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第496話
日曜には、久し振りにミキとドライブを楽しみ当ても無く走らせ、結局最後は海を目指した。
車の中でも会話は絶えず、手を繋いだり赤信号で人が居ないと解るとキスを掠め取った。
ラジオから流れる歌を2人で歌ったりラブラブモ-ドだ
普段2人共カラオケなどでは歌わないが、2人っきりの車中では笑う者も居ないと大声で歌った。
海に着くと、家族連れで来てたりカップルで来てたりと割と人が多かった。
階段の所に座り、海を見ながら人から見えない所で手を繋いだ。
「結構、人が多いですね」
「泳いでる者もいるしな。夏だな」
「もう子供達も夏休みですかね?家族連れも多い」
「そうかもな。そう言えば、俺達の夏休みはシュノ-ケルしたいって言ってただろう?」
「あっ、はい。覚えていてくれてたんですか?でも、別に無理しなくっていいです。こうやって、近場に出掛けたりお家でまったりしてても良いですし」
「それも良いが、それは普段の休日にも出来る。折角の夏休みだしな。勝手に決めたが、今回は近場で悪いが、熱海と初島に行かないか?」
「うわぁ~、嬉しいです。熱海で温泉.初島でシュノ-ケルですね。あ~、楽しみ~♪」
「おっ、喜んでくれたか?良かった~。実は、もう宿も予約してる。初島で2泊.熱海で1泊だ」
「ええ~、もうそこまでしてくれてたんですね。会社でも仕事早いですけど…やっぱり伊織さんって凄いです♪……でも、宿ってまた高い所じゃ無いんですか?」
初島はペンションや民宿が多い中で値が張る宿を取ったが、熱海はミキが煩いからそこそこ高めの宿にしたのは内緒だ。
「まあ、初島は島だけあってそこそこの所だが、熱海はそうでも無いから安心しろ。ったく、しっかり者の奥さんだからな。こういう時位は金使っても良いと思うが…」
「伊織さん! 伊織さんは経済感覚が少しズレてるから、俺が締める所は締めないと。どんどん高い物を平気で買ったりするから」
本当にしっかり者だ、俺には丁度良いのかも知れないな。
ミキから叱られる前に場を和ませるか。
「そうだな。ミキは締める所は締めてくれるから、俺は直ぐに逝きそうになる。締まりが良いのも困ったもんだ」
ニヤニヤして握ってた手を離し、手の甲を意味深に触る。
ミキは意味が良く解らないって顔をして少し考え、やっと理解出来たらしく頬を赤らめ抗議の口を開いた。
手を離しポカポカ…俺の腕を軽く叩き
「んもう、伊織さんのバカァ~。どうして、直ぐにそっちに持ってっちゃうの~。凄いなぁ~と思ってたのに~、もう、エロ親父~」
可愛い抗議を聞き痛くも無い叩く手を握り、素早く後頭部に手を当て唇を合わせた。
クチュクチュ…数回舌で絡めて直ぐに唇を離した。
キョロキョロ辺りを見渡すミキ。
「大丈夫だ。皆んな海に夢中だ、誰も俺達の事なんか気にしてないって」
「べ、別に……」
「解ってるって」
ミキの頭をポンポンし微笑んだ。
世間や人の目を気にしてるんだろう、いや俺の為か?
俺が変な目で見られないか?気にしたんだろう。
自分より他人を気遣うミキの事だ。
「良し、少し海辺を歩いて家に帰るか?そうだ、途中で飯食べて帰ろう」
「はい♪」
それから2人で海辺を歩き、人影の無い岩場で隠れてキスした。
あの騒動から、久し振りに穏やかな休日を過ごした。
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