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第555話
「うわぁ~、ここが本場のUSJなんだ~♪ 凄~い広~い♪」
「楽しい~よ♪」
「波瑠は来た事あるの?」
「随分前にアンディと1度ね。でも、だいぶ前だから」
「んじゃあ、また一緒に楽しもう♪」
「うん♪」
すっかり意気投合したらしい。
波瑠もミキの外見だけじゃなく性格の良さが解ったようだな。
……何だか、嫌な予感がする。
波瑠も何となく真琴君に通じるものがあるからな。
入口のUSJの地球モニュメントの前で4人で写メを撮り後はお互いカップルで写メを撮りあった。
「ミキ、どこ行く?」
「ん~……」
「ヨシキ、先にジェラシックパーク行こう」
俺からミキを引き剥がし、腕を組んで連れて行ってしまった。
ボ-然としてるとアンディが笑ってやがった。
@「波瑠に奪われちゃいましたね?」
くっくっくっ……
@「何、笑ってんだ! アンディこそ波瑠をミキに取られたんじゃね~か?」
@「貸してあげてるんですよ」
くそぉ~、年下の癖に大人振りやがって~。
@「そうかよ! 」
@「それより追い掛けましょう」
@「そうだな」
ミキと波瑠を追い掛けた。
ジェラシックパークのアトラクションで少し待ったが直ぐに船に乗り込み恐竜のワ-ルドの旅に行く。
様々な恐竜が出てT.レックスが出て来た時には、ミキも波瑠も大喜びだ。
25mの高さから急降下したり船が揺れたり、最後は滝壺へのダイブで多少は濡れたが、外国人はそれも気にせず楽しみの1つで、船の中ではワ-ワ-、キャッキャッ…と賑わってる。
もちろんミキと波瑠も楽しんでいた。
ま、濡れはしたが、直ぐにこの天気なら乾くだろう。
ジェラシックパークのアトラクションを終え、直ぐに次のアトラクションに向かう。
「ヨシキ、次は日本には無いアトラクションだよ~」
「何.何?楽しみ~♪」
「スタジオツアーだよ。バスに皆んなで乗って
映画のセットや舞台裏を見学できるツアーだよ」
「本当~♪」
「うん♪ その他にも迫力のキングコングに会えたり時速190km越えのカ-チェイスを体験できるよ」
波瑠の説明を聞いて
「キングコングは良いが、カ-チェイスはダメだ。危ない!」
@「波瑠もダメだよ。君に何かあったら大変だ」
「ん~仕方無いから、カ-チェイスは止めとこう」
「ヨシキがそう言うなら」
「波瑠、気を取り直してツアーに参加しよう」
「うん♪」
また、2人で先に行ってしまい俺とアンディはまた追い掛けて行く。
ずっと、こんな感じかよぉ~。
次は、トランスフォ-マ-の3Dアトラクションだ。
リアルにトランスフォ-マ-が再現され、フィクションと現実が曖昧になりそうなくらいだ。
映画が同様の大迫力の映像だが、急旋回と急発進が多用され酔いそうになった。
「凄かったね~♪」
「うん♪ 大迫力だった~」
元気な2人を恨めしく思い口を開いた。
「そろそろ休憩がてら、昼飯食べないか?」
とにかく休みたかった。
「そうだね。食べながら、午後に周るところ考えよう、ヨシキ♪」
「そうしよう。あと、お土産も見たい」
「ミキ、自分宛てに買うのは良いが、今回はプライベートでは無いからな。お土産は止めとけよ」
「あっ、そっか~、マコや沙織さんや優希さん達に買うつもりだったけど……。そうだね、仕事で来てるんだった」
「ま、今はプライベートだが、いつもお土産買ってばっかりでキリが無い」
「はい」
「何か~亭主関白なんだね?伊織って」
「違うよ~。伊織さんは悪い事は悪いってきちんと教えくれるし、良い事は凄く褒めてくれる人だよ。だから信用出来る」
「ヨシキって、本当に優しいね」
「そんな……もう、ご飯行こう」
「行こう、行こう。アンディ、何が食べたい?」
@「やっと声を掛けてくれたな。ヨシキばかり構って狡いぞ」
@「そんなつもり無いよ~。何、食べたいの?」
@「そうだなぁ~」
アンディと腕を組み歩いて行く。
良く言ってくれたアンディ。
「ミキ。何、食べたい?」
「ん~何が美味しいか解らないし、ここはアンディにお任せします」
「じゃあ、俺達も行くか?」
「はい」
やっと隣を歩くミキの手を取り繋ぐ。
驚いた顔をしたが、微笑み何も言わずそのまま繋いで歩く。
アメリカの土地だから、ミキも気にしないでいられるんだろう。
結局、アンディが決めた店はハンバ-ガ-店だった。
@「アメリカ来たならハンバ-ガ-食べなきゃ」
と言うが、ハンバ-ガ-ならどこでも一緒だろうと思ういや日本の方が俺的には旨い。
「本場のハンバ-ガ-食べられるなんて嬉しい♪」
と言ってたミキだが、テ-ブルに置かれたハンバ-ガ-セットを見て驚いていた。
「え~と、これ1人前なの?」
@「そ、アメリカじゃあ普通サイズだよ」
「大きいだろ?それにポテトの量とジュ-スの量もアメリカサイズだ。無理しないで残して良いぞ」
「ん~折角だから」
大きな口を開け齧り付ぎモグモグ食べ
「美味しい♪」
可愛く大口開けたところをカシャっと写メすると「変な所撮らないで」と叱られたが、気にせずに写メを撮りアンディや波瑠も撮った。
始めはパクパク…食べてたが、段々とスピードが落ちてきた。
アンディと波瑠も気にしてポテトを食べたり協力していたが、自分達のもあるので結局ミキはハンバ-ガ-は何とか食べたが、ポテトは残してしまった。
「勿体無いけど……無理!」
「無理すると、午後から動けなくなるからな」
「伊織さん、全部食べたの?アンディは?波瑠も」
「俺は全部食べた」
「僕もアンディにポテト一緒に食べて貰ったけど食べたよ~」
「凄い~」
「アメリカサイズは日本人にはキツイよね。ねえ、ちょっと休んだら次はどこ行く?」
「お腹一杯だから、緩めの所から行こう」
「そうだね。これなんかどう?」
また、波瑠とミキは午後からの計画を立て始めた。
すっかり仲良くなったな。
俺にとって2人共別々の意味でも大切な人だ。
笑って仲良く顔を近づけパンフレットを見て話す2人を見てそう思った。
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