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第659話

「あまり、遠くに行くなよ!」 「は~い♪ マコ、行こう」 「うん♪ じゃあ、祐さん。ちょっとだけ見てくるね」 「必要無いのは買うなよ。帰りにも寄るからな」 「「は~い」」 そう言って嬉しそうに2人でSA(サ-ビスエリア)の土産屋や売店を見に行った。 「嬉しそうだな」 「ああ、マコなんか昨日から煩くってな。相当、楽しみにしてたようだ」 真琴君の事を話す祐一は何だか楽しそうだ。 俺達は前に約束してた(交換条件)旅行に4人で来てた。 祐一達が迎えに来てくれ車に乗り込み、箱根に行く途中でちょっと早い昼食兼休憩をSAでとって居た。 フ-ドコートで昼食を取り、ミキ達は館内を見て来ると言うので、俺と祐一はそのまま待つ事にした。 「で、どうよ?新婚生活は?」 ニタニタ…しながら話す祐一に、俺は思ったままを口にした。 「まだ、2週間位だが、楽しいって言うか.安心するって言うか.嬉しいかな。今までは、仕事から帰って来ても寝るだけの部屋だったが、今は帰ると、明かりがあり部屋中に良い匂いさせて食事を作って待ってくれる何より、ミキが居るのが一番嬉しいな」 「解る.解る。俺も疲れて帰ると、朝方だがマコの寝顔見るのが一番癒されるし、マコも俺が帰った音に気が付いて ‘お帰り~お疲れ様’ って言ってくれたりすると一緒に暮らして良かった~って思う。好きな人と一緒に暮らすと、仕事にも張り合いが出るしな」 「解る‼︎ その気持ちは凄く解る‼︎ ミキが家に居るだけで、俺も疲れが吹っ飛ぶし癒される」 「順調そうだなぁ~。まあ、まだ2週間だし、そのうち2人の生活スタイルができるから安心しろ」 「そうだな。無理して、同棲解消なんて嫌だしな。自然体で過ごしていきたい」 「そうか。同棲した事で、少しは余裕が出来たようだな。さっきもマコがミキと一緒に後部座席乗りたいって言っても、何も言わなかったよな?前だったら俺にブチブチ文句言ってたし、今も2人で土産屋見に行くって言っても普通だったし、前なら俺も行くとか絶対言ってたぞ」 「確かにな。本人は無自覚だし周りには誘惑多いから俺が牽制してた。それと、ミキとの時間を大切にしたかったからな。なるべく2人で過ごしたかったし、ミキを独占したかった。同棲した事で、少し余裕が出たのは確かにあるな。いつでも一緒に居られるって言う余裕がな。前は何かあると、ミキが真琴君の所に行ってたのも妬きもち焼いてたが、感謝もしてるんだが、これからは最終的に帰る場所は俺の所だと思うと、そう言うのが少し薄れた。だから、今日も真琴君に貸してやる位の余裕がある」 「その位、余裕があった方が同棲も上手くいくって! 別々の人間が暮らすんだから、お互い尊重して楽しく暮らす事だけ考えれば良い‼︎ 」 「解った‼︎ 今はちょっと嬉しくって浮かれてる部分もあるがな」 「今は、思いっきり浮かれてれば良いって。まあ、これからだしな。頑張れ‼︎」 「おう‼︎ それと住所の件ありがと~な」 「大した事じゃねぇ~し、こっちも今日の旅行に行くの条件にしたしな。俺的にも助かった。まあ、ミキ宛の郵便物は必要な物だけマコに持たせるよ。どうせ、月に何度か沙織さん達とも集まってるからな、その時に渡せば良いだろ?」 「ああ、助かる」 「まだ、帰って来ないなぁ~。そろそろ呼ぶか?」 「だな」 祐一がスマホを取り出し、真琴君に電話を掛けた。 口では色々揶揄ったり悪くも言うが、本当に良い友人を持った。 「今、戻って来るってよ。変なの買ってなきゃ良いが」 「余計な物買うなって言ったから、大丈夫だろ」 「まあな、荷物になるしな。どうせ帰りに土産だとか買うんだろうし」 そんな事を話してるとバタバタ…と、小走りで走って来た。 「お待たせ~♪」 「ごめんなさい。ここ広くって、色々見る所があって~♪でも、楽しかったね?マコ」 「うん♪」 手荷物を持ってる真琴君がガサガサ…中から取り出しテ-ブルに並べた。 「美味しそうなプリンがあったから、食べよう♪」 小さな牛乳瓶に入ったプリンだった。 口に入れると、卵と濃厚な牛乳がふんだんに使われてるようで、濃厚で滑らかですっげぇ~旨かった。 「旨いな♪」 「でしょ.でしょ♪」 俺が話すと、ミキが嬉しそうな顔をして応えた。 真琴君は祐一にあと何を買って来たか?チェックされてたが、取り敢えずは余計な物は買って来て無さそうだった。 まるで親みたいだな。 子供っぽく明るいが、見た目よりしっかり者の真琴君は祐一には素直に甘えてるようだ。 こっちはこれで上手くいってんだな。 色々なカップルが居るって事…か。

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