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第651話 番外編
佐藤がキッチンで片付けをしてる間に、俺は暖炉とエアコンを消し、今度は寝室のエアコンを点け部屋を暖めて居た。
「湊~、どこ?」
片付けを終えた佐藤が俺を探してた。
「こっち、隣の部屋だ」
部屋の引戸を開け、佐藤が現れた。
「こっちに居たんだ」
俺は大きな窓の近くに居て、佐藤を手招きした。
「こっち来いよ」
「何.何?」
佐藤が俺の側に来た時を見計らいカ-テンを開けた。
そこには一面が雪景色と空には満天の星空が光り輝いていた。
「わぁ~すげぇ~~‼︎ こんなに綺麗な星空が……綺麗だ‼︎」
パァ~と喜びと嬉しさと感激してる顔に変わった。
本当にこいつってコロコロ…と表情が変わるよな。
見てて飽きない。
俺も、そんな佐藤を見て微笑んだ。
「絶対、お前が喜ぶと思った‼︎ クリスマスの日をロマンチックに過ごそうと思ってな」
「マジ嬉しい~~‼︎ 俺の為に?湊、大好き~‼︎」
抱き着く佐藤の頭を撫で、俺の前に移動させ背後から抱きしめ星空を眺めた。
「本当に綺麗だ‼︎ ありがと、湊」
「いや、遅くなっちまったけどな」
「ううん、最高のクリスマスだよ」
「そうか」
「うん‼︎」
俺達は暫く満天の星空を眺め、この景色を目に焼き付けた。
「湊、今日はありがと‼︎……あのぉ~これ……」
背後から抱きしめてる俺の顔も見ずに片手で細長い箱を、俺の目の前に突然出してきた。
抱きしめてた体を離し、細長い箱を受け取った。
「何?」
佐藤は照れてるんだろう、星空を見ながら話す。
「んっと……俺からのクリスマスプレゼント。もし、今日渡せたらっと思って持って来たんだ」
クリスマスプレゼント⁉︎
マジか~~‼︎
俺、クリスマスに佐藤とロマンチックに過ごす事で頭がいっぱいで、この旅行計画立てる事しか考えてなかった。
クリスマスプレゼントまで頭が回って無かった‼︎
ヤベぇ~~‼︎
ここは素直に謝ろう。
星空を眺めてる佐藤の体を向かい合わせ
「翔、ごめん‼︎ 俺、クリスマスプレゼント用意してなかった。ごめん‼︎」
「湊からは、今日たくさんのクリスマスプレゼント貰ったよ。この旅行もこの星空も全部湊からのプレゼントだよ。俺、すんげぇ~嬉しいもん。どんなプレゼントより嬉しい~♪ 湊が俺の事を喜ばそうと計画してくれた気持ちも」
本当にこいつって、人の気持ちを読むのが上手い。
俺の気持ちがちゃんと伝わってた。
「そう言ってくれて嬉しいよ。でも、プレゼントはごめんな。これ、開けて良いか?」
「あっ、うん」
何だ?佐藤が照れてるな~。
佐藤からの初めてのプレゼントにワクワク…しながらリボンを解き包装紙を破って箱を開けた。
箱の中身はペアのネックレスだった。
細長いシルバーのチャ-ムには、何か刻印されてあった。
~It is my happiness to love you~
『貴方を愛する事が私の幸せ』……か。
良いな‼︎
翔が照れてる原因はこれか! どんな顔で店員に言ったのか?見てみたかったな。
俺も同じ気持ちだが……俺だったら
~ Your smile makes me happy~
『君の笑顔が俺を幸せにする』……だな。
「翔、ありがと‼︎ 大切にする」
えへへ……
片方のネックレスを手に取り佐藤の首に着けてやると佐藤も残ったネックレスを手に取り俺の首に着けてくれた。
「凄く良い~‼︎ ちょっと女々しいかなって思ったけど……湊とペアの物が欲しかったんだ~。これなら片時も肌身離さずに着けてられるっしょ?」
嬉しそうな佐藤の頭を撫で話す。
「そうだな。俺も翔とペアの物が欲しかったし! このネックレスに誓って、翔もネックレスも大切にするし離さない‼︎ お前も俺の目が無い時に、羽目外すのは無しな⁉︎」
「羽目外してなんか無い…けど?心配なら、目を離さないようにね」
「そうしよう‼︎ これからは俺の監視がキツくなるぞ! お前から言ったんだからな‼︎ マジで、目が離せないっつ-の。本当に、何するか解んねぇ~し流され易いからな」
「そうかな~?」
「そうなんだって‼︎」
「湊に心配されるのって…嬉しいかも」
「ったく! 俺の方が振り回されそう」
今度は俺の頭を撫で嬉しそうな顔をして
「たくさん振り回されて、俺にどっぷり嵌まって!」
もう充分嵌ってるっつ-の!
「ふん! 振り回され過ぎて疲れちまうかもよ?」
「え~、そんなぁ~」
くっくっくっ……
焦ってる顔も可愛い~。
佐藤の頬に手を当て「じゃあ、翔に夢中になるようにしてくれよ」そう言って顔を近け唇を合わせた。
翔の咥内に舌を入れ、上顎や頬の内側をレロレロ…舐め回し、舌を絡めて唾液を吸う。
レロレロ……ピチャピチャ…クチュクチュ…
「ぁ…あ…ん」
俺の激しい口付けに、息継ぎする際に小さな喘ぎを漏らす。
クチュクチュクチュ…レロレロ…チュウチュウ…ジュルジュル…ピチャピチャ……
唇を離すと、トロ~ンと虚ろな目で俺を見て
「はぁはぁ…俺の…方が…夢中になり…そ…」
もっと俺に夢中になれ‼︎
「まだまだ、今日はこんなもんじゃないぞ‼︎ 今日は2人の初めてのクリスマスだからな」
「うん。その前に、もう一度だけ星空を見たい‼︎」
ロマンチックな佐藤らしいな。
大きな窓から2人で並んで星空を見上げた。
俺の手を握り星空を見ながら
「湊、愛してる」
俺の顔を見ないで話すのが佐藤らしいと思った。
どうしても照れがあるんだろう。
面と向かって話せるようになるまでは、もう少し先か⁉︎
俺も佐藤に倣って星空を見上げながら
「翔、愛してる」
そう話すと、俺の手をギュっと強く握った。
「俺…この星空…絶対に忘れない‼︎」
佐藤が星空に誓うように、俺も佐藤からのペアのネックレスに心の中で誓った。
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