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第556話

午後も、アトラクション三昧らしい。 最初のアトラクションは映画のハムナプトラをテ-マにした屋内型コ-スタ-で、先の見えない暗闇を進み迫り来るミイラ兵の攻撃や遺跡内に張り巡らせた数々のトラップから逃れ、疾走するコ-スタ-アトラクションだったが、厄介なのは前だけに進むのかと油断してると突如として後ろにも進んだりする。 俺とアンディはいつ後ろに進むかとハラハラしてたがミキと波瑠は始めの暗闇では不安そうにし手を握ったりしてたが、暗闇に慣れると2人でキャッキャッ…と楽しそうだ。 ハムナプトラのアトラクションを終え外に出て直ぐに次のアトラクションに行く2人に黙って着いて行く。 「怪盗グル-のミニオン」の3Dで、可愛いミニオンがスクリーンを所狭しと走り回り可愛さに癒される。 なんだか、ホッとするな。 隣では「可愛い~♪」「可愛い~♪」連呼し、2人で顔を見合わせ笑ってる。 この2人すっかり仲良くなったな。 俺が仲睦まじくしてる2人を見てると、アンディも笑みを浮かべて見ていた。 我儘で寂しがり屋で甘えん坊な波瑠だが、アンディなら任せられるな。 波瑠の姿を愛おしそうに見守ってるアンディの姿にそう思った。 やっと本当に俺も弟離れが出来るな。 何だか肩の荷が下りた様な寂しい様な複雑な気持ちだった。 そんな俺の心境の変化など関係無く、次から次へとアトラクションを楽しむ2人だった。 俺的にはウォタ-ワ-ルドとハリ-ポッターが良かった。 20分程のウォタ-ワ-ルドショ-はプロスタントマンがジェットスキ-に乗り走り周り.火柱.エア-マットなど見所が満載で観ていてもワクワクし面白かった。 ハリ-ポッタ-シリ-ズは全て映画をDVDで見ていた。 どんなハリ-ポッタ-ワ-ルドが再現されてるか楽しみでもあった。 実際に、アトラクションに行くと映画で見た魔術学校.生徒達が良く立寄るお店や、楽しいお菓子や魔術学校制服など、見所が満載で隅々まで良く再現されていた ハリ-達と一緒にホグワ-ツの大空を飛び回るのは興奮した。 待つのが嫌な俺だが、並んだ甲斐があった。 これには俺だけじゃなく4人共楽しんだ。 歩きながらモニュメントを見て写メを撮り笑い、映画ジョ-ズの大ザメが口を開けて吊るされてる下で写メを撮り「大きい~」「怖い~」とキャッキャッと騒ぐ2人だ。 全てのアトラクションを見るのは無理だったが、広い園内を歩き行きたいと思っていたアトラクションで楽しむ事は出来たようだ。 アンディが時間を見て波瑠に話す。 @「波瑠、そろそろ出ないと飛行機の時間もあるし、その前にイオリ達と夕飯食べたいだろ?」 @「もう、そんな時間?もう少し楽しみたかったけど……ヨシキ達と夕飯も食べたいから出よっか?」 残念そうな顔をしていたが納得したらしい波瑠たが、伊織達とじゃなくヨシキ達との言葉にすっかり仲良くなったなと思ったが、一抹の寂しさも感じた。 また、1人ミキの信者が増えたな。 @「空港近くのお店に行きましょう。それなら少しはゆっくり食事も出来るよ」 @「うん! そうする。ヨシキ、夕飯食べよう」 「はい」 話は纏まったらしく4人でUSJを後にし、アンディの提案で空港近くのステ-キ屋に向かった。 店ではビ-ルで乾杯し、俺とアンディは1人前のステ-キを注文したが、アメリカサイズのステ-キにミキと波瑠は2人で1人前を頼み半々にして食べていた。 「ステ-キ美味しい~ね。波瑠と半分こ出来て良かった~、全部は1人じゃ食べれなかったよ」 「僕もいつもは残しちゃうから、アンディが食べてくれるんだ。アメリカって何でも大きいんだよね~」 「だね。波瑠、USJ誘ってくれてありがとう。凄~く楽しかった~♪ 波瑠と一緒だったから尚更楽しかった~♪」 「僕もヨシキと一緒に遊べて楽しかった~♪」 食事しながらUSJの話で盛り上がり笑い合ってる2人は前からの友人みたいだ。 @「すっかり仲良くなったようですね。イオリ、寂しい~ですか?」 @「ミキを波瑠に取られてか?まあ、今日1日位は貸してやる」 @「違いますよ。波瑠が兄離れするのが」 @「いや、良い事だ。波瑠にとっても俺にとってもな俺にはミキ、波瑠にはアンディ。お互い大切な人が出来たんだ。それに兄離れしても兄は兄だしな。困った事があったら助けるのは当たり前だし、それは変わらない。ただ優先順位があるだけだ」 @「そうですか。少しは兄離れに寂しがると思ってたんですがね。今までの俺の寂しさが解ってもらえたかと……」 そうか、アンディは何かと直ぐに俺を頼りブラコンの波瑠に寂しさを感じてたのか。 こんな所で言われるとは思わなかったが……アンディの中では、ずっと感じてた事だったんだろうな。 何だか悪い事をした気持ちだ。 @「正直、寂しく無いと言えば嘘だが、今回波瑠達に会う事にしたのも、ミキの人間性も解って欲しかったのもあるが、電話でも話したが、俺の優先順位がミキだと波瑠に解って欲しかったからだ。俺も弟離れ宣言だな」 @「それを聞いて安心しました。波瑠の事は任せて下さい!」 @「そうだな、波瑠の事はアンディに任せる! これで安心して日本に帰れる」 @「本当に、仲良くなりましたね。ヨシキは外見も綺麗ですが内面も綺麗です。美しいのに傲慢な所も我儘も無い、素直で優しい」 @「アンディ! ミキを褒めるのは嬉しいが、惚れたりするなよ! 」 少し睨み話すと笑って答える。 ハハハハ…… @「俺には波瑠が居ますよ。波瑠の甘えた所も我儘も好きです。それにヨシキは俺には大人し過ぎて、その点では物足りないかな?」 @「アンディには我儘な位が丁度良いって事か?俺はミキの家庭的な所や優しい所が凄く癒される。2人でまったりと過ごす時間が1番好きだ」 @「お互い相性があるんでしょうね」 @「そう言う事だな」 アンディとは波瑠を介し話をしたり、たわいも無い話はしてたが、こうやってじっくり話た事が無かったと今更のように思っていた。 アンディとも話す良い機会になった。

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