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第482話

次の週の金曜日に池谷さんを交えて、本格的にヘルシー食レシピ作成に掛かった。 「前回の皆さんのレシピを持ち帰って、私なりに考えて提案書を持ってきました。意見や要望聞いて手直しします」 提案書を見ながら池谷さんの説明を聞いた。 やはり料理研究家だけあって見事だった。 細かい所まで気配りが行き届き、俺達がテ-マにしてる ‘目で楽しみ舌で味わうヘルシー食’ を理解してる内容だった。 「oxxx oxxx …oxxx……と言う事で如何ですか?何でも意見あれば」 「結構、品数有りますよね。これだと腹いっぱいになって、ヘルシー食って感じしない気がしますが」 田口が質問すると 「品数は割と多いと思いますが、1つ1つは量的には少な目にします。小鉢なんかは2口3口位で抑えて、刺身にしても3種類を3切れ位でと言う感じですね。量より色んな物を口に入れた方が、味も変わるし満足感が出ると考えました」 「成る程、量より質でと言う事ですか?」 「そんな感じですね」 「炊き込みご飯とか散らし寿しってありますけど。こんにゃくご飯、しらたきご飯を使用って書いてますけど、味は問題無いんですか?ご飯の甘みとかふっくら加減とか無くならないですか?」 「白いご飯として出すと、少し違和感がやはりあるかと思いますが、そこを炊き込みご飯や散らし寿しと味をつける事でこんにゃくとかしらたきが入ってると解り難くします。カロリーは大幅に削減できます。他にも、こんにゃくや豆腐を多く使ってますけど、遜色なくしてありますから」 「凄い。勉強になります」 「あと、器はどう言う風なイメージを考えてますか?今、使用して貰ってる器はどんな食品にも合うようにと、少し高級感も考えて黒みが強い焦げ茶を使って貰ってます」 「私の考えでは、ヘルシー食って言うと味気無い感じすると思うんですよ。ですから、逆に器は華やかにしたいと考えてます。こんにゃくや豆腐と色味が無い分を器でも楽しんで貰おうと考えてます。例えば、花が散ってるイメージのピンクの皿とかコバルトブルーの皿.透明感のある器に模様が浮き出てる感じとか」 「食品が映える感じでと言う事か。成る程ね」 田口や香坂が質問してるが、佐藤はレシピを見たままだった。 「おい、佐藤は何か無いのか?」 「私は料理は全然なんで。でも、このレシピ見るとヘルシー食なのに美味そうだし、デザートにも豆腐や豆乳やおからを使った物があって驚いた」 「豆腐は結構デザートに使えるんですよ。豆腐の抹茶ム-ス.豆腐のチ-ズケ-キ.豆腐のシフォンケ-キ.ホイップクリームは豆乳を使ったりとか豆腐アイスなんかもあるし」 「肉も食べて良いんですね。ヘルシー食だと肉はダメだと思ってたけど…これなら嬉しい~かも」 「そう思う人多いですよね。でも、肉そのまま使う訳じゃなく一工夫すれば食べても良いんですよ。そこに書いてあるように豆腐ハンバーグ、こんにゃくを肉で巻いて豚カツ風にするとか、ただし、揚げ物は焼き上げにするかオ-ブン焼きですね。鳥の胸肉やささみを使えばヘルシーです。鳥胸肉のチャ-シュ-やささみのサラダとかね。麺類もこんにゃく麺や春雨を使用すれば麺類も出せますよ」 「美味そう」 質問に躊躇なく応え解りやすく例題をだして解説し、流石に教室を開いてるだけはあると関心して聞いていた。 「たぶん、家庭でも作ったり出来ますよ。それを店に出す場合は、如何に食欲を唆る盛付けをするか?飾りをするか?で全然違います。例えば冷奴をそのまま出すのは家庭、冷奴に木の芽を乗せたり.出汁を入れる.生姜や薬味を多く入れたりと、一手間掛けるだけでお店って感じしませんか?」 「成る程」 「流石~」 「そっか~」 俺も池谷さんの話しを興味深く感心して聞いてた。 「よし! ここら辺で1度休憩入れよう。10分後に再開な」 「「「はい」」」 各々、トイレや飲み物を買いに行ったりと散らばった 俺は池谷さんに声を掛け 「流石に教室持ってらっしゃるだけあって話しが解り易いです。今日は時間は大丈夫ですか?」 「先週はすみませんでした。今日はこの後は何もありませんから大丈夫です」 「じゃあ、この後も宜しくお願いします」 「はい。あっ、ちょっと失礼します」 そう言って、池谷さんは会議室を出て行った。 俺はこの時トイレでも行ったのかと思っていたが、まさかミキを追って行ったとは思わなかった。

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