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第471話
「ん…んん」
目の前が真っ暗で何が起こってるのか?把握出来なかったが、俺が起きた事でミキが身動ぎ目の前が明るくなった。
「あっ…伊織さん、起きた?ごめん、俺もいつの間にか寝ちゃったみたい」
雑誌を読んでいて、そのままテ-ブルに突っ伏して寝てたらしい。
俺はミキの膝枕で寝てたからミキの腹が目の前にあったのか。
成る程な、納得だ。
まだ膝枕から離れ難く、そのままの体勢でミキを見上げ話すと、俺の頭を愛おしそうな目で撫でてくれた。
「結構寝てたか?その体勢辛くなかったか?」
「大丈夫です。寝てたの1時間位だと思います」
「そうか、もう暫くこのままでも良いか?」
「はい」
ミキの腰に手を回し、腹に顔を擦り付けミキの匂いを嗅ぐ。
「甘えて可愛い~♪」
「俺の事可愛い~なんて言うのミキ位だな。ん~ミキの匂いがする。癒される」
「俺も伊織さんと居ると安心できて心が和みます」
「やはり俺達は2人で居るのが自然なんだな。俺もミキの前だと気を張らず、だらし無い所も弱い所も見せられる。祐一や龍臣以外ではミキだけだ」
「俺もマコ以外では伊織さんだけです。祐さんや龍臣さんはなんやかんや言っても、やはり親友なんですね」
「彼奴らは親友って言うより悪友だな」
「そんな事言って~、仲良しなんですから~」
「ま、いざって時はやはり頼りになる」
「親友って良いですよね。俺もマコにはいつも感謝してます」
「そうだな。また皆んなで集まるか?」
「はい。沙織さん達も優希さん達も」
その時、俺のスマホが鳴った。
♪♪♪♪~♪♪♪♪~
テ-ブルからスマホを手に取り確認すると、祐一からだった。
そのままミキの膝枕の体勢で電話に出た。
「おっ、祐一。どうした?」
「お前なぁ~、どうしたじゃねぇ~よ。こっちはあれからどうなったか?気になって連絡したんだっつ-の。マコも気にしてる!」
「あ~あ、悪い.悪い」
「その言い草なら上手く纏まったんだな?ま、連絡寄越さなかった事からして、良い事してたんだろ-けどな、お前の事だ」
「ま、遠からず正解だな。今日はイチャイチャする日に決めたからな。今、イチャイチャタイムだ」
「そりゃ良かったな! こっちの気も知らず良い気なもんだよ、ったく。だから、大丈夫だって俺は言ったんだがマコが心配して…。ま、程々にな」
「ありがと~な。真琴君にも言っといてくれ」
「ん、解った。じゃあな」
スマホを切り、わざわざ心配して休みの日に連絡くれた祐一に感謝した。
丁度、祐一達の話をしてた時だったから、やはり親友って良いもんだと改めて思った。
膝枕をしてるミキの顔を見上げ、祐一と真琴君が心配して連絡くれた事を話す。
「祐さん、貴重なお休みなのに…。今度、祐さんとマコにお礼しないと。食事でも奢りませか?」
「ん、そうだな。色々迷惑掛けたし心配させたからな」
「そうしましょう。大将の所でどうですか?」
「オヤジの所?いつも一緒じゃねえ~」
「ん~でも大将の料理美味しいし居心地良いんですよね~。俺達やマコは結構お店に行けるけど、祐さんは余り行けないじゃないですか?前に行った時に祐さんも喜んでたし」
「そうだな。変わり者の祐一が喜んでたし、来週の日曜でも行くか?」
「はい。マコも喜びます」
「ミキは真琴君の事好きだよなぁ~。少し妬ける」
俺の頭を撫でて
「俺の親友ですから、マコは大好きです」
「おいおい、俺の次にだろ?」
「もちろん! でも…ちょっと違うかも」
「まさか、真琴君の方が上って事は無いよな?」
クスクスクス…可愛く笑い
「マコは大好きで……伊織さんは愛してます」
「俺もミキを愛してる」
ミキの後頭部に手をやり無理な体勢で口付けた。
「お腹空きませんか?もう5時過ぎちゃいましたよ。朝と昼兼用で食べたっきりですからね」
「ん~腹は空いてるが、後30分だけこうして居たい」
「可愛い~♪ 子供みたい~」
「良いだろ?今日はイチャイチャする日って決めたんだ」
「良いですよ。カレ-は温めれば良いですし、後はサラダ位作りますね」
「ん、解った」
もう暫くこの雰囲気を楽しみたい。
こんな何気無い空気感が1番幸せを感じる。
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