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第653話 番外編
チュン.チュン…チュン…
大きな窓から朝の光と鳥の囀りの声で、俺は起きた。
「ん…朝……か」
隣には、俺の腕枕でぐっすり眠ってる佐藤の姿があった。
ああ、そうだ!
朝方まで……程良い倦怠感とスッキリした下半身で、昨夜の激しい行為を思い出した。
起きて直ぐの俺のモノは朝勃ちしてた。
ん~流石にマズいよな。
治るまで、佐藤の寝顔を見てた。
長い睫毛.形の良い眉.程良い高さの鼻.黒目が多く印象的な目が閉じ.いつも笑ってる口が半開きなのが、佐藤らしく笑える。
アイドル顔なんだが……なんか、キマらないんだよなぁ~、そこが可愛いが…残念なところだ。
そんな佐藤を見てると愛しくて仕方ない。
「ん…ん~ん…朝?」
「起きたか?おはよ」
朝の挨拶をした俺の声を聞いて、閉じてた目を見開き驚いた顔を見せた。
「えっ! あれ…なんで?」
寝ぼけてるのか?
「昨日から、コテ-ジに泊まってただろ-が」
「あっ! そうだった」
「まさか?昨夜の事も忘れてんじゃないよな?あんだけ愛を確かめ合ったのは覚えてるよな?」
「ゲッ! ……湊…言ってて恥ずかしくないんすか?」
「はあ?何を今更恥ずかしい事がある?翔の尻の孔まで舐めoxoxox…oxxoxx…」
最後まで言わせずに口を、手の平で押さえられた。
「止めてぇ~! そんな事言わないで下さいよ~、セックスの話を持ち出すのは禁止‼︎」
頬を染め、抗議する佐藤は可愛いらしい!
俺は口を塞がれ ‘うん.うん’ と意思表示した。
やっと手を退けてくれたのに合わせて「尻の孔を舐めた仲だろ?」と直ぐに言ってやった。
「ギャ~~‼︎」
体を反転し、そっぽを向き布団の中に潜り込む。
揶揄うの楽しい~~♪
耳まで赤い佐藤を背後から抱きしめ甘えるように話す
「翔~、冗談だって。初めての旅行で隣に翔が寝てたのが嬉しくって、つい言っちまった。こっち向いて、可愛い~顔を見せてくれよ~」
ピクっと体が反応し、布団の中で籠った声で話す。
「もう…セックスの時の話はしない?」
セックスって言葉は良いのか?
そこは恥ずかしく無いんだな。
笑いが漏れるが、声には出さないようにした。
「ああ、ごめんな~。今後、どんなに激しくセックスしても、翔がどんなに色っぽく可愛らしかったとか、俺が翔に夢中だとかは言いません」
反転し俺の方を向き直り、布団の中から少し顔を出し「最後の……翔に夢中…は、何度も言って良し‼︎」と照れて話す。
可愛い~~♪
こいつのこういう所が堪んねぇ~!
俺のツボに嵌る!
ギュッと抱きしめた。
「俺は翔に夢中です! 翔と居ると楽しい~し、ずっと一緒に居たいです!」
「湊~~俺も~~♪」
そう言って俺に抱き着いた。
朝からイチャイチャ…も良いな!
そんなイチャイチャ…を暫くして「そろそろ朝飯食べるか?」と、バスロ-ブを羽織りベットを抜け出すと佐藤も体を起こす。
「んギャ~~‼︎ 痛てぇ~.いたっ…うぅ」
「どうした?どこか、ぶつけたか?」
「ううん……腰が…腰」
顔をしかめ腰を摩ってた。
成る程な!
昨夜の激しい行為と何度も求めたからな。
まあ、佐藤からも強請られたし……だが、やはりダメ-ジは受け入れる方が強いんだな。
これまでは多くとも2回だけで終わってたが…昨夜はロマンチックな夜でクリスマスと言うイベントもあり俺も思う存分シタと後ろめたさがあり、佐藤を労った
「大丈夫か?ごめんな、俺が……悪かった」
佐藤は腰を摩りながら頭をブンブン…横に振り
「ううん……俺も同罪だよ。凄く嬉しかったし……でも、こんな事になるなんて…マジで腰を抜かすって、こんな感じなんだ」
良く解らない感想を述べる佐藤は相変わらずだ。
もしかして…俺が罪の意識を感じさせないように…してるのかもな。
「ありがと~な。朝飯は昨日買ってきたパンとジャムをつけて食べよう。俺が用意するから翔はそのままで寝てろ。ここで食べよう。その後もコテ-ジ出るのは12時で良いから、ゆっくりしような」
「うん♪ 昨日のパン食べれるんだ♪ 楽しみ~♪」
本当は体が辛いだろうに、明るく話す佐藤が佐藤らしいと思えた。
ゆっくりと布団の中に入って横になる佐藤を見届け、俺はシャワ-を浴びてから朝食の準備をした。
それから朝食をベットで食べ、俺達はもう一寝入りする事にした。
佐藤の体が動ける程に回復したのを確認し、浴室に連れて行き「風呂に、ゆっくり浸かれよ」と言って、俺は帰り支度を始めた。
浴室で音が聞こえ、動けるようになったと言っても、動作はゆっくりの佐藤の体を拭き服を着替えさせ支度を手伝う。
「恥ずかしいから…。1人で出来るから…」
「俺の責任でもあるから、良いからやらせろ!」
そんな遣り取りもあったが佐藤の支度を済ませ、少しだけ時間があると思い、佐藤を連れて寝室の大きな窓から外の風景を眺めた。
「昨日の星空とは違って、雪景色ですね」
「そうだな。都会では雪景色と見られないし…これはこれで綺麗だな」
「うん♪」
「翔、また旅行行こうな‼︎ それと…これ、ありがとう」
俺は服で隠れてるネックレスを触り話す。
「うん♪ 俺もありがとう♪ 思ってもみなかった旅行で、凄く嬉しかった♪」
佐藤の肩を引き寄せ唇を合わせた。
俺達の遅いクリスマスはこうやって終わった。
これから先も、イベント好きな佐藤をどう喜ばすか?俺の楽しみが出来た。
~後日談~
翔にクリスマスプレゼントとして『合鍵』を渡すと、涙を浮かべて「どんなプレゼントより嬉しい~~」と感激してくれた。
翌日には、翔からも『合鍵』を貰った。
俺も凄く嬉しく、翔が涙を浮かべて喜ぶ気持ちが良~く解った。
なぜか?翔から貰った『合鍵』はミッキ-のキ-キャップ付きだったのが翔らしいと思った。
「何で、ミッキ-なんだ?」と聞くと、照れて「可愛い~から」って渡された翔の方が可愛かった。
また、俺達の絆な深まった。
~ fin ~
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