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第608話
さっき検索しておいた ‘ム-ドのあるスロ-な曲'をスマホから流し、ミキの手からダッフィ-の縫いぐるみバッジを取りテ-ブルに置き、その手を握りソファから立ち上がった。
「?」
俺の突然の行動の意味が解らず不思議に思ってるようだ。
目の前のミキの視界から消え、俺は片膝を着き目線が上にあるミキの顔を見上げた。
「えっ、何?」
片膝を着いたままポケットから ‘ガラスの靴’ を取り出し、手の平に乗せ差し出した。
お伽話のシンデレラに王子がガラスの靴を渡すイメージでロマンチックにしたつもりだ。
「伊織さん……本物の王子様みたい。カッコいい!」
「お姫様、良ければ是非こちらを……。気に入って貰えると嬉しい」
俺の手の平から、小さなガラスの靴を手に取りふんわり笑った。
「可愛い~♪ ありがとう、大切にします」
確かに、祐一が言ったようにキザだったかも知れないが、シンデレラの格好したミキにガラスの靴をシイ-の思い出にプレゼントしたかった。
それも忘れられないように…ロマンチックに……と思ってた。
2人っきりの部屋なら、どんなキザでロマンチックにしようと、誰も文句を言う奴は居ないし2人の世界にどっぷり浸れる。
ガラスの靴も小さなスペースにも置きやすいサイズで値段も手頃な物にした。
あまり高価な物にすると、ミキが恐縮すると思ったしサイズ感と透明なガラスの靴に赤のストーンが付いて可愛らしいと思って決めた。
今度はガラスの靴を大切そうに胸に抱きしめて居た。
誰の曲か解らないが、外国のスロ-でム-ディ-のある曲が流れて、俺は片膝を着いたまま感慨深気にしてるミキに話し掛けた。
「お姫様、1曲踊っていただけますか?」
また、手を差し伸べた。
大切に胸に抱いたガラスの靴を近くのテ-ブルに置き俺の差し出した手に手を重ねた。
「はい。喜んで」
俺は立ち上がりミキの両手を俺の首に回させ、俺はミキの腰に両手を回し体を密着しスロ-な曲に合わせ体を揺らす。
ただ体を曲に合わせ揺らし、このロマンチックな雰囲気を2人で浸ってた。
俺の肩口辺りに額をつけ、俺の揺れに身を任せてた。
「今日は、楽しかったな」
耳元で囁くとコクンっと頭を縦に振り
「1番ミキが綺麗で美しかった」
「伊織さんも1番カッコ良かったです」
流れてた曲が終わっても名残惜しく、俺達は体を密着したまま揺れてた。
「ミキが可愛い過ぎて、抱きしめてキスしたくなるのを抑えてた。もう抑える必要はないよな?」
照れてるのか?
コクンっと頭を縦に振って意思表示した。
ピタッと揺れるのを止め、ミキの腰に回した両手で体を引き寄せより一層密着し、ミキの顎に手を掛け唇を合わせた。
チュッ…チュッ.チュッチュッ……
可愛らしいミキの唇を啄むように何度もキスし、舌を入れさせろと唇を舐め開いた口に舌を捻じ込んだ。
唇を合わせたら、もう我慢が効かなかった。
それ位、ミキに飢えてたんだと思った。
今日、1日一緒に居たが……他の奴らも居たからな。
やっと、ミキを独り占めにできる!
上顎や頬の内側を丁寧に舐め、ミキの舌に絡め吸い付く。
クチュクチュ…ジュルジュル…クチュクチュ…
レロレロ…チュ-チュ-…レロレロ…クチュクチュ…
何度も角度を変え離れ難いと、しつこく咥内を犯す。
「…あぅ…はぁ…ぁ」
ミキの体に覆い被さり夢中で唇を合わせてた。
「…い…おり」
辛うじて俺の首に両手で回してたが、俺の勢いで体は反り返って息もできず辛そうな体勢になってた。
クチュクチュ…レロレロ…ヌチャヌチャ……
「んん…ん」
辛そうな声にやっと唇を離した。
体勢を立て直し、ミキと額を合わせ見つめ合う。
「すまん。夢中になり過ぎた」
俺の好きなふんわりと笑い背伸びをし、俺の唇にチュッとキスをくれた。
「嬉しいです」
「ミキ!」
ガバッと細い体を抱きしめ我慢出来ずミキの首筋に舌を這わせた。
「あっ…ん…」
「好きだ! 好きだ! 俺のミキ!」
首に回してた両手を俺の背中に回し抱き着く。
「俺も好き! 好き!」
いつもはミキの様子を見ながら雰囲気を高めていくが今日はその余裕も無く最初から気持ちが燃え上がり我慢も効かず暴走してしまいそうだ。
「ミキ!」
俺はそのままミキを壁際に追い詰め両手を壁につけ唇を合わせた。
ヌチャヌチャ…チュッチュッ…レロレロ‥クチュクチュクチュ…
お互い激しく舌を絡め唾液を吸い、また絡める。
「んふぅ…ぁあ…ぅ」
「ミキ! 好き過ぎて……どうして、そんなに可愛いんだ! 俺のミキ!」
俺の頭を撫で微笑む。
「どうしたの?何か不安?心配しないで。俺は伊織のだから…俺の全てが伊織のだよ」
不安?ミキの言葉に不安は感じては居ないが……今日は皆んなのミキだった事が、俺の中で引っかかってたのかも知れない。
だから、こうして2人になって早急に激しくミキを求めてしまった。
少し冷静になろう。
昂った気持ちのまま、ミキを乱暴には抱きたくない。
「ふう~、悪かった。やっと2人っきりになったから、気持ちが昂ぶり過ぎた」
「激しく求めてくる伊織も野生的で……ちょっとカッコ良かった」
「そうか?」
俺的には少し反省もしてるんだが……。
「いつもと違う伊織も良いけど……やっぱり優しい伊織が1番好き!」
「俺はどんなミキも好きだ!」
嬉しくなりチュッと唇を掠め取った。
まだまだ2人の夜はこれからだ。
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