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第605話

イルミネーションとネオンに輝く風景が海に映り幻想的でロマンチックな雰囲気の中を歩き、時には立ち止まり写真を撮りながらショップに向かう。 始めに入ったショップはガラス製品をメインに置いてあった。 ミキと2人でショップの中を見て周り、ミッキ-とミニ-のト-ルグラスをペアで買う事に決めた。 「これだけで良いのか?」 「ん~、充分です♪ 」 「ミキ~」 「会計して置くから、行って来いよ。他に買いたい物あったら会計に居るからな」 「はい♪」 俺の側を離れ呼ばれた真琴君の所に行った。 店内を何となく見ながら会計に向かう。 あるガラス細工の置物の前で立ち止まり、一瞬考え手頃の値段の商品を手に取り籠に入れ会計に並んだ。 会計に並ぶと、偶然にも俺の前に祐一がやはり並んでた。 「何か、買ったのか?」 「ああ、ペアグラスな。後は、まあ……置物だ。お前は?」 「俺達もペアグラスだ。後は…まあ…置物だな。皆んな似たり寄ったりだな」 俺の籠の中身を覗き込みニタニタする祐一。 「キザだな~、いやロマンチストか~」 「良いだろ! 記念にと思ってな」 「ふ~ん」 そんな事を言ってる間に祐一の会計になった。 ペアグラスと……赤いリンゴの置物? ああ、白雪姫か? 白雪姫がデザインされた真っ赤なリンゴの置物だった 祐一の奴! ちゃっかり今日の記念に買ってんじゃね~かよ~。 人の事を散々キザとかロマンチストとか言っておきながら~~! 袋に入れて貰い会計を済ました祐一に「お前もロマンチストなんだなぁ~~」と、ニヤニヤして揶揄ってやった。 「チッ!」 舌打ちしてたが照れてるのが丸解りだ。 俺も会計を済ませ袋に入れて貰い店内をフラフラし、龍臣や矢島君の会計を待った。 ショップを出て歩きながら、次のショップに入った。 ここは比較的に何でも売っていた。 ミキと真琴君と祐一と4人で店内を見て回る。 「ミキ~、こっちとこっちどっちが良いと思う?」 真琴君が手にした写真立て2つをどっちにするか?ミキに聞いてた。 「う~~ん。こっちかな?」 ダッフィ-の写真立てを指刺した。 「そうだね。シイ-に来たらダッフィ-だよね~~♪ じゃあ、こっちにする♪」 そう言って祐一の持ってる籠に入れた。 ミキと真琴君の後を着いて歩く俺と祐一はそれを見て 「この写真立てに、今日の写真を飾るんだな?」 「らしいな」 「ふ~ん。お前の部屋に、この写真立てがあるのか~」 「別に良いだろ?」 「そうだな。写真立てと真っ赤なリンゴか~~」 ニヤニヤして揶揄うが祐一は知らん振りだ。 こいつ、揶揄いが無い奴~~。 お菓子売り場で散々迷って、2人共チョレ-トクランチとクッキーサンドをそれぞれ俺達の籠に入れた。 キ-ホルダーを見て買うのか?と思いきや見るだけで楽しみ、縫いぐるみバッジのコ-ナ-では「可愛い~~♪」「ミキならどれ?」「マコは?」 キャラクター縫いぐるみ付きバッジを手に取り、2人でキャッキャッ…言いながら見てた。 「縫いぐるみ買って無いから、買うか?」 「う~~ん。でも、グラスやらお菓子やら買ったから……いいや」 「マコは?」 「僕も良いよ。写真立て買ったしね」 2人共、遠慮してんのか? そう言って、また店内の文房具やらタオルや縫いぐるみなどを見て歩いた。 「ヨシ君、マコちゃん」 沙織と優希さんに呼ばれた。 「もう、良いのか?なら、会計して置くから行って来いよ」 「じゃあ、お願いします」 ミキと真琴君は呼ばれた沙織達の所に行き、俺と祐一は会計しに向かう。 「なあ、縫いぐるみバッジ欲しそうだったよな?」 「ああ。どれにしようか?迷ってた感じだった」 「買うか?」 「俺もそう思ってた!」 ちょっとしたサプライズをする事にした。 俺と祐一とで縫いぐるみバッジを眺め、さっきミキが手に取ってたダッフィ-の縫いぐるみバッジを籠に入れた。 祐一も真琴君にダッフィ-の縫いぐるみバッジをやはり籠に入れ、2人で会計に並び支払いを済ませた。 沙織達と龍臣達もお菓子をお土産に数個買い会計を済ませた。 シイ-の風景とも最後かと思うと名残惜しくなり、写真を数枚最後まで撮り出口に向かった。 車に乗り込み龍臣の運転でシイ-を後にした。 車中ではシイ-での話で持ち切りだった。 楽しそうに話すミキ達を見て、人混みは疲れたが来て良かったと思った。 「そうそう。写真は、後で皆んなにLineで送るわね~」 「頼む」「楽しみ~♪」「宜しく」 カップルで移動した時以外は、沙織の家からシイ-での写真は、殆どが沙織のスマホで撮ったものが多い。 Lineで送られてくるのが、今から楽しみだ! 「了解! ねえ、お腹空かない?」 沙織に言われ昼食を取って以来何も食べて無かった。 皆んなもそうらしく ‘お腹空いた~’ と口々に話す。 「ファミレスに行く?」 「この格好で、ファミレスに行く勇気ねぇ~よ」 俺が沙織に話すと、皆んなも『無理~』と言った。 「そう?別に構わないと思うけど……。まだシイ-出た所だから、ここら辺のファミレスならハロウィンで仮装って解ると思うけどね」 沙織の面の皮の厚さなのか?心臓が強いのか? メンタルがすげぇ~。 沙織の提案にも皆んなで断固拒否した。 「んもう、仕方無いわね~。それならマックで誰か代表して買って来て車で食べる?」 難色を示すが、ファミレスで食べるよりマシと言う事になり、結局カップルで買いに行く事に決まった。 ミキ達4人でジャンケンする事になった。 「負けたら、どうしよう…」「この格好で行くのやだぁ~」「絶対、負けない!」「面白いわね♪」 沙織以外は不安を口にするが、沙織だけは楽しんでる メンタル強すぎだろ。 飯食べるだけなのに、どんな罰ゲームだよ~。 俺の隣で「負けたら、ごめんなさい」と、不安になり俯き加減のミキの頭をポンポンし「負けても良いさ」と安心させるように話す。 少しだけ安心したのか? 「うん」と言って微笑んだ。

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