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第598話

龍臣の横に並んだ優希さんが、キツい口調で龍臣に話す。 「龍! どう言う事?ちょっと、目を離すと可愛い~子達と話して!」 「ゆ.優希! これは…そんなんじゃないって!」 「そんなんじゃないって?ふ~ん。鼻の下伸ばして、デレデレして話してる様に見えたけどね~」 「鼻の下なんか伸ばしてねぇ~よ」 「あっそ。別に、どうでも良いけどね。龍がそう言うつもりなら私にも考えがあるから。どうぞ、お好きに!」 「ゆ.優希~」 背後で揉める龍臣達。 優希さんって、静かに感情を爆発するんだよなぁ~。 それが逆に怖ぇ~んだよ。 可哀想に龍臣の奴。 その後ろでは、矢島君に対して沙織は腰に手を当て、如何にも憤慨してるって感じだ。 「大ちゃん! 可愛い~子達とお話し出来て良かったわね~」 「さ.沙織さん!」 「やっぱ、若い子の方が良いのかしら~」 「そ.そんな~」 ゲッ! 沙織、嫌味ったらしい~。 そう思ってた所に、少し遅れて来たミキと真琴君が俺と祐一の横に並んだ。 「何か、揉めてます?」 「ん、ちょっとな」 ミキも来たし、そろそろ止めに入るか。 龍臣も矢島君も可哀想だし。 揉めてる4人に向かい声を掛けた。 「沙織、優希さん。その人達に、後から4人入らせて貰ったんだ。その話してただけだ」 「そうなの?」 「そうだ! 優希の感違いだっつ-の」 「そう言う風には見えなかったから……ごめん」 龍臣は俺に ‘サンキュー.助かった’ と、目で合図した。 揉めてる沙織達に直ぐに、女の子達が仮装の事を褒め始めた。 「彼女さんですか?ジャスミン?凄~く、似合ってます♪」 「彼女さんがコ-ディネ-トしたって言ってましたけど、本格的で凄い.凄い♪」 矢島君が彼女が居る事を言ってたのも、沙織的には嬉しかった事とやはり気合を入れた仮装を褒められ、嬉しそうな顔になり機嫌が良くなったのが声のト-ンで解った。 「そう?そう言われると頑張ったかいがあるわ」 「それで質問ですけど~。カップリング教えて下さ~い。皆んな可愛い~し綺麗! 特に、前の水色のドレスの人は、お人形さんみた~い♪ たぶん、ここのキャラクターにも負けてませんね。一緒に、写メ撮っちゃダメかなぁ~」 「ごめんね。キャラクターじゃないし、それに彼氏が凄~く妬きもち焼きなのよ~。絶対、写メなんか許さないから、ごめんね」 「残念~」 それから沙織と女の子は意気投合し、カップリングの話しや仮装衣装の話で盛り上がってた。 矢島君はホッとした様子で、沙織達の話を側で聞いてた。 龍臣達も何とか痴話喧嘩も治ったし……ん、逆に龍臣達……イチャイチャ…してねぇ~か? 龍臣は優希さんにベタベタし、ヘラヘラして機嫌が良い。 妬きもち焼かれて嬉しいらしい。 「伊織さ~ん、見て.見て~。アリエルとの写真撮ったんだ~。可愛い~でしょ?」 「どれどれ?」 ゲッ! どこが可愛い~のか?解んねぇ~。 大きな貝殻に人魚の格好をしたアリエルと思われる外国人が座ってる。 尾びれがデカく、まるでドレスの様な感じだった。 アリエルを中心に4人で並んで撮った写真は誰がどう見ても、ミキが1番美しく綺麗だった。 ミキが興奮気味に「可愛い~♪」を、連呼するから一応話を合わせた。 「そうだな。人魚姫って感じするな。でも、俺にはミキが1番可愛く見える」 「ありがとう♪ 嘘でも嬉しいです。あとね、少しだけお話しもしたんだよ~♪」 嘘じゃなく真実を話すが、やはり自分の事は相変わらず無頓着だ。 ま、そこが可愛い~所だが。 そんな事もあり、俺達の番が来てフライングフィッシュコ-スターに乗った。 2人乗りでトビウオの形が連なってるジェットコ-スターは狭く、ミキと体が密着してなかなか良かった。 ミキはワクワクしてバ-を掴む手に俺は手を重ね、2人の手は片方は繋がったままコ-スタ-が動き出した。 ゆっくりと登り空の青さと雲が見え、パ-ク内の景色も良く見えた。 小さなジェットコ-スターで子供向けだとバカにしてたが、いざ乗ってみると潮だまりの上を元気に疾走し旋回したり下降したりとディズニーの割には爽快感が良かった。 狭いコ-スを疾走する為に旋回すると、投げ出されそうな気持ちになった。 1分程で短いがスリルを楽しめた。 隣のミキも「風が気持ち良い~♪」と、余裕で楽しんでた。 そりゃ、そうだろうな。 富士急ハイランドのジェットコ-スターを体験してると、他のジェットコ-スターは全然怖くないだろう。 あの時もキャ-.キャ-…言いながらも楽しんでたしな。 ま、ミキは顔に似合わずこう言う系統は好きだ。 コ-スターから降り、ぞろぞろと少し先で集まった。

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