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第607話

「じゃ~な。日曜日な」 「ありがとうございます、祐さん。マコもおやすみ♪」 「じゃ~な」 「おやすみ~♪」 あれから沙織の家に着き靴だけ履き替え、矢島君は挨拶してから帰ると言い、来週の日曜日におやじの店で合う約束して龍臣達ともそこで分かれ、俺達は祐一の車で送って貰った。 マンションのエレベーターでは「誰かに会うと、恥ずかしい」と言ってたが、誰とも会わずに部屋に入る事が出来た。 部屋に入って荷物を置きソファに座り、着替える隙を与えずにコ-ヒ-を入れるように頼んだ。 素直なミキは長手袋だけ外し、キッチンに向かった。 コ-ヒ-を入れてる隙に、お土産の袋から目的のものを取り出し、箱を開け直ぐにポケットに突っ込んだ。 5分程で、ミキがコ-ヒ-を2つ手に持ち片方を俺に手渡した。 「伊織さん、お疲れ様です。コ-ヒ-入りましたよ」 ミキも一休みとばかりに、俺の隣に座ってコ-ヒ-を飲み始めた。 ♪ピロ~ン…♪ピロ~ン…♪ピロ~ン…… 何度も鳴り響く俺とミキのLineの音。 「何だ?」 やっと鳴り止んだLineを開くと、写メが数十枚送られてきてた。 「沙織の奴、早速送ってくれたんだ」 「俺のLineにも、たくさんあります」 「どうせ一緒だろ?俺のLine見ようぜ」 2人で、俺のスマホの画面を顔を近づけて見た。 沙織の家で撮ったものから始まりシイ-の出口付近まで、皆んなで撮ったものやミキと2人で撮られた写真がたくさん送られてきた。 あの時はこうだったとか.この時はどうだったとか、1枚.1枚……見ながら20分程話した。 こう言う時間も楽しいな♪ ミキも楽しそうだ。 「そうだ、忘れてた。龍臣に、4人で撮った写メ送んねぇ~と。ミキにも送るな。それとダッフィ-の所で撮った動画と2人で撮った写真も送るから、ミキもダッフィ-で撮った写メ送ってくれ」 「はい」 直ぐに写真検索し、ミキと龍臣達との4人で並んで撮った写真と2人で頬を寄せ撮った写真やら腰に回した写真やら、ラブラブな雰囲気の写真を数枚とダッフィ-での動画を送ると、ミキからもダッフィ-と撮った写真がLineで送られてきた。 隣では「ダッフィ-可愛い~♪」「伊織さん、カッコいい~♪」と写真を見て呟いてた。 俺もミキの呟きを聞き内心では ‘カッコいい~’って言われて喜んでた。 早速、送られてきた写真を見ると、ダッフィ-と会えて嬉しそうに笑ってダッフィ-にハグしてるミキの可愛い~顔があった。 可愛い~♪ このダッフィ-は中身は女だろうな。 この背丈なら女だな。 そして龍臣にLineで4人での写真を送った。 ♪ピロ~ン… ‘ちょうど今、優希と2人で沙織さんから送られてきた写真見てた。サンキューな。楽しかった、良い思い出になった’ ‘そうか、俺達も沙織から送られた写真を見てた’ ‘これからが俺達の時間だな。あまり頑張るなよ~’ ‘それは無理だな。お前も程々にしないと優希さんに怒られるぞ’ ‘こんな機会無いからな。優希は明日の仕事は休みだな’ どんだけスルつもりだよ~。 優希さんの女装姿に興奮し過ぎだろ~。 俺もか! ‘ま、楽しめ。じゃあ、来週の日曜日な!’ ‘ああ、またな’ 龍臣とのLineを終わらせると、隣で写真やダッフィ-との動画を見てたミキが「龍臣さん、喜んでました?」龍臣とのLineの遣り取りにそう聞いてきた。 「ああ、良い思い出になったって。あと沙織から写真送られてきて、龍臣達も丁度見てたらしい。祐一達も2人で今頃見てんじゃね~の」 「沙織さんって、本当にマメでしっかり者ですよね」 「まあな。そうだ、お土産の中身見たか?」 キョロキョロ…見て、テ-ブルの下にあったディズニーの袋を手に取った。 「クランチチョコ食べます?」 てっきり俺がお菓子を食べたいからだと思って聞いてきた。 「ああ、そうだな」 「美味しいですよね~」 袋の中から取り出そうとして 「あれ?これ何?」 袋の中にはグラス2つ.お菓子2つだけのはずが、もう1つ袋に入ってる物は、ミキが買った覚えが無いと不思議に思ってるようだ。 「開けてみろ」 「はい」 袋を開けると、ダッフィ-の縫いぐるみ付きバッジが見え直ぐに取り出し、目を輝かせ嬉しそうな顔を見せ胸に抱いた。 「伊織さん、ありがとう♪ 凄~く嬉しい♪」 「祐一も買ってたから、真琴君とお揃いだ」 「マコと?嬉しい~♪」 「あんなにダッフィ-.ダッフィ-って言ってたから、てっきりダッフィ-の縫いぐるみを買うと思ってたからな。代わりに、これを買ったんだ。縫いぐるみは良かったのか?」 「うん。これで充分です。伊織さんの気持ちが凄く篭ってて大切にします。ダッフィ-の縫いぐるみ買わなかったのは、俺の部屋にミッキ-の縫いぐるみがあるからです。ミッキ-が妬きもち焼いちゃうと思って」 ミッキ-が妬きもち? 可愛い~言い草だ。 「そうか。ミッキ-も、そんなに大事にされたら喜ぶな」 「部屋で1人でソファに座ってテレビ見る時に、抱っこしてミッキ-の頭に顎を乗せて見るとテレビが見易いんですよ。それと……伊織さんだと思って寂しい時には……抱っこして一緒に寝たりします。ちょっと……子供みたいで恥ずかしいけど…」 自分で言って恥ずかしいんだろうな。 お姫様の格好した姿で頬を染め話す。 俺も、そのミッキ-になりてぇ~~。 ‘伊織さんだと思って…’と言われ、その殺し文句に、俺は頬が緩みっぱなしだ。 「可愛い~な」 心の声が自然と漏れてた。 時間を確認すると23時半を回った所だった。 俺はこれからの2人の時間をロマンチックに過ごす為にスマホを手にし操作した。 明日は仕事だが……。 綺麗なお姫様の姿でこんな可愛い~事を言われ、気持ち的に昂ぶり抑えられない俺が居た。

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