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第666話

部屋に入って座椅子に座り、暫しの休憩をとった。 「はあ~、結構食べたし飲んだな~」 ミキの注いでくれたお茶を飲み一息つく。 「バイキングだと好きな物だけ食べれるし、色んな物を少しずつ食べちゃうから、結局たくさん食べちゃうんですよね~」 「ミキ達のデザートも凄かったぞ」 「何か、たくさんの種類があって目移りしちゃって~。小さいから良いかなって思ったけど……申し訳ないけど、食べきれなかった~」 「満足したなら良いんじゃねぇ~の」 ミキの機嫌も治り、普通に会話ができて良かった。 祐一達と分かれて2人になったら、またどうなるか?と思ってただけに安堵した。 「なあ~ミキ。もう少ししたら露天風呂入らないか?」 「良いですけど…ごめんなさい。伊織さん達が大浴場に行ってる間に、マコと2人で先に入っちゃいました」 「真琴君と⁉︎ 」 「はい。先に入るのはって思ったんですけど…」 「それは別に構わないが……真琴君に何か言われなかったか?」 ミキの体には昨日予防線を張る為に、たくさんのキスマ-クをつけていたはず。 まあ、キスマ-クがミキの体から消える事は殆どない 消えそうになると、直ぐに俺がつけるからだ。 何か思い出したのか?頬を染め言い難そうに話し始めた。 「マコにキスマ-ク見られちゃって焦りました」 「だろうな」 「でもね、伊織さん。マコの気付かない所に、しっかり祐さんもキスマ-クつけてたんですよ~。マコも知らなかったみたいで、俺だけじゃないよってマコに言いました。マコは嬉しそうでしたけど」 えっ‼︎ 真琴君の体にキスマ-ク⁉︎ そうだよな、考えてみれば祐一の恋人だし同棲もしてるんだから、ヤル事はヤッてるんだよなぁ~。 あの子供っぽい真琴君とセックスがどうも結びつかない。 真琴君に性的な事を感じない。 そうか、祐一とセックスしてるんだな~。 「そうか、真琴君もスルんだな」 ポロッと、思った事を口にしてた。 「……マコの…そう言うの気になります?」 少し疑わしい目をされ聞かれた。 俺は焦って直ぐに誤解を解いた。 「違う.違う‼︎ そう言うんじゃなく。真琴君からは性的な事が感じられないって言うか、祐一の恋人だからセックスしてるんだろうが、今までそう言う事考えた事なかったからな。祐一を揶揄う為に言う事はあってもキスマ-クとか言われると生々しく思っただけだ。それに真琴君は俺の守備範囲ではないしタイプじゃない‼︎」 夕飯前の事もあり、真琴君に興味があるって誤解されたら堪ったもんじゃねぇ~。 「へえ~、伊織さんの守備範囲って?タイプって?」 「俺は可愛い系より綺麗系がタイプだ。ミキそのものがタイプだ‼︎ 俺はミキ以外は目に入らないって言ってるだろ⁉︎」 俺の力説が通じたのか?頬を染め照れるミキが可愛いらしい。 綺麗なのに可愛いって、殆ど犯罪だろ! 「ありがと。嬉しいです」 誤解は解けたようだな、ホッとした。 「そろそろ露天風呂に入るか?」 「あっはい。先に行ってて下さい。露天風呂出たらビ-ル飲みますよね。少し、つまみ用意してから行きますね」 「解った。先に行ってる」 露天風呂出た後の事まで考えて、甲斐甲斐しく本当に良い奥さんだ。 部屋を出て外で浴衣脱ぎバスタオルと一緒に籠に入れ裸になり湯気の立つ露天風呂に先に入った。 あ~、気持ち良い~♪ 肩に湯を掛け露天風呂を満喫してると、小さいが声が聞こえた。 「気持ち良い~ね」 「ああ。マコ、もっとこっちに来いよ」 祐一達も入ってたのか。 そのうちに「やっ、祐さん。こんな所で…ぁん」 小さな喘ぎ声が聞こえ始めた。 ヤベぇ~、おっぱじまった~。 何で、今スルんだよ~。 出るかどうか迷ってた所に、ミキが部屋から出てきた どうすっかな~、いや、ここは知らない振りと聞こえない振りか? 後ろを向き浴衣をスルスル…と脱ぎ、肩や背中と白い肌が露わになり俺のモノが反応を示した。 ああ、綺麗な体だ。 月明かりに、白い肌が何とも艶やかで色っぽい。 露天風呂に入り、ミキが俺の隣にきた。 「昼とは、また雰囲気が違いますね」 「昼も気持ち良さそうだな」 「はい。木々とか少し雪が見えたりと、自然が感じられました。夜は月明かりが綺麗ですね」 「ああ」 その時に、静まってた隣から声が聞こえた。 「ぁあ…祐さん…ぁん…やっ…ぁあ」 ミキは驚き目を丸くし俺を見たが、俺は誤魔化すようにザバァッと湯を出て縁に座り 「結構、熱いよな」 そう言って手団扇をして、聞こえない振りをした。 「あっ…だめ…だめって…ぁん…も…」 本人達は小さい声だと思ってるかも知れないが、静かな外では結構聞こえてくる。 部屋の中でしろよ‼︎ 離れって言っても隣同士なんだからな‼︎ それか最初っから、隣と離れてる離れの部屋を取れよ‼︎ 俺は宿を取る時はいつも確認してそうしてる。 ミキの喘ぎ声を聞かせたくないし、露天風呂でもシタイからだ。 その位の配慮しろよな‼︎ 「結構……声…聞こえますよね」 そう言ってザバァッと湯から出て、俺の隣に座ったミキの体から湯気が立ち上がり、ほんのり火照り色っぽい。 浴衣を脱いだ姿を見て俺のモノが半勃ちだったが、その姿を見てまたピクッムクムク…俺の意思とは関係なく勃ち上がってしまう。 「あん…や…そこ…ぁん…いい」 そんな時に運悪く、真琴君の喘ぎ声が聞こえた。 ったく‼︎ 部屋でヤレっつーの! そう思ってると 「伊織さん‼︎ マコの声聞いて大きくしてるなんて、最低‼︎」 俺のモノを冷めた目で見て、それから俺の顔を見て言い放ち、そのまま露天風呂を出て浴衣を羽織り部屋に戻って行った。 咄嗟のミキの行動にボ-然とし、その後ろ姿を見てた 何が起こった? ハッとし我に返った。 「ミ.ミキ‼︎」 ご.誤解だ~~‼︎ 何で、俺が真琴君の喘ぎ声なんかに、反応する訳ねぇ~だろ-が。 頭を掻きむしり、俺も慌てて露天風呂を出て浴衣を羽織り後を追った。 何で、こうなるかな~~。 運が悪いとしか言えない日だ‼︎ いや、あの2人が疫病神なのか?

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