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第625話
「そうか。取り敢えずは、予定通りに11月から予約って事でスタート出来たんだな。ま、最初はそう直ぐには、予約もいっぱいにはならないだろうが…。へえ~そうか、思ったより幸先良い出だしだな。ん…解った。また、報告頼みます。私からもG&Kには連絡してみます。お疲れ様です」
G&Kにプレゼンしたヘルシー食が店舗で11月からスタートしてるはずだが、アメリカ支社からは何の音沙汰も無く気になってたが、こちらから余り出しゃばるのもと思い連絡を待って居た。
2週間程経って、やっとアメリカ支社の担当者から電話報告が有り電話を切った所だ。
「田口、ちょっと良いか?」
「はい」
内勤してる田口を呼び、アメリカ支社の担当者から報告あった内容を伝える事にした。
田口も気になってるだろう。
「今、アメリカ支社からヘルシー食の件で報告があった」
「良かった~。私も気になってたんです。それで、どうなんですか?」
「ああ、ヘルシー食始まる1カ月前位から、ブログやHPで告知してたのもあり始まった当初は予約は少しあったそうだ。それでも限定10食の内3食分らしいが。ま、予約分だけ作れば良いから、無駄な食材も出ないし経費も掛からないから、様子見だったらしい。その時に盛り付けの美しさと色彩に感動し、器の良さとかもインスタに乗せてくれた人が多く、もちろんヘルシーで美味しいとコメントも出してくれてたそうだ。お陰で、少しずつ予約や問い合わせがあるらしい。今は様子見で10食限定だが、この分ならもう少し増やす方向に考えてるとG&Kからも連絡きたと報告があった」
田口も肩の荷が下りたのか?ホッとした顔を見せた。
「良かった~。やっと、これからって感じですね」
「そうだな。出だしとしては、まあまあって感じだな。こう言うのは、徐々に口コミで広がるもんだ。ま、焦らずにいこう。大丈夫。今はヘルシー志向だ。必ず、成功する」
自分に言い聞かせる様に、田口にも自信がある旨で話す。
「そうですね。直ぐに終わるブ-ムじゃ困りますからね」
「そう言う事だ。ま、田口も気になってるかと思ってな。もう良いぞ。仕事に戻って」
「ありがとうございます。ホッとしました」
そう言って席に戻って行った。
俺も一安心した。
気になってたヘルシー食もまあまあのスタートを切り、ミキとのちょっとした誤解も2人で気持ちを話し合い元の鞘に戻り、逆にお互いの大切さを改めて知った出来事になった。
そう言えば、祐一と真琴君にも感謝しないとな。
俺達が2人で眠りにつき、そのままコトに及びスマホに着信があったのに気が付いたのは、だいぶ遅くなってからだった。
俺には祐一からで、ミキには真琴君から着信が何度も入ってた。
俺が折り返し掛けると
「大丈夫だったか?昨日は話し合いでもしてると思って連絡しなかったが……」
「ああ、済まん。昨日、あれからタクシー乗る前に捕まえて俺の所に連れて来たが、その日はミキが客間に閉じ籠り話し合いにならなかった。今日の朝、お互いに冷静になって話し合い誤解が解けた」
「そうか。それならそうと連絡位くれよなぁ~。こっちはマコと気になって仕方無かったんだからな。それに何度電話しても出ないし、何かあったのか?と思ったマコもミキに電話してたが。……まさか?お前ぇ~~! 俺達の気も知らずに……仲直りのHしてたんじゃね~だろうな! いや、お前の事だ、絶対シテる! 」
「………まあ、それは……再確認したまでだ。愛し合ってる者の営みだからな」
「ったく。心配して損した~! お前達って、周りに心配させる癖に結局は仲直りしてシラ~っとしてたんだなぁ~! ま、誤解が解けて仲直りしてるなら良い。じゃあな」
「悪かったな。ありがと、真琴君にも心配掛けたって伝えてくれ。じゃあな」
俺が祐一との電話を切った時には、まだミキは真琴君と電話中だったが、その光景を眺めて俺もミキも良い友達を持った。
なんやかんや憎まれ口聞きながらも、こうやって心配してくれる祐一達に有難いと思ったな。
ま、祐一達に何かあったら俺達が今度は力を貸す番だ
当たり前の事だが肝に銘じておこう。
俺達の話しが漏れ聞こえたのか?ミキと佐藤は田口にヘルシ-食の件の話を聞いていた。
そして佐藤と一緒に喜ぶ姿のミキを見て、改めて仲直りできて良かったとしみじみ思った。
ヘルシー食がインスタ効果もあり、12月に入りると予約が増えTVでも取り上げられ、予約が3ヶ月待ちの状態になる事になるとは、俺達はこの時には知らずに居た。
そして個人で購入出来る器も注文が殺到し、器の窯業者が嬉しい悲鳴を挙げる事になった。
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