511 / 858
第512話
車まで、買って来たソフトクリ-ムをぺろぺろ舐めながら、隣を歩くミキの舌の動きにドキッとさせられる。
本人は普通に舐めてるんだろうが、俺的にはそんな事でもエロく感じる。
俺は買って来た荷物を後部座席に置き、運転席に向き直るとミキがアタフタしていた。
「い、伊織さ~ん。助けて~」
ソフトクリ-ムが暑さで溶け始め、舐めても追いつかないようだ。
持ってる指まで垂れてきていた。
ミキの手を掴み、俺もアイスクリ-ムを舐め始めた。
「甘いと思ったがそうでも無いな。ミルクは濃厚だが、さっぱりとした甘さで程良い」
ミキの指にも垂れたアイスをぺろぺろ舐めていたが、俺の舐めるのをただ黙って見ていたミキの視線を感じて、わざとねっとりと意味深に舐めてみた。
「い、伊織さん! エロ過ぎ~」
恥ずかしがって、サッと手を引き自分で残りをぺろぺろ舐めコ-ンも齧り全て食べてしまった。
「う~ん、美味しかった~♪」
「そうか、良かったな」
垂れた指を舐めようとしてるミキのアイスを持っていた手を取り、人差し指と中指の2本を纏めて、俺が口にし咥内で舌を絡めて舐めた。
「伊織さん!」
指を口から離し、直ぐにミキを引き寄せ軽く唇を合わせ舐める。
チュッ、ぺろっ。
直ぐに、ミキは離れ辺りをキョロキョロ見回す。
焦って可愛い~な。
「大丈夫だ。誰も見てない。ま、見てたとしても2度と会う事も無い」
「そ、そうですけど…見られてたら恥ずかしいです」
「余りにも可愛いかったからな」
頭をポンポンし「さて、出発するか」車を走らせた。
まだまだ目的地まで時間がある。
「海老名SAはデカイし人も居たなぁ~」
「やっぱりテレビにも取り上げられてたり、名物も沢山有りますからね。俺も1度はメロンパン食べてみたかったから~。今日、願いが叶いました」
「小さな願い事だなぁ~。早く言えば連れて来たのに」
「わざわざメロンパンの為に?そう言うんじゃ無く、こんな風に旅行で立ち寄って買うのが良い~んですよ~」
「そんなもんかねぇ~」
「そう言うのが楽しいんです。伊織さんって、全然解って無いんだから。ねぇ、ドナちゃん」
「何だ?ドナちゃんって」
「ドナルドだからドナちゃんで、デイジィだからデイちゃんです」
安直だが、名前を付けたのか?
こう言うセンスはイマイチ?
ま、可愛い~から許すとするか。
くっくっくっ……
「良かったな、名前を付けて貰って。あと、次のサ-ビスエリアはどこか良い所あるか?」
「調べて見ます。先の方が良いですよね?」
「そうだな。ある程度走らせないと混み出しても困るからな」
「解りました」
スマホを片手に検索し始めた。
「ん~……あっ、ここ良いかも~♪ 足柄SAで、ここから1時間弱ですけど。足湯がありますよ。運転で疲れてるし良く無いですか?」
「へえ~、最近のサ-ビスエリアは本当に色々あるんだなぁ~。昔からじゃあ考えられないな。時間も丁度良いし、そこで休憩がてら行くか」
「はい。えっと、ラウンジの方は飲み物と足湯だけ利用すると10分100円掛かりますよ。カフェなら、軽食などして時間関係無く足湯出来るみたいですけど…」
「俺はどっちでも良いが、気になる事あるのか?その位の金なら大した事無い」
金の心配か?100円や200円どうって事無いと思うが……そこまで倹約家だったか?もしそうなら倹約家を通り越しケチ臭いと思うが……そうだったか?
「お金の事じゃないですよ。カフェはゆっくり出来るけど、自分達の足元1種類だけじゃ無いですか?ラウンジは10分100円だけど、何種類も色々入れられるからどっちが良いかなって」
「まあ、ゆっくり出来るのは良いが、軽い食事したら金額も一緒位だろ?それに折角だし、色々試すのも楽しいんじゃ無いか?」
ゆっくり足湯をするのは、俺の為だろうな。
運転してる俺に気を使ってるんだろうけど、色々な種類を楽しみたいと顔に書いてある。
「そうですよね♪ じゃあ、ラウンジに行きましょう。俺、このドクタ-フィッシュを1度やって見たかったんですよね~♪ 他にも柚子.生姜や乳白色のコラ-ゲン入、グレ-プフル-ツとかユ-カリのアロマとか何種類か日替りであるみたいです。楽しみ♪」
「決まりだな」
ニコニコ楽しそうに話す、こんな風に、次の予定を決めるのも旅行の醍醐味だな。
前に、ミキがサ-ビスエリア巡りも楽しそうだから行って見たかったと言われ、それから遠出する度にSAを見て回るようになったが、俺も楽しさが解ってきたな。
俺もだいぶミキに感化されてきたか。
ま、それも良い。
ともだちにシェアしよう!