
「おはよ、伊織さん」
お返しのキスをし「おはよ、ミキ」挨拶する。
あ~波瑠が来る前の日常に戻った様だ。
ベットを出ようとするミキを制し
「少し待ってろ」
「????」
俺が全裸で朝の生理現象もあり、勃ち上がってるモノをブラブラ揺らし、寝室を出ようとすると
「い、伊織さん。服を着て下さい」
「ん、直ぐ戻る」
寝室を出てキッチンに行き、オレンジ色のミキ専用のエプロンを手に寝室に戻った。
ベットにちょこんと座って待ってるミキにエプロンを手渡した。
「わざわざ、ありがとございます」
俺の魂胆など何も知らずに素直にお礼を言うミキに俺は指示を出した。
「ん、今日は素肌にエプロンを着て、1日過ごして貰うからな!」
「えええ~、な、何で~?」
顔面蒼白って、この事を言うのかって思うほど驚いていた。
「お.仕.置.き! 悪い子には、お仕置きするのは当たり前だろ?」
「お、お仕置きって?……伊織さん、昨日は ‘不問にする’ って言ってたのに…やっぱり、まだ怒ってるんですか?」
不安そうな顔をするミキが可哀想になるが、グッと堪える。
「その事は不問とするが、それとこれとは別の話だ! それに俺は怒ってもいないし。ただ、何もしないとミキが後ろめたいと俺に気を使うだろ?だから、お仕置きしてお終いとする!」
もちろん怒ってもいない。
ミキが俺から離れていかない事に感謝すらしているが……いや寧ろ、今はこの状況を楽しんでる。
今後の事も考え、少しはお仕置きしておこうと言う考えもあるが、今のミキなら ‘お仕置き’ ってフレ-ズで、拒否は出来ず何でも受け入れてくれそうだと見込んだ
この絶好の機会に色々したいとスケベ心が騒ぐ。
さて、どうやって受け入れ易く話しを持っていくか?
「じゃあ、他のお仕置きで…」
「ミキが嫌がる事をするのがお仕置きだろ?先ずは、その体に教え込まないとな」
「………」
「黙っていても、決定事項だ!」
「……じゃあ、責めて、前みたいに上だけ着ても良い?」
出た~! 必殺上目遣い。
可愛く上目遣いでお願いされた。
くそぉ~可愛い過ぎだろ。
「……そうだな。流石に、全裸は可哀想か?良し、上だけは許す!」
「ありがと! 伊織さん」
ベット下に置いてある服を見て暫く考え、手に取ったのは……俺のTシャツだった。
俺のTシャツを着て、オレンジのエプロンを付け頬を染めベットを抜け出した。
「朝食出来たら呼びますから、それまでゆっくりしてて下さい」
頬を染め裾を引っ張り、寝室を出て行ったミキ。
可愛い過ぎだろ。
そこで俺のTシャツ着るかな~。
俗に言う ‘彼シャツ’ だろ。
たぶん、自分の服を着るより俺の服の方がでかいと思ったんだろうが……ったく、天然で男心を唆る。
本当に閉じ込めて、誰にも会わない様にしてやろうか?
まだまだ楽しみはこれからだ。
嫌って程、その体に ‘俺の者’ だと教え込んでやろう。
それが俺の本当の意味での ‘お仕置き’ だ。
まだまだ序の口だ、これからが楽しみだ。
妄想するとニヤニヤが止まらない。
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