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第627話
ソファーに座り俺の事を待ってたミキの目の前にクリスマスプレゼントを手渡した。
「クリスマスプレゼントだ。気に入ってくれると嬉しいが」
「わぁ~♪ありがとうございます♪開けて良いですか?」
「ああ」
どんな反応するか?気になりながら、ミキの隣に座る
ガサガサガサ……
袋の中身を見て取り出し、嬉しそうな顔を見せた。
気に入ったか?
「凄~く良い♪どんな格好の服にも合いそう♪ちょっと着てみますね♪」
その場で立ち上がり着て見せてくれた。
「伊織さん、凄~く軽いし暖か~い♪ デザインも色も俺の好きな感じです。嬉しい~♪」
俺に良く見えるように、その場で一回りして見せた。
まるで本物のモデルみたいだなぁ~。
「ん、良く似合ってる。これならカジュアルな服にもス-ツにも合うと思ってな。気に入ってくれたなら、俺も嬉しい」
「はい。凄く気に入りました。でも、このブランドって凄く高いですよね。何か申し訳ないような」
「そんなの気にするな。俺がミキに似合いそうだと思ったんだから。もし、そう思うなら大切に着てくれ」
「はい、大切に着ます。ありがとうございます。あっ、俺からもプレゼントが…ちょっと待ってて」
そのまま俺がプレゼントしたコ-トを着たまま客間に向かった後ろ姿を眺めてた。
気に入ってくれて良かった~。
ま、ミキの事だ、何をプレゼントしても喜んでくれるとは思うが。
あのコ-トにして正解だったな。
ミキへのプレゼントは英国ブランドのフ-デッドコ-トにした。
確かに、ブランドだけあってそれなりに値段もしたが俺は仕事帰りに何店か見て周り一目で気に入った。
濃紺なのに黒っぽい色も気に入り、デザインもミキに似合いそうだと思った。
軽い割には防寒も優れて、体に当たる部分には裏起毛があり寒い冬には重宝しそうだ。
フ-ドを被ったミキの姿も見たいな。
可愛い~だろうな。
それで手をハァハァ…息を吹き掛けて、上目遣いで見られたら堪んねぇ~な。
ヤバい! 妄想が止まらない。
プレゼントしたコ-ト1つで妄想出来る俺も相当なもんだと苦笑してた。
「何、笑ってるんですか?何だか楽しそうですね」
ミキが大きな袋を持って隣に座った。
大きな袋から長方形の箱を取り出した。
「伊織さん。これ、俺からのクリスマスプレゼントです」
「ありがと」
手渡しされ、リボンを解き綺麗にラッピングされた包装紙を破り箱を開けた。
「マフラー?」
箱から手に取り、手触りの良さでカシミヤだと解った
「はい、暖かそうだと思って。伊織さん、余りマフラーとかしてないから…寒そうで」
「ありがと。マフラーもある事はあるが、よっぽど寒くなければしてないかもな。色も気に入ったし会社に行く時にも使えるな。これから寒くなるから、ありがたい」
「気に入ってくれて、良かった~♪」
ミキからのプレゼントはカシミヤ素材のクロxダ-クグレ-のリバ-シブルのマフラーだった。
巻き方によって色が楽しめそうだと、ミキのセンスの良さが解る。
カシミヤ100%と表示されたのを見て、高かっただろうと思ったが何も言わずに居た。
ミキは着たままで居たプレゼントしたコ-トを脱ぎ丁寧に仕舞い、それからまた袋から何かを出そうとしてる。
「何?まだ、何かあるのか?」
「これはプレゼントって言うか……その…」
「何?その言い方だと気になる」
「引かないで下さいね」
「ああ。約束する」
引かない?言い難そうだったし……何だ?
額?ポスター?部屋に飾るのか?
恥ずかしそうに裏返しで手渡しされた。
「見るぞ」
「……はい」
カタッ!
アンティークのシルバーフレ-ムの中には……ディズニーシイ-で沙織が撮った、夕陽を浴び額を合わせた王子.お姫様シルエットの俺達の写真が大きく引き伸ばされ、その回りには青基調とした和柄の切れ端でランダムに飾られ、一層写真が引き立てられてあった。
「あの時の写真?……凄え~良い♪リビングに飾ろう!」
俺も密かに気に入ってた写真だったが、ミキはあの時は恥ずかしがって何も言って無かったから、そうでもないのか?と思ったが、ミキも密かに気に入ってたんだな。
それに、ただ写真を引き伸ばしお洒落な額に入れるだけじゃなくリメイクしてる所がミキらしく、この写真への想いが篭ってるのも解る。
マフラーももちろん嬉しかったが、このプレゼントはもっと嬉しかった。
「リビングに飾るのは嫌です。誰に見られるか?解りませんから。俺が送りたいと思っただけですから……そうだ! 書斎にでも置いて下さい」
「ミキ以外にこの部屋に来る者は居ないが……まあ、来るなら波瑠ぐらいだな。どうしてもリビングはだめなら……寝室に飾ろう! それなら寝る時も起きた時も見れる!」
「寝室なら」
「良し、決まりな! 早速、飾ろう」
「えっ、もう?」
「ああ、どこにするかも2人で決めよう」
「はい♪」
2人で寝室に行きフレ-ムを持って壁に宛行い、あっちは?ここは?と、飾る場所を一緒に決めるのも楽しい♪
俺の部屋はミキの手作りの物で溢れてる。
結局、ベットから見える場所の壁にした。
ベットの縁に2人で座りその写真を眺めると、あの時の事を思い出す。
「良い写真だな」
「はい」
「ありがとう。この部屋で寝る楽しみが出来た」
「喜んでくれたなら嬉しいです」
可愛く微笑むミキに俺は今話すしか無いと思った。
何だか緊張するなぁ~。
隣のミキの手を取り握り、顔を引き締め緊張し一呼吸してから口を開いた。
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