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第511話

「まだ、怒ってるのか?」 初島.熱海に出発する為に俺達はマンションの地下駐車場に置いてる車の中にいるが、今から出発するって言うのに、ミキはお冠だ。 「……怒ってません…けど」 「悪かった、謝る。確かに昨日の夜は、これから暫くミキを独占できるかと思うと浮かれて…つい、頑張っちまった。悪い、ヤリ過ぎた」 昨日の夜は元々ヤルつもりだったが、ミキの体が動かなくなるまでヤッタのは、ヤリ過ぎたと反省してるが……3回だけで止めた、ミキが飛んだからだ。 お墓詣りで気持ちも昂ぶっていたのもあるが、俺の思惑もあっての事だったが、1回で止められ無かったのは反省してる。 「もう、良いですよ。反省してるなら、俺も止めなかったし……俺も悪かったから」 本当に、優しい奴だ。 このまま2人で反省会してても仕方ないと切り替えた。 「終わった事を言うのは、もう止めよう。ま、今回は俺が全面的に悪い。反省もしてる。あっちに着くのは昼近くになるからミキは車の中でゆっくり体を休めろ」 「……はい」 ドナルド&デイジィを膝に抱いて弄ってる姿が可愛い~。 「これから夏休みが始まるんだ、折角だから楽しもう」 ミキの頭をぽんぽんする。 顔を上げ、俺の顔を見てふんわりと笑う。 堪らず、頭に乗せてた手を後頭部に回し、ミキを引き寄せ唇を奪う。 舌を直ぐに捻じ込みクチュクチュ…ヌチャヌチャ…舌を絡める濃厚なキスをし唇を離した。 「暫くキスも出来ないからな。じゃあ、出発するぞ」 反省してると言いながら、舌の根も乾かない内に無意識に行動してた。 ヤバイッとまた拗ねられる前に、ミキから離れ車を走らせた。 「伊織さんったら」 隣で頬を染め照れて縫いぐるみに話し掛ける姿が、また可愛い~。 何をしても可愛い~から困る。 「ここから3~4時間のドライブだ。途中、サ-ビスエリアで朝食兼昼食を食べて見て回るか?でかそうなサ-ビスエリアを2~3寄ろう」 「本当ですか?あ~楽しみ♪」 ご機嫌は治った様だ。 サ-ビスエリア寄るだけで機嫌が治るのも単純って言うか素直って言うか。 可愛らしい所だ。 天気も晴天で暑い位だが海に行けば、それも感じないだろう。 ミキも「海でのシュノ-ケリング楽しみ♪」「石垣島とお魚はやはり違うのかな?」気持ちは海にいってる様だ。 楽しそうに話すミキを見たり聞いてるだけで、こっちまで気持ちが浮き足だってくる。 高速を飛ばし1つ目のサ-ビスエリアに止まった。 「トイレ休憩と食事しよう」 「はい」 2人で車を降りトイレを目指し並んで歩き、ミキの耳元で囁く。 「体、大丈夫か?」 少し速度は遅いが、1人で支え無しで歩ける位には回復したようだ。 「だいぶ、楽になりました」 「そうか、良かった」 「んもう、恥ずかしいから言わないで下さい。ほら、行きますよ」 照れ隠しに俺の腕を引っ張り、少しだけ歩くスピードを上げトイレに向かう。 トイレから出て、ミキが1度来たいと言っていた海老名SAの館内を見て回る。 噂には聞いていたが、人も多く店の数も多いし広い。 「凄いな」 「噂には聞いてましたけど、1つ1つ見て回ったら時間が足りませんね」 「それは止めてくれ。取り敢えずフ-ドコ-トに行って何か食べてからにしよう」 「はい。食べながらスマホで一押し商品とか検索してみます」 そうと決まればフ-ドコ-トに向かうが、ここも人が多い。 「目移りしますね。夕飯はたぶん新鮮な魚介類だろうから……ラ-麺とか焼そばにしようかな?」 「そうだな。じゃあ、2つ頼んで交換して食べるか?」 「賛成!」 嬉しそうだ。 ミキが席を取って待ってる間に俺が並び、ラ-麺と焼そばを取りに行き、2人で食べながらスマホ検索した。 ラ-麺を啜りながら 「伊織さん、やっぱメロンパンは絶対買うべき!後は、チ-ズ入りカリ-パンも美味しそう♪」 「今は、ラ-麺と焼そばだけだから、この先小腹減ったら食べても良いから両方買えば良い。ほら、交換な」 ラ-麺と焼そばを交換し、今度は焼そばにパクつき 「ねぇ.ねぇ伊織さん。このたこ焼き風のえびえび焼きも美味しそう♪ あっ、黒豚まんだって~美味しそう♪ 海老まんもあるぅ~♪」 「おい、そんなには食えないだろ?」 また、ラ-麺と焼そばを交換し、少し考えて閃いたとばかりに目をキラキラし俺に話す。 「じゃあ、メロンパン.カリ-パン.えびえび焼き.黒豚まんを1つずつ買って、2人で分けて食べましょう。そうしたら全部の味を楽しめるし~♪」 成る程な、考えたな。 「それなら良い。ここを食べたら、館内を少しフラフラしてミキの言った物を買って車に戻ろう」 「は~い♪ 楽しみ~♪」 ミキと半々で食べたラ-麺と焼そばでは、まだ満腹にはならないし丁度良いかも知れないと、ミキの嬉しそうな顔を見て思っていた。 それから館内をざっくりと見て回り、ミキが言っていたメロンパン.カリ-パン.えびえび焼き.黒豚肉まんを並びながらも次々と買った。 えびえび焼きは、その場で2人で食べた。 見た目はたこ焼き風だが、中身がタコじゃなくぷりぷりの小エビとマヨネーズが入っている。 「ん~美味しい~♪ エビがぷりっぷりでマヨネーズと合う~♪」 「確かにな。たこ焼きともまた違うな」 でも、俺はたこ焼きの方が好きだと思った。 「ミキ、俺は3個で充分だ。余り大きく無いし5個位食べれるだろ?」 「わぁ~い♪ 食べれちゃう♪」 美味しそうに食べてるその顔見てるだけで、俺は満足だ。 「食べ終わったか?じゃあ、買うもん買ったし車に戻るか?」 「は~い♪」 食い物に釣られ朝の事はすっかり忘れたらしい、ご機嫌だ。 車に戻る途中で、ソフトクリ-ムを見つけ目を輝かせていた。 「買いたいのか?」 「うん♪」 「腹は大丈夫か?」 「甘い物は別腹です♪」 「なら、俺はいいから1つだけ買って来いよ。ここで待ってる」 5人程並んでる1番後ろに並びニコニコしてる。 可愛い~なと頬を緩め、少し離れた場所で待つ事にした ‘甘いものは別腹’って、女子かよ~。 くっくっくっ…… ったく、可愛い過ぎだろ。

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