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第647話 番外編
あれから1時間程で起き、今はレストランコテ-ジで食事をしていた。
宿泊コテ-ジにはキッチンも完備され、家族連れや仲間同士で来てる人達は自炊も出来る為、レストランを利用してる人は数組だった。
テ-ブルに着き話しをして待ってると、料理が運ばれてきた。
和膳からなる懐石風料理だった。
たら白子豆腐うに醤油がけ.山芋のポン酢もみじおろし.酒菜吹き寄せ竹かご盛り(焼甘鯛の昆布巻き.海老の西京焼き.サ-モン黄身寿司.しめじの当座煮.栗蜜煮.鮎の山椒煮).湯葉のすり流し蟹しんじょう.蒸し玉子柚子釜蒸し.焼きエリンギ.銀杏松葉刺し.炊き合わせ.ズワイ蟹のホワイトソ-ス掛け.海老ア-モンド揚げ.山芋と舞茸天ぷら.お吸い物.きのこの炊き込みご飯.三種漬物.マンゴーゼリーと食前酒。
ヘルシー食でも思ったが、やはり和食は見た目も美しく食べるのが勿体無いと思わせる。
1つ1つの量は多く無いが、種類の多さで何から手をつけようか?と迷う。
「すっげぇ~美味しそう! 俺、こんな料理食べた事無いかも♪ 何から食べるか?迷っちゃうなぁ~♪」
俺だけじゃないようだ。
佐藤も目の前の美味しそうな料理を目にして迷ってるようだ。
目が爛々として子供みてぇ~。
「まずは、食前酒で乾杯しよう」
「あっ、はい」
グラスを持ってカチンッと合わせる。
「メリ-クリスマス」
俺が小さな声で話すと、佐藤はパァッと明るい顔をし笑顔になり、小さくはにかむように話す。
「メリ-クリスマス」
コクッコク…飲むと、軽い口当たりで食前酒にはピッタリだった。
「作法とか順番とか、気にせずに食べようぜ」
俺が箸を持ち、たらの白子豆腐うに醤油掛けを口に入れた。
俺の食べる所を箸を持って見ている。
「ん~美味い! 白子が甘いしうに醤油も合う。ほら、見てないで食べろよ」
「はい」
俺と同じ物を食べ口に入れた瞬間に、ニコニコと蔓延の笑顔を見せた。
「マジ、うまっ! 量が少ないのが残念~」
「そこが食欲を唆るんだろ-が。量は少ないが、色んな味を楽しめるのが懐石なんだろ」
「そっか~♪ これも美味いっす」
そう言って何でも美味そうに食べイチイチ感想を述べては、また食べる佐藤との食事は楽しい♪
最後のデザ-トまで食べ、コ-ヒ-を飲み寛ぐ。
「あ~美味しかった~♪」
「翔は美味そうに食べるから、見てて気持ち良い~」
「そう言う湊だって ‘美味い.美味い‘ って、そればっか言ってたよ~」
「まあ、美味かったのは確かだしな」
佐藤が感想述べて食事してるのに、俺はバカの1つ覚えみたいに ‘美味しい.美味しい‘ しか言って無かったと指摘され、少し恥ずかしくなった。
「さて、食事も済んだしコテ-ジ戻るか?」
「あっ、はい。ご馳走様でした」
俺が立ち上がりると佐藤も立ち上がり、きちんとお礼を言う佐藤の頭を撫でた。
「えへへ……」
頭を撫でられ喜ぶ佐藤の姿は、飼主に褒められ頭を撫でられ尻尾をブンブン振って喜ぶ仔犬を想像させる。
可愛い~な。
レストランコテ-ジを出ると寒いが、外の空気は澄んでいて空を見上げると星がたくさん光輝いてた。
夜道を歩きながら星空を見た。
「凄い星ですね。キラキラして綺麗だ」
「本当だな。都会じゃあこんなに見れないからな。寒いから、あとでコテ-ジの中から見ようぜ」
「はい! めっちゃロマンチック~♪」
ロマンチックな事が好きな佐藤らしく大喜びだ。
コテ-ジの玄関ドアを開けると部屋の中は暖かい。
「暖ったけ~♪」
「エアコンと電気暖炉は付けっ放しで行ったからな」
暖炉の前のラグに座り温まってる佐藤にインスタントコ-ヒ-を渡し、俺も横に座る。
「ほら、コ-ヒ-だ。少しは温まる」
「ありがとうございます。何か~至れり尽せりで夢みたいです。あ~幸せ~♪」
コ-ヒ-を飲み幸せそうな顔を見せた。
その顔を見れただけで計画した甲斐がある。
コ-ヒ-を飲み終わるまで、今日の観光地やさっきの食事の話しをしながら暖をとった。
「翔、先に風呂入れよ」
「でも……俺、何も持って来て無いけど…。それに田口さんの方が運転で疲れてるし…お先に、どうぞ」
そうくると思った。
「手ぶらで来れるってのが売りで、アメニティは全部揃ってるし、バスロ-ブあるからそれを羽織れば良い。下着は新しいのを出しておく。ここな、温泉なんだぞ~。良いから、ゆっくり入れよ」
「温泉⁉︎ マジで~♪……じゃあ、お先に」
「おう! ゆっくりで良いからな」
「は~い♪」
ふん♪ふふふ~ん♪ふふふ~ん♪……ふふふ♪…
温泉って聞いて嬉しそうに鼻歌を歌い浴室に向かった佐藤を見送り、俺は取り敢えず荷物から真新しい下着を出し、それからキッチンに向かった。
10分程で用意できたな。
良~し! 行くか!
今日の目的の1つでもある事をする為に、俺は2人分の下着を持ち浴室に向かった。
さて、佐藤はどんな反応を示すか?
楽しみだ‼︎
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