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第535話

「ここら辺で良いか?」 「はい」 レジャ-シ-トを敷いて、買って来た飲み物と食べ物を置き座った。 「穴場と書き込みあったが、やはり、人はそこそこ居るな。花火始まる前には、もっと人が来るかもな」 「でも、場所取れて座って見れるだけで、充分ですよ」 「そうだな。真正面じゃないのは、残念だが…あの人混みで見るよりマシだな」 「はい」 「後、30分程で始まるぞ。その間に、食べたり飲んだりして待ってるか」 「はい」 ミキはビールで俺はお茶のペットボトルで乾杯した。 「伊織さん、ごめんね。俺だけ飲んじゃって」 「気にするな。さっきも言っただろ?帰ったら飲むからって」 「はい、お付き合いします」 「どれから食べる?」 「たこ焼き~♪ はい、伊織さん、あ~ん♪」 2度目のあ~んだ。 俺も慣れたもんだな、直ぐに口を開けて待つようになった。 「あふっあふ…うん、旨い。熱いうちに食べた方が旨いぞ」 「ん…ふうふう…あぐっあふあふ…美味しい~♪」 それからも俺の口に運び自分でも食べ、たこ焼きはお互いの口の中に消えていった。 「あ~、美味しかった~♪ ビールも進むぅ♪」 「まだ、もう1本あるからな」 「は~い♪ 」 フランクフルトを手に取り、口を開け頬張るミキの顔をジッと見てしまった。 ヤバッ、エロい! 本人は気にせずに食べてるが……俺にはフェラを連想させる。 たまに、唇に付いたケチャップを舐め取る姿もエロく俺のモノが反応しないように気を散らす。 「伊織さん、フランク食べないの?美味しい~よ♪」 そう話す口の端にケチャップが付いていた。 「ほら、口の端にケチャップ付いてるぞ。子供みたいだな」 指で拭き取ってやり口にするのを、ミキはボ-然として見ていたが、ハッとして頬を染め小声で話す。 「……伊織さん……エロい」 おい.おい、ミキのフランクフルト食べる姿の方が、よっぽどエロいっつ-の。 「そうか?」 そう言ってニヤニヤしながら、もう1本のフランクフルトをわざとエロく食べる。 俺の口元をジッと見て「い、伊織さん!」慌てる様子が可愛い~♪ 「ん、何だ?」 「……その食べ方…厭らしいです。エロ過ぎ~」 「はっ?普通に食べてるが?何、想像してんだか?ミキの方が厭らしい~」 「な.何も…想像してません!」 必死に言い訳するのが可愛く、ついつい虐めてしまいたくなる。 そんなミキの耳元で囁く。 「ん、俺のは、こんな細くも無いし長さも足りないなぁ~」 頬を染め俯くミキの耳にチュッとキスし、唇を離した 耳に手を当て慌ててる。 可愛い~♪ そんなイチャイチャも、ミキの女装のお陰で大っぴらに出来る。 あ~、楽しい~♪ ビールをゴクゴクゴク…飲んで、誤魔化すのも可愛いかった。 その内に、人も集まり出し開催のアナウンスが始まった。 「おっ、始まるみたいだ」 ヒュー一一ドンッバン.バリバリバリ-…🎇 「あ~上がった~♪ うわぁ~綺麗~♪」 バン.バン.バン🎇 ヒュー.ヒュードンッバン.バン.バリバリ…🎆🎇 次から次に上がる花火に暫く魅入っていた。 「凄~い綺麗~♪」 俺の肩に頭を乗せ凭れるミキの肩を抱く。 あ~、いいな。 甘えモ-ドになったか? ヒュー一ヒュー一ドンッバンバンバン🎇🎆🎆 ドンッドンッ…バン.バン.バン🎇🎆🎇 時々、ビールを口に運び、花火を見上げ顔を近づけ話す。 前回の花火大会には、お互いの手を暗闇で握るのが精一杯だったが、今日は気にしないで俺に凭れ掛かり、どんなに顔を近づけて話しても、周りの奴らからはカップルでイチャイチャしてるとしか見えないだろう。 やはり女装して貰って正解だったな。 牛串焼きを2人で交互に食べ、ビールも進み2本目に手を付けた。 「ん~、美味しい料理とビール。上を見ると花火で最高!」 「大丈夫か?」 「ビール2本では酔いませんよ?でも、ちょっと気分は良い~かも~♪」 いいぞ.いいぞ! 心の中では喜んでいた。 「そうか。花火に照らされて海や、中の大橋も綺麗だな」 「ほんとだ~♪ 綺麗.綺麗~♪」 ドン.ドン.ドンッ🎇🎆🎇ヒュー一バン.バン🎇🎆 バリ.バリ.バリ🎆🎆🎇 1万発も上がる花火は夜空を彩る。 「ほら、そろそろクライマックスだ。しっかり見ろよ今年の花火はこれで見納めだからな」 「は~い♪」 肩を寄せ合い顔を近づけ空を見上げた。 フィナーレの花火は、また最高だった。 特大級のスターマインと尺玉花火が夜空を飾り競演する。 スターマインと共に上がるナイアガラの美しさも見応えがあった。 上.下と次々に色とりどりの花火に目まぐるしい。 ヒュー一一ヒュー一ドンッドンッドン🎆🎇🎆 バン.バン.バン🎇🎆🎆 ヒュードン.バン.バン🎇🎆🎆🎇 ガラガラガラガラ…バリバリバリ…🎆🎆🎆🎇🎆 「凄ぇ~な♪」 「うん♪ 綺麗~。うわぁ~、めちゃめちゃ明る~い♪」 肩に手を掛け引き寄せ、一緒に夜空を見上げた。 🎆🎆🎆🎇🎆🎇🎆🎇バン.バ.バンッ…… ドン.ドン.ドン🎆🎇バンッ🎇🎆🎆🎆…… 綺麗な花火の競演に、また1つ思い出が出来た。

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