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第545話

「祐一かっ」 「はん! 祐一かっじゃねぇ~よ! 」 龍臣はやはり大物だな。 小さな事では感情を剥き出しにしないが、こいつは……小物だな。 普段は冷静沈着な寡黙な男風に見せてるが、中身はこんなもんだ。 「そうムキになるなって。今、龍臣と電話して切った所だ。話しは聞いた、済まん。旅行でテンション上がって何気無く言った言葉だったんだ。済まん」 龍臣に言った事と同じ事を話し謝る。 「そうだ。帰りはミキも一緒に送って貰ったらしいな悪かったな。助かったよ」 話しを逸らそうと話題を振ったが…… 「別に、マコを迎えに行く次いでに送っただけだ。ミキを送った後に、いきなりマコが ‘祐さんも学生時代に青姦してたんですか?’ とか ‘男子校だから……性欲旺盛な時期だから…そう言う相手居たんですか?’ だと。急に、そんな事言われて危なく事故起こす所だったぞ!」 「危ねぇ~な~」 「はあ?危ねぇ~って、どの口で言ってんだ?話し聞いたらミキが言ってたって聞かされて、それから優希さんに学生時代の事を聞いたって、内容を話してくれたが…。ま、優希さんは上手く言ってくれたみたいだが…。誤魔化すの大変だったんだぞ。誰かさんの所為で!」 「だから、悪かったって言ってるだろ。第一、お前も実際ヤッテたじゃねぇ~か」 「はっ! 龍臣とお前と一緒にすんじゃねぇ~。俺は外ではしない! そんなリスクの高い事するかっ!」 そう言えば、こいつは見境無くはシテなかったなぁ~。 セックスフレンドが5~6人常時入れ替わり居たなぁ~。 確か、全員寮生だったはず。 「ああ、思い出した。確か、お前のセックスフレンドは全員寮生だったなぁ~。そうだ、寮に忍み込んで……後は、体育倉庫だったか?」 「変な事思い出すんじゃねぇ~! ったく、余計な事言うなよなぁ~。ミキは天然なんだからな」 「解ってる。それで、真琴君には何て誤魔化したんだ?」 「ああ、俺はそんな事してないって言って、良く3人で連んでたから誤解されてたが、放っておいたって言った。信じたかどうかは解らねぇ~が、それで言い切る!」 真琴君もバカじゃねぇ~んだから、薄々は解るだろうに、それでも言い切るこいつはある意味凄い。 「ふ~ん。で、真琴君は今何してんだ?」 何と無く展開が想像つくがわざと聞いた。 「ああ、疲れて寝てる」 真琴君に誤魔化し宥めて、そのまま済し崩しにヤッたんだろう。 だから、電話も遅かったのか? 祐一からは見えないとニヤニヤしながら 「そうか」 「ったく、余計な事言うなよ。マコには余計な心配掛けたく無いからな」 「解った、悪かった」 「ま、拗ねて焼きもち妬くマコも可愛いかったがな」 「何だ~、最後は惚気かよ~」 「そんなんじゃねぇ~。今後もこんな事あったら困るからな、お前にクレ-ム付ける為に電話したんだ」 「はい.はい。俺が悪かった」 「解れば良い。じゃあな」 散々文句言ってた割には上手く利用して、しっかりヤル事ヤッテんだからなぁ~。 こいつはそう言う所があるんだよなぁ~。 自分に部が悪いと逆手に取り上手く利用して、結局最後は美味しいとこ持ってくんだよなぁ。 時計を見ると12時近い。 ヤベッ! 沙織やら龍臣や祐一の電話で行くの遅くなった。 どうするかなぁ~。 でも、あの様子だと寝落ちしてソファで寝てるかもしれないし…ス-ツもそのままかも…。 やっぱ、当初の予定通り行こう!と決めた。 何より電話口で ‘会いたい’ って聞かされて、行かない訳には行かない。 ス-ツに着替え.鞄と車の鍵を持ち部屋を出た。 運転しながら、龍臣も祐一も嫌味言われたり焼きもち妬かれたりしてたみたいだが……結局あいつらも愛されてんじゃねぇ~か。 そう思うと良かった.良かったと、自分が蒔いた種だったが悪い気がしなかった。 愛を確かめ合えたなら何よりだ。 俺の愛しのミキちゃんはどうなってるやら? マンションの鍵は閉めたんだろうな? あ~心配になってきた~。 そんな事を考えてるともう近くまで来ていた。 ミキのマンション近くのパ-キングに車を止め、足早にミキのマンションに向かった。 部屋の前でドアを回すと鍵は掛かっていた。 「あ~良かった」 鍵が掛かってた事にホッとし合鍵で部屋に入り、小さな声で「ミキ?」呼ぶが返事は無い。 ソファの所に脱ぎ捨てたス-ツがあった。 「寝室か?」 寝室を開け見ると、ベットがこんもりとなって人が寝て居るのが解った。 「良し、ちゃんとベットで寝てるな」 ベットで寝てるのを確認し、俺は着てきたス-ツとYシャツを脱ぎ、ミキのス-ツと2着並べてハンガ-に掛けた パンツ一丁になった俺は寝室に行き、ベットにそぉっと入り横になる。 「ん…誰?」 ベットの沈む気配と人の気配に目を開けずに聞く。 「伊織だ」 「……伊織さん?……夢?…」 俺の方に体を寄せ、胸に顔を埋め抱き着いてきた。 可愛い~♪ 寝ぼけてるんだろうな。 可愛い~けど、酔って誰にでもこんな事するんじゃあ困るなっと、可愛い~ミキの寝顔を見てそう思った。 「……いお…さんの…におい……だいすき」 ス-ス-…ス-ス-寝息を立て寝てしまった。 可愛い過ぎ~だ~。 この天然小悪魔が~。 嬉し過ぎて、ミキをギュっと抱きしめ俺も眠りに就いた。 何やかんやとあったが、ミキとこうして居られるのが幸せだ~♪ 次の日の朝に、隣に俺が寝ていた事に驚いた顔をして居たが、俺が昨日の電話でのやり取りで ‘会いたい’って言われて来た事を話すと、自分が言った事を覚えていなかったようだが、ふわりと笑い「疲れてるのに~ごめんね。でも、嬉しい~♪ 伊織さん、大好き♪」と言って、朝から抱き着かれ余りの可愛さに朝から盛りそうになる自分を必死に抑えた。 朝から可愛い~ミキの姿が見れて来た甲斐があった。

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