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第536話
「運転、お疲れ様でした」
俺の前に、缶ビールとツマミのチ-ズ.ナッツが置かれた。
「ミキも飲めよ」
「はい」
冷蔵庫から、もう1本缶ビールを持ってきて隣に座る。
ほろ酔い加減だったミキも帰りの車でウトウトし少し寝た所為か、少し酔いも覚めたようだ。
帰宅して着替えもせず、これからが俺達の夜だと思い直ぐに「一緒に飲もう」と誘った。
「「乾杯~」」
浴衣姿の横座りでビールをコクッコクッ…飲む姿が色っぽく、乱れた裾から白い足が見え隠れする。
焦るな。
暫くミキの浴衣姿なんて見る事が出来なくなってしまう、目に焼き付けおこう。
それにしても色っぽい。
「伊織さん、花火綺麗でしたね」
「そうだな。最後のフィナーレなんか、いつ終わるのか?と思った」
「怒涛の如くこれでもかって位に、打ち上げてましたもんね~」
「だな。今年は2回も花火を見れたし、何と言っても、今日はミキの浴衣姿を拝めた。俺の願い叶えてくれてありがとうな」
頭にポンポンと手をやり労う。
ふふふ…
「最初は抵抗あったけど…。現地行ったら皆んな浴衣で誰も俺の事なんて見てないから…平気になりました暗いのも良かったかも」
やっぱり天然ちゃんは、解ってなかったのか~。
足を止めて見る者や振り返って見てる者が居た事に。
ま、俺がこれ見よがしに牽制しまくったからな。
「じゃあ、また女装でもしてどこか行くか?イチャイチャできるしな。そうなら、ネットで女物の服を購入しないとな」
たぶん、嫌がるだろうと解ってるがニタニタ笑って話す。
「嫌ですよぉ~。今日は特別です」
「そうか、残念だ」
「えっと~……聞き難いんだけど…」
何だ?顔を晒したぞ。
言い難い事か?
「何だ?何でも聞け」
グビッグビッ…と飲んで、意を決してた顔で話す。
「あの…伊織さんって、女の人に興味無いじゃないですかぁ。でも…男の人好きだけど……女装子の方が好き何ですか?」
「はあ?何で、女装子?」
「あの…その…今日とか、俺が女装してる方が嬉しそう…だから?」
「はあ?何で、疑問形何だか解んねぇ~けど。俺は女はダメだし、ゲイなのは知ってるよな?」
「……はい」
「女になりたいゲイってのは無理だ。だから女装子ってのは無理だな。自然のありのままの方が良い。だが女装もミキなら別だ。……初めてクリスマスの時に女装したミキを見た時に、女がダメな俺でさえ……ミキなら、男でも女でも必ず恋に落ちたとその時に思ったどんなミキでもミキだから好きだし愛してるのは変わらない。1番好きなのは、ありのままの姿のミキだが……たまに外で、誰の目も気にせずにイチャイチャしたいと思う時がある。特にイベントの時とかな」
解ってくれただろうか?
女がダメな俺が中途半端な女装子は無理だ。
「ごめんなさい。疑ったわけじゃ無く…。今まで男の人だけだと思ってたから…女の人がダメでも女装子さんなら許容範囲なら……心配だなって」
正直な気持ちと変な事を聞いたと反省して、俯いているミキの頭をポンポンして顔を上げさせる。
「俺の我儘で、ミキを不安にさせたな。悪かった。俺はもうミキ以外は目に入らないから安心して良い。骨の髄までミキに惚れてる」
グビッグビッ…と照れて飲んだ。
「……俺もです。伊織さんの我儘なら……俺もイチャイチャするの好きだし……」
「まあ、無理はするな」
「無理じゃない! 俺に出来る事なら」
「ありがと~な。また、我儘言ったらその時に頼むな。今は、ミキのその気持ちだけで充分だし、今日もありがと~な」
俺の正直な気持ちも話して、ミキも素直に受け入れた
たまに、ミキの女装姿を見たいのも本当だ。
それもミキだからだ。
ま、これで言い易くなったな。
「変な事言っちゃって~ごめんね。伊織さん、飲み足りないんじゃ無い?もう1本持って来るね」
少しフラフラの足で、俺の為にビールを取りにキッチンに向かった後ろ姿を見ていた。
あ~キスしてぇ~。
ミキの咥内を思う存分舐め回してぇ~。
今の雰囲気から、そっちにどうやって持っていくか?
せっかくの浴衣だし……。
胸元をガバッと開けて胸にむしゃぶりつくか?それとも裾を捲り上げてヤルのも良い~なぁ。
ヤベェ~、ムラムラしてきた~。
妄想してたら勃ってきた~。
今は、まだマズイな。
ミキが戻るまでの、ほんの数分で妄想が頭を駆け巡った。
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