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第546話
例のヘルシー食のプレゼンの資料を纏め上げ、佐藤が苦労して映像を加工.工夫したものと一緒にアメリカ支社にパソコン送信をして5日程経った。
G&Kの担当には俺から根回したから、話しはある程度進むはずだが…。
そろそろ何か?支社から言ってきても良い頃なんだが…と考えていた。
「成宮課長、ちょっと良いかな?」
部長に打ち合わせブ-スに呼ばれた。
「はい」
打ち合わせブ-スには、部長が険しい顔をして待っていた。
「何か、ありましたか?」
「いや、アメリカ支社から連絡があってな。例のヘルシー食の件だが……担当者に説明したが、相手側が上手く上司やCEOに詳細な説明が出来ないようだ。アメリカ支社の人間が直接プレゼンする日程も決めてあるが、やはり詳細までは不安があるようだ。それで成宮課長も忙しい所悪いが、アメリカに行ってプレゼンの方頼めないか?と、G&KのCEOからもナリミヤのプロジェクトならナリミヤから聞きたいと要請もあったようだが……どうかね?」
突然の話に、少し考えを巡らせた。
完璧な資料だし佐藤の映像も解り易く説明があったが……俺が行く事でプレゼンが成功するならと決めた
「忙しいのは、重々承知の上で話してる」
「解りました。プレゼンの日程は決まってるんですよね」
「ああ、9月3日だ。余り日にちが無く申し訳無いが……」
「大丈夫です。それと1つ提案があります」
「ん、何だ?」
「香坂を連れて行きます。私がプレゼンしてる最中に近くの店舗をお借りして、実際作った物を見せた方が口で説明するより早いと思いまして、香坂はアドバイザーの池谷さんのアシスタントをしてましたし。ある程度、レシピを見れば現地の料理人も作れると思いますが、やはりこちらサイドの細かな部分や最終確認を香坂にさせたいので」
部長も少し考えて口を開いた。
「解った。実際に見て.食べた方が解って貰えるだろうからな。たが、1課は2人も抜けて大丈夫かね?」
「数日ですし、1課上げてやってきたプロジェクトですから。今は、このプロジェクトの成功が最優先だと解ってます」
「そうか、1課のフォローは頼む。そういう事で2人の飛行機.ホテルの手配は総務に頼んでくれ。支社には、その旨で連絡しておくが成宮課長からも頼む」
「はい、解りました」
部長が打合せブ-スを出て行き、残った俺は今後の予定を立てた。
1週間後にはプレゼンか~。
結構、時間無いな。
資料等は纏めて送ってるし特にやる事は無いが、支社にプレゼンの時に実際のヘルシー食を見て貰う話しはしないとな。
後は、当日の材料調達を頼むのと近場の店舗借りる事か~、これはG&Kに連絡するか。
良し、やるか。
思い掛けずに、香坂との海外出張になった。
あの短時間で、良く頭が回ったと自分の回転の速さを褒める。
プレゼンは絶対に成功させる!
香坂との初海外出張も楽しむ!
何だか、仕事だが楽しくなってきた!
そのまま課に戻り3人を俺の席まで呼んだ。
「悪い、ちょっと集まってくれ」
「「はい」」
電話中の田口以外は直ぐに俺の席に集まり、田口も電話を終わらせ皆んな揃った。
「今、部長からG&Kのプレゼンに行って欲しいと頼まれた。どうも詳細な所が上手く伝わらないらしい。それでだ、実際ヘルシー食を味見を兼ねて目でも楽しんで貰おうと思った、その方がこっちのコンセプトも解って貰うには早いからな。で、香坂に俺がプレゼンしてる間に近くの店舗を借り指揮を取って貰いたい」
「えっ、私がですか?」
「ああ。部長にも言ったが、香坂が池谷さんのアシスタントしてたから1番解ってるだろうし、レシピは送ってるんだ、現地の料理人が作るが最終確認だけしてくれれば良い。難しく考えるな」
「頑張れ」
「香坂が1番適任だ」
2人に励まされ、自信無さげに返事をする。
「……はい。……自信無いですけど、頑張ります」
「最後の飾り付けやら味見を確認すれば良い」
「…はい」
「それで悪いが、2人抜ける事になる。田口と佐藤には迷惑掛けるが留守を宜しく頼む」
「はい、任して下さい!」
「日本で、プロジェクトが成功する様に祈ってますよ」
「9月3日がプレゼンだ。準備もあるし支社との打合せもあるから9月1日に出発し5日には向こう出るが帰ってくるのは土曜日だ。月曜日から出社するが丸々1週間空けるが宜しく頼む」
「大丈夫です、何か有りましたら連絡します」
「香坂、アメリカまで行くんだから観光して来れば良いのに~」
「会社のお金で行くんですよ?」
「香坂は堅いなぁ~」
「香坂はお前とは違うの! ったく、直ぐに観光だ何だって遊び事に結び付けて、困った奴だ」
「田口さん……彼女と上手くいって無いからって、八つ当たりは止めてくださいよ~。何なら、合コン企画しますよ?」
「はっ! 余計なお世話だ!」
田口がまだ彼女と喧嘩中だとは思わなかった。
あれから2週間程経ってるぞ、大丈夫か?
ま、プライベートな事は散策しない。
「ほら、雑談になってるぞ! そう言う事で宜しく頼む。仕事に戻ってくれ」
「「「はい」」」
俺はアメリカ出張を密かに楽しみにしてたが、ミキは責任が重いと不安顔を見せていた。
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