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第469話
レ-スカ-テンから漏れる光りで、目が覚めた。
「ん~……」
暫くは、ボ-としていたが頭が覚醒してくると、昨日の濃密な情事と俺の腕の中でスヤスヤと幸せそうな顔で寝ているミキの寝顔を見て安心と顔が緩む。
ここに居る!
朝を一緒に過ごせる幸せを噛み締めていた。
「昨日は、ヤリ過ぎたかもな……怒られるか?拗ねられるか?ま、どっちにしても可愛いが」
ミキの寝顔に小さく呟く。
そんな幸せに浸っている朝に、俺の腹が大きくグ-グ-キュルキュル…音がした。
「……腹が空いた~」
そう言えば、昼過ぎに買い物に行って……ヤリ過ぎて……あ~食うのも忘れてヤッテたんだな。
どんだけ夢中になってたんだ、でも、あのミキの淫れた姿.いや妖艶な姿を見たら飯を食うのも忘れる程、夢中になるに決まってる。
それに何度もミキからのお強請り…可愛かったなぁ~。
あ~堪らん。
ニヤニヤしてると、俺の腹の音でミキも目が覚めたようだ。
「ん…大きな音…お腹?」
「おはよ」
‘おはようのキス’ をし、いつもの朝に戻ってると心の中で思っていた。
「悪い、起こしたな。腹が減った~。昨日は夕飯も食べずにシテたからな。ミキがもっと.もっと~て言うから俺もつい頑張った」
くっくっくっくっ……
俺の腕の中で胸に顔を埋め篭った声で
「んもう~、伊織さんのバカ~。恥ずかしい~から言わないで。昨日の俺何か変だった、自分じゃ無いみたいで」
媚薬が効いてるとも知らずに、恥ずかしがるミキが可愛過ぎて、どうしてやろうか?
「ま、俺としては嬉しい限りだったが…」
「も、その話は終わり~。俺もお腹空きました。何か作りますね」
「ああ、あっそうだ。ス-パ-の帰りに、パン屋に寄って来たんだ。ミキの好きなパン買って来たから、それ食うか?」
「わ~い。食べます」
俺がベットから抜け出て、全裸で立ち服を手にする。
「ぎゃあ~伊織さん。早く服着て下さい~」
布団の中に潜り込み叫んでいる。
俺の裸何か何回も見てるのに、いつまで経っても初々しい。
手早く服を着て、ミキの服を渡す。
「俺は着たぞ。ミキもほら」
布団の中から手を出し、着替えるようだ。
「コ-ヒ-入れておくな」
声を掛け寝室を先に出た。
キッチンでコ-ヒ-をセットしパンを用意してると
「ぎゃあ~」
寝室の方から叫び声が聞こえ、なに事か?と慌てて行くと、服をきちんと着たミキがベットの上で、腰を摩って蹲っていた。
俺の顔を恨めし顔で見てるが、そんな顔をしても可愛いだけだと、何で気遣ないかなぁ~。
「どうした!」
「腰が…いたっ…腰が…うっ痛っいたた…動けない」
ヤリ過ぎで腰が立たないらしい。
あれだけヤレばな、腰も立たないだろうな。
俺には嬉しい限りだがな。
「解った。ソファに連れて行くから、捕まれ」
「……お願いします」
首に手を回させ横抱きにし、寝室を出てリビングのソファに座らせる。
「クッション腰に置いとけよ。今、コ-ヒ-とパンを持って来るから」
「……すみません」
キッチンに向かいコ-ヒ-を入れパンを持ち、ミキの隣に座る。
「熱いから気を付けろ。パンは何種類かミキが好きそうな物を選んだ。どれでも好きなの選べ」
「はい。わぁ~美味しそう。う~これとこれで」
ハム.チ-ズクロワッサンと明太子フランスパンを手に取り口を開け食べ始めたミキを見て、俺も残りのパンを物色し食べ始めた。
「美味しい~」「温めてくれたんですね?ありがとうございます」「ん~美味しぃ~」
相変わらず食べ物を美味しそうに食べるミキを見て、何であの時ミキが食欲無かった事に気付かずに居たのか?今となっては不思議だ。
こんなに美味そうに食べてるミキとは雲泥の差があった……久し振りに2人で会えて浮かれてたんだな。
