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第478話
週初めに全員の予定を聞き、今日の午後に会議の予定にした。
プロジェクト開始する為の資料の最終確認と、電話連絡をして過ごした。
「良し。皆んな揃ったな」
「「「はい」」」
「資料を渡すからな。目を通してくれ」
「「「はい」」」
パラパラ……と資料を捲る音が聞こえ、真剣に熟読していた。
「大体の内容は資料の通りだ。今回、1課の第2弾のプロジェクトとしてG&Kのレストラン部門に、ヘルシー料理を提案しその料理の器を受注する」
「でも、既にG&Kの日本料理店としての器の受注は有りますが」
G&Kの器担当の田口は考えているな。
「確かに20店舗程ある日本料理店の器は全て受注しているが、今回はその20店舗のうちセレブ地域と会社が多い地域に絞り10店舗にヘルシー料理だが目でも味でも楽しめて、その上でカロリーが低い料理を提供し器も別にしようと考えてる」
「確かに今の器はどの料理にも合う様に落ち着いた色合いの物にしてますが、ただ、うちでは食材関係は輸出してませんが」
「確かにそうだ。食材を輸出するんじゃ無く、カロリーの低いヘルシーな料理のレシピを提供し、その料理に合った器を受注する」
「成る程、そう言う事ですか」
「面白そうですね」
「レシピは考えても、現地に無い食材はどうするんですか?」
「今は日本食専門の店もあるが、先の事を考えマ-ケットや市場など現地で仕入れ可能な物を使用するレシピにしたい。皆んなカロリーの低いヘルシーな食材は何を思い浮かべる?」
「う~ん、豆腐、こんにゃくかなぁ~」
「佐藤、それは王道だ」
「じゃあ、田口さん。他には?」
「ん~、料理しないからなぁ」
ミキがスマホ検索し
「他には、おから.ゆで卵.ヨ-グルト.海藻類.きのこ類.厚揚げ.寒天やところてん、肉だとささ身.胸肉とか、野菜だと大根やもやしなんかありますよ。こうやって見ると結構あるんですね」
皆んなでミキのスマホを覗き見ていた。
「そうだな。調べると結構あるもんだろ?」
「本当ですね」
「それでだ、資料に戻るぞ。コンセプトはあくまでもカロリーの低いヘルシー料理だ。ダイエット料理や精進料理とは違う。さっきも言ったが、見た目も麗しく味も楽しめてカロリーが低い料理だ。ここの所を勘違いするなよ」
「良く聞いとけ! 佐藤」
「田口さん! どう言う意味ですか?私でも違いぐらい解りますよぉ~」
「本当か~?」
「……たぶん」
「ったく、当てにならないなぁ」
「まあ、そう言うな。調べれば違いも解るだろう。次までに、それぞれヘルシーな料理レシピを持ってきて欲しい。パソコンで調べても良いしやり方は任せる」
「でも、それだと皆んな大体、豆腐料理やこんにゃく料理で被ったりしませんか?」
「いや、それで良い。被るって事は、皆んながカロリーが低くヘルシーだと思ってる料理って事だろ?レシピに取り入れ易い。ま、色んなレシピがあった方が良いに越した事は無い。それを基礎に皆んなでまた詰めていく」
「でも、素人だけで大丈夫ですかね?店に出す料理ですから」
「そこも既に出版社の方に頼んで、料理研究家の先生を紹介して貰ってる。次の会議を2週間後の金曜にするその時に先生を入れてレシピを決めていこうと考えてる。先生の方からも何かしら提案があるかも知れないからな」
「流石ですね」
「仕事、早いっす」
「今回はG&Kに大体の構想は話してるが、まだ決まりでは無い。最終的に企画書.レシピ資料や器の資料.プレゼンで本決まりになる。だから決まるか決まらないかはこれからだ。皆んなプロジェクトが成功する様に頑張ろうな!」
「「「はい」」」
気合いも入り、皆んなそれぞれ資料見たり検索して活気が出てきていた。
よし、俺も気合い入れるぞ!
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