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第521話
トルゥルル.トルゥルル…♪♪♪♪
「はい。解りました、お願いします」
内線電話を切り、あのまま寝てしまったんだ。
隣でまだスヤスヤ…眠ってるミキの寝顔を眺め、昔の俺の行いに嫉妬するミキが可愛くなり、なし崩しに抱いた。
少しは、自分の感情を出す様になったがまだ溜め込む癖は抜けないが、俺が問い掛けると隠さず素直に自分の感情を話す様になったし…少し進歩はしてる。
そんなミキも含めて愛しいと思い髪を撫でていた。
「ん…んん」
「起きたか?今から夕飯が運ばれて来る。俺が対応するから、ゆっくりシャワー浴びて来い」
「えっ、もう、そんな時間?」
「ああ、7時になる」
ベットを抜けパンツを履き浴衣を着る。
「寝ちゃったんだ」
「疲れる様な事をしたからな」
くっくっくっ……
「………ばかっ」
恥ずかしいくなったらしく布団に潜った。
「夕飯の支度済んだら、呼ぶからな」
「……はい」
居間に行きテレビを見てると程なくして、仲居さんが現れ手際よく並べていく。
テ-ブルには豪華な料理が並べられ「お済みになりましたら、内線下さい。ごゆっくり」部屋から出て行ったのを確認して、寝室に居るミキに声を掛けた。
「シャワー浴びたか?食事の準備は出来てる。食べるか?」
「はい」
テ-ブルに並ぶ豪華な料理に驚く。
「うわぁ~、また、凄い豪華ですね」
「初島も料理は旨かったがここも旨そうだ。早速、頂くか」
「はい、いただきます」
「いただきます」
食前酒に口をつけ刺身から口にした。
「う~美味しい~。ここ3日程、海鮮三昧で贅沢です。やばい、太りそう」
「確かに、料理は旨いからな。その分、シュノ-ケリグしたり散歩したり体動かしてるから大丈夫だって。それに、ミキは少し太った方が良い」
「ん~体質なのかな。太ったかなって思っても、直ぐに戻るんですよね」
「ま、夜に定期的に激しい運動してるからな。太る暇も無いかもな」
くっくっくっ……
「……この伊勢海老のチ-ズ焼き…美味しい」
聞こえないふりか?
だが、頬が薄っすら赤い。
乗ってやるか。
「ん、これか?うまっ、マジ旨い」
「でしょ.でしょ。伊織さん、このサイコロステ-キも美味しいよ♪ お肉も久し振り~♪」
「そうだな。海鮮ばっかだったからな。ん、旨い.旨い。肉食ったら、あの店の焼き鳥食いたくなってきた~」
「帰ったら行って見る?でも、お盆休みとかかも?」
「別に思っただけだ。近いから、いつでも行ける」
「この金目鯛の煮付け、最高♪ 味染みてるぅ♪」
「本当だ、うまっ♪ 」
どれも旨い料理だった。
何より、ミキが旨そうに食べる姿に、俺も食欲が進み話も弾む。
「そうだ、明日のチェックアウトは12時だ。その後、どこか行きたい所あるか?熱海で、どこか観光しよう遅くに出た方が道も空いてるだろうから」
「ん~熱海だと……温泉と海しか……夕飯食べたら、どこか観光できそうな所調べてみます」
「ん、2~3ヶ所行けるか?場所によるな」
「楽しみが増えました♪」
ふんわりと笑顔を見せ幸せそうな顔を見せる。
あ~、何て幸せな時なんだ。
この笑顔を見れるだけで俺は何でも頑張れる。
夕飯をゆっくり食べ片付けて貰い、ワインを飲みながら明日の予定を決めた。
「伊織さん、ここどうですか?」
「ん、どこ?」
テ-ブルを挟んで向かい合わせから俺が移動し、ミキの背後に陣取った。
いつもの体勢でやっぱり落ち着く。
背後から肩に顎を乗せスマホを覗き見た。
「アタミロ-プウェイ行って熱海城に行くのは?」
「いいな。後は?」
「ん~、ここは?」
「NOA美術館?良いな。ミキが好きそうだな」
「他には神社とか…あ~、1月~3月なら熱海梅園で早梅が満開で見られるらしいですよ。残念~」
「また、いつでも来れるさ」
ふふふ…
「そうですね。また来ましょ~ね」
「ま、そんな所か。後は、ドライブがてら見て回れば良い。帰りは、サ-ビスエリア閉まってるかも知れんが」
「良いですよ。来る時に楽しみました」
「良い子だ」
頭をポンポンし褒めてやると嬉しそうな顔をする。
本当に素直で可愛い~。
「予定も決まったしワイン飲んだら、露天風呂行こう。仕切り直しだ」
「ゆっくり浸かって無かったかも…」
「夜の露天風呂も良い」
「ですね♪」
あのちょっとした痴話喧嘩も良い思い出になる。
まだ熱海の夜はこれからだ。
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