今更、後悔しても仕方ないが。
「それじゃあ、今日は動けないな?」
「……はい、ちょっと暫く無理かも……」
「元々どこに行くとか予定が無かったから、別に構わない。昨日と今日は部屋から出すつもりは無かったからな」
「………あの~」
パンを齧りながら、俺を上目遣いで見て何か言いたそうにしてる。
その上目遣い可愛い過ぎ~だろ。
「ん、何だ?」
「あの…え~と…お仕置きって…その…まだ継続中…ですか?」
昨日の事を思い出して、最後の方は恥ずかしくなったらしく俯く。
ったく、可愛い~。
「ああ、継続中だ!」
俺の言葉に顔を上げ、頬を染めながらも抗議してきた
「えっ無理.無理です。今日は動けないし…無理です。俺、メチャメチャ反省してます。だからお仕置きはもう…だめ?本当に無理!」
「どうするかな~。他にもお仕置きの方法は幾らでもあるんだがな。別に、ミキが動かず俺が動けば良い話しだ」
意味有りげに、ミキの太腿の際どい所を摩り、俺は自分の腰をクイックイッ…と動かして様子見た。
「えっえっ…無理.無理! 俺…もう本当に何にも出ないし…ちょっと辛いかも…」
「俺はまだまだイケる! 」
嘘でしょ! 信じられない! って、言葉にしなくっても顔に書いてあった。
その顔が余りにも可笑しかったのと可愛いかったからつい笑ってしまった。
くっくっくっくっ……はははは……
「揶揄ったんですね! 酷い! 伊織さんならヤリ兼ねないから~。エロスタミナ親父だもん」
「誰がエロ親父だ! 俺のミキへの愛情表現は深く濃いんだ!」
「解りますけど…程々って言葉知ってます?」
「俺は中途半端はしない主義だ! 特にミキに関してはな!」
「はあ~そうですか?……エロじじぃ」
小さくエロじじいと言った言葉を聞き逃さ無かった。
「ん、誰がエロじじい?」
「うわぁ~聞こえてました?……地獄耳」
「地獄耳で悪かったな」
「これも聞こえたんですか?」
「ミキの話は全て聞き逃さない!」
「怖っ! 悪口言えない…かも」
くっくっくっくっ……ミキの悪口なんて言っても知れてる、人の事を悪く言える性格じゃない。
「ま、俺への悪態吐く事が出来れば上出来だ! お仕置きでもしないと、俺が良いって言ってもミキはいつまで経っても、自分の罪の意識から逃れないし俺に遠慮するだろう?そんなのは俺も嫌だからな、だからお仕置きしたんだ」
「伊織さん!…俺の事を考えて……ありがと」
「これで俺への遠慮は止めろ! エロじじいでも何でも好きに話して良いんだ、我儘も言えよ」
俺の首に手を回し抱き着く。
「はい! 伊織さん、大好き~」
頭をぽんぽんして、半分は本当の気持ちと半分はお仕置きって名目で楽しんだ事は内緒だ、本当に素直で可愛い~。
これだから目が離せない。
俺を見上げて恐る恐る尋ねる。
「じゃあ、もうお仕置きは無しでしょ?」
「いや、お仕置きは続行だ!」
「ええ~、だってぇ~さっきは何でも言えって、だからもうお仕置き無しで…お願い」
「いや、だめだ!」
俺の首に回した手をギュッと強くし、顔を肩口に擦り付け甘えての懇願だ。
「ね、ね、お願い~」
マジ、可愛い~。
ヤベ~、可愛い過ぎてヤリたくなっちまう。
だが、ミキの体を考えて初めから今日のお仕置きは決めていた。
「今日のお仕置きは……部屋に篭り、俺がミキを構い倒す事だ! ま、俗に言う、ラブラブタイムだ。イチャイチャして過ごそうな!」
俺の話を聞いて顔を上げたミキにウインクする。
「はい! そんなお仕置きなら、いっぱいしたいです! 伊織さんとイチャイチャするの大好き~」
またまた俺に抱き着く。
こうして、今日のお仕置きと予定が決まった。
もし他の奴が今ここに居たら、イチャイチャしてるバカップルに見えていただろう。
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