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第593話

ミキの登場に、誰もが息を飲み.声を出すのを忘れる程に見惚れて居た。 祐一は真琴君に目の前で手を振られボーっとしてた自分に気付きハッとしてた。 沙織の話す声に、皆んな我に返った。 「綺麗だ!ミキ。本物のお姫様だ! 美し過ぎて声も出なかった」 「人形かと思ったぞ。本当に綺麗だ」 「お伽話の絵本から飛び出て来たお姫様だと思ったよ美樹君の女装姿を初めて見たけど……聞いてるより、実際見た方が綺麗だ!」 「ヨシ君、マジで綺麗っす!」 俺に続き、皆んなそれぞれの感想を述べた。 初めてミキの女装姿を見た龍臣は驚き、優希さんの女装姿を見た時より褒め称えたもんだから、優希さんに腕を抓られていた。 「い.痛って~」 「ふん! 私の時より見惚れてちゃって~。龍のバカ~」 「そんなんじゃないって。俺には優希が1番綺麗に見える! 確かに、美樹君も綺麗だが人間離れしてるっつ-か.俺達一般人のレベルとは違うっつ-か。なあ、優希~、拗ねるなよ~」 「拗ねてない! ……でも、龍臣の言う事も解る。私もさっき2階で初めて見た時、声も出なかった位に見惚れてたからね。龍臣も居なくって成宮より早く知り合ってたら、絶対に口説いてたなぁ~」 「優希~、そんな事言うなよ~。俺には優希しか居ないんだからな」 またまた2人の痴話喧嘩が始まったが、今度は皆んなはスル-していた。 ミキの周りを取り囲み談笑してる輪から、少し離れた所で見て居た。 本当に美しい!! 髪はアップにしお団子ヘアで前髪はサイドに軽く流し、頭には銀のティアラをつけ、化粧も眉を整えアイメイクもアイライナーでバッチリだし、服に合わせ薄く青のシャドウを入れラメも施してあり、印象的な目と赤い口紅が尚更魅惑的で、耳にはパールのイヤリングをし、ブル-のドレスも青の花飾りが並び胸元を華やかにし、首元から赤いシ-グラスのネックレスが映える。上半身のブル-よりロングスカ-トは薄いブル-で変化をつけ、後ろには大きなリボンが付き白いロング手袋を身につけて佇む姿はどこから見ても美しい! ミキの白い肌にブル-のドレスが良く映えて、華やかさと魅力を引き出している。 クリスマスの時には大人の女性の綺麗さと色っぽさがあった、皆んなで富士急ハイランドに行った時の小悪魔的女の子も可愛らしかったが、今回はそれらを上回る程に美しさが際立っている。 皆んなと談笑してるミキを見て考えてると祐一が俺の所に来た。 「何、浸ってんだよ~」 「いや、美しいと思ってな。見惚れてた」 「確かにな。マコは可愛いし優希さんも綺麗だが、ミキはレベルが違う。可愛いとか綺麗って言う言葉じゃ足りないな、お前が言うように美しいって言葉がピッタリだ」 「だろ?本物のお姫様みたいだ」 「今日は大変だな。シ-でも注目浴びるぞ。誰かにかっさわれないようにな」 「……それが不安だ。龍臣じゃないが、誰にも見せたく無い!」 「ミキはお前の者だろ?」 不安を口にした俺に自信持てとニヤニヤして話す祐一に、俺もニヤニヤして答えた。 「俺の者だ!」 背中を叩かれ「それでこそお前だ。ほら、撮影会が始まりそうだぞ。行こうぜ」祐一のバカに励まされ「そうだな。ミキとたくさん写メ撮らないと」「俺もマコと撮る」言いながら、皆んなの輪に入って行った。 龍臣と優希さんも痴話喧嘩は終わったらしく、和かに輪に入り撮影会が始まった。 カップルで次々と写真を撮り個々でも撮影し、最後に皆んなで写真を撮った。 15分程の撮影会は終わり、そろそろシ-に向かう準備を各々仮装しながらしてた。 「なあ、沙織。真琴君は白雪姫って解るし、沙織や矢島君はジャスミンとアラジンだよな。俺とか祐一や龍臣は何者?」 「伊織、解んないの?バカねぇ~」 「ディズニー系は疎いんで!」 「もう仕方ないわね~。マコちゃんは白雪姫で桐生さんはその王子様で、ヨシ君がシンデレラで伊織は王子様なの。それで、優希さんは美女と野獣のベルで海堂さんは野獣…違った王子よ」 「そうなのか、カップリングだったのか~。なる程な、納得した」 「何、今更な事言ってんのかしらね~」 俺と沙織の話を聞いてた優希さんが龍臣を揶揄っていた。 「野獣~だって~。龍にピッタリ!」 「そうか、俺は野性味があるワイルドで良い男って事を優希は言いたいのか?優希も知ってる通り、俺は夜にはもっとワイルドになるぜ!」 「バカ~~」 2人の話しが漏れ聞こえ、この2人はこれでもイチャついてんだな~と思ったら、アホらしい~と思った。 痴話喧嘩したりイチャついたり忙しいカップルだ。 各々準備でき帰りの事を考え、俺達の着て来た服など入った荷物は祐一の車に入れて置き、龍臣のデカい車に皆んなで乗り込み目的地であるシ-に出発した。

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