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第582話
仮決算会議がやっと終わった。
1日目は国内事業部.2日目は海外事業部と2日に渡り、社長や専務.経理部長や国内事業部部長.海外事業部部長と課長クラスでの会議だった。
国内の報告では、今期は雑誌掲載効果も有り海外でも売れてると言う事で、籠バックが売れ上々の売上見込みで嬉しそうに報告していた。
海外事業部としては、1課は籠バックが売れ新色も上々で、来期はヘルシー食で器購入される事は確実な事と個人販売の器も多少は売上見込みありと報告した。
社長や専務も籠バックでの1課のプロジェクト成功を喜び、海外だけじゃなく国内事業部も籠バックでは売上げが大幅に上がり、会社としても利益があったと褒め言葉を頂いた。
部長も自分の手柄のように自慢気な顔で話してた。
これも田口や佐藤.ミキ達の頑張りがあっての事だが、部長もそこら辺は解ってると思う。
まあ、俺が解ってるから大丈夫だがな。
2課や3課もそれぞれ報告し、最後に社長や専務の話しを聞き、来期も奮闘するように言われ2日間の会議は終わった。
会議室を出て首を回し肩を揉んだ。
あ~疲れた~。
これで一段落だ。
暫くは、プロジェクトも無いし急ぎの仕事も無い。
週末に久し振りにミキとどこか遠出でもするかな?
課に戻るとミキが外回りから戻って居た。
「香坂、1人か?」
「お疲れ様です。私も今戻った所です。佐藤さんと田口さんは直帰ですね」
ボードを見て俺に話した。
そうか、2人共直帰か。
会議も無事終わったし、今日位は早く帰るか。
「香坂、まだ仕事あるのか?」
「急ぎはありません。メールや電話での連絡が無いか?確認して、何も無ければ帰ります」
「そうか。なら、帰りにどこかに食事でも行くか?」
まだ、他の課にも何人か仕事をしてたのを見計らって上司として誘う。
ミキはふんわりと笑い嬉しそうな顔で直ぐに返事をした。
「行きます!」
可愛い~な。
この笑顔を見るだけで癒される。
「じゃあ、早く終わらせて帰るぞ」
「はい!」
パソコンをチェックし始めたミキを見て、俺も会議中に連絡事項が無かったか?確認した。
それから20分程で、ミキと2人で会社を出た。
「何、食べたい?」
「ん~お腹空いてるから……お肉!」
「良し! 焼肉屋に行くか?」
「やった~♪」
焼肉位でこんなに喜ぶなんてな。
いつでも連れて行くのに。
可愛い奴だ!
俺が知ってるそこそこ高めの焼肉屋に連れて行った。
店では俺が適当に注文しビールで乾杯した。
直ぐに肉が運ばれて、テーブルはいっぱいになった。
「い.伊織さん! どれだけ頼んだの?2人ですよ?食べきれるかな~」
「大丈夫だ。俺も腹が空いてる。早く焼いて食べよう」
牛たん.特選カルビ.特選ロース.ハラミ.鶏肉.極め付けはサーロインだ。
焼き肉の良い匂いが立ち昇り食欲が増してきた。
良い感じに焼き上がった牛たんをミキの皿に乗せると「ありがと。美味しそう♪」と口に頬張った。
「伊織さ~ん♪ めちゃくちゃ美味しい~よ♪ 早く.早く伊織さんも食べて.食べて♪」
俺も牛たんを頬張った。
「ん~旨い! この牛たんなら何枚も食べられる!」
そこそこ値が張るだけはある。
「でしょ.でしよ♪ 」
美味しいもんを食べると、ミキはニコニコと本当に旨そうに食べる。
その顔を見れただけでも連れて来た甲斐がある。
ここの焼肉屋に、またミキと来よう。
それから特選カルビ.特選ロース.ハラミ.鶏肉と食べたが、最後のサーロインはミキが「お腹いっぱいで、もう食べれない~。美味しそうなのに~残念~」と悔しがってたが「また来れば良い。その時にはサーロインから食べよう」と俺が慰めると「うん♪ また連れて来て下さい♪ サーロイン絶対に食べるぅ」
子供みたいだ。
可愛い~♪
「解った.解った。一口だけなら食べれるだろ?」
「うん♪」
半個室だし他からは見えないだろうと、ミキの口に ‘あ~ん’ してやった。
俺の箸で口元に差し出されたサーロインをパクッと口にしサーロインを食べた。
いつもミキからの ‘あ~ん’ だが……やると楽しい♪
結局、サーロインは俺が1人で食べた。
流石に、俺も腹がいっぱいだ。
全て食べ尽くし、そろそろ帰ろうかと言う雰囲気の中
「食べ過ぎた~」
「俺もです。凄~く美味しかったから、いつもより食べちゃった」
「なぁ~ミキ」
「何ですか?」
「明日は金曜で翌日には仕事あるが、今日は俺の所にこのまま泊まり来ないか?」
「ん~伊織さんが会議で疲れてなきゃ俺は良いですよ」
「疲れた俺を癒してくれるのはミキだけだ。じゃあ泊まり♪決定な!」
「はい」
「明日は車でミキのマンションまで行って、そのまま車で会社に行こう。……食べ過ぎたから、ちょっと軽く運動もしないとな」
意味深に話すと
「明日はお願いします。運動ですか?帰り一駅前で降りて歩いて帰ります?」
ミキの天然にはガックリと肩を落とす。
本当に、言葉通りに受け止め素直過ぎる。
はっきり言わないと解らないから話す事にした。
手招きして、近づく耳元に小声で囁いた。
「1回だけで済ませる。明日も仕事だからな」
やっと解ったらしく、頬を染め小さな声で返ってきた
「お手柔らかに……」
ミキの了承は得たし、そうなると早く帰りたくなった
会計を済まし店を出て、ミキを俺のマンションにお持ち帰りした♪
